短歌研究五十首応募一位入選とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 短歌研究五十首応募一位入選の意味・解説 

短歌研究五十首応募一位入選

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:13 UTC 版)

中城ふみ子」の記事における「短歌研究五十首応募一位入選」の解説

ふみ子札幌医科大学附属病院入院は、そもそも予後絶対不良宣告受けて入院であった入院治療開始時点前年11月の手術痕への放射線当てる治療行っていたと考えられているが、手術部位周辺皮膚への癌の転移確認されたため、1954年1月20日からは放射線照射部位拡大することになった。また入院時点から胸部X線写真に肺への転移疑わせる所見見られていたが、4月以降ふみ子呼吸困難訴えるようになり、肺の放射線治療始まった。また4月から不眠のために睡眠薬常用開始し微熱にも悩まされるようになった。癌の病状確実に悪化し続けふみ子の体を蝕んでいた。 3月28日日本短歌社の中井英夫からの葉書ふみ子のもとに届いた葉書帯広実家宛に出されており、実家からふみ子病室転送されての到着であった葉書には「短歌研究五十応募ふみ子の作が1位に決定し4月号の巻頭掲載する記されていた。そして題名太宰治戯曲から採ったと思われ、やや弱い印象の「冬の花火ではなく乳房喪失としたいこと、50首のうち42首を載せたいという二点の了承求めた。更に5月号には入選作家抱負6月号に改めて歌を載せたい考えていること、ふみ子写真欲しいとの要請記されていた。ふみ子宛の葉書実家経由して届いたため、父、豊作の字で「大イニ感心ス」と添え書きされていた。 日本短歌社の「短歌研究五十応募公称応募総数1003であったが、後に中井英夫400程度であった明かしている。応募者の中には山中智恵子らの名前もあったが、当初、「短歌研究」の編集部応募作品一読した段階では特に優れた作品がある印象無かった編集部当初案では野原嶺がふみ子とともに五十応募投稿するように働きかけ大塚陽子の作が一位候補であったが、編集長中井改めて候補作熟読する中で、ふみ子の作が大変に優れている確証持ち、そして石川不二子作品これまでにない優れたのである判断した中井ら「短歌研究編集部五十応募応募者に求めていたものは「美事な野心であった五十応募結果発表の中で、「短歌研究編集部は「いわゆる歌壇作品比してこのくらいなら、という自信のもとに作品を投ぜられた方も多いだろうが、それは少なくとも美事な野心ではないはずである」と講評した上でふみ子作品を「新しい精神への期待にやや応えてくれたものといえる。人によってはポーズ過剰に眉をひそめるかもしれないが、平明枯淡身辺詠が主流となった現代短歌への反措提の一石を投ずるものであろう」と、評価した中井ふみ子詠んだ50首を特選として掲載するに当たり、まず太宰治作品同名になってしまっている「冬の花火ではなく応募作の中の 救ひなき裸木ここにして乳房喪失我が声とほる から、「乳房喪失」を題名とすることにした。またあまりに作品印象が強すぎて読者付いていけなくなる恐れがあった歌と、出来比較的劣ると判断した8首の発表止め42首で発表することとした。 ふみ子五十応募の1位入選狂喜した葉書手元届いたのは夜になってからのことであった。そして消灯時間後になってしまったが、早速入院であった仲間ところに行き、「嬉しいのよ。これ、見てと言いながら葉書見せ、肩を抱き合って喜び分かち合った。そして日記には1位入選喜びとともに葉書添えられた父の「大イニ感心ス」と書かれていたこともまた嬉しかった記している。 1位入選喜びながらもふみ子は冷静であった日記には受賞と父の誉め言葉対す喜びとともに、「特殊な題材」のため宣伝用に注目されに過ぎないのではとの推測記した上でまだまだ自信なしと書いている。ふみ子は早速中井英夫お礼葉書送っているが、その内容落ち着いたものであった。そして4月2日には父、豊作に1位当選をした喜びとともに不景気の折、気が引けると言いながら、葬式要らないから歌集出したいお願いする手紙出している。結局歌集出版費用は1位入選喜んだ父の豊作負担することになり、出版作業進められることになった

※この「短歌研究五十首応募一位入選」の解説は、「中城ふみ子」の解説の一部です。
「短歌研究五十首応募一位入選」を含む「中城ふみ子」の記事については、「中城ふみ子」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「短歌研究五十首応募一位入選」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「短歌研究五十首応募一位入選」の関連用語

短歌研究五十首応募一位入選のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



短歌研究五十首応募一位入選のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの中城ふみ子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS