短歌研究五十首応募の発表と反響とは? わかりやすく解説

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短歌研究五十首応募の発表と反響

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:13 UTC 版)

中城ふみ子」の記事における「短歌研究五十首応募の発表と反響」の解説

短歌研究五十応募の1位入選の報に喜んでいたふみ子であったが、病状悪化をし続けていた。4月半ば、隣の入院患者危篤となり、まもなく亡くなったふみ子万が一に際して知らせて欲し人物10名の名を日記書き留めた。その一方で映画を見に行ったり、歌会出席するなど外出楽しんでいた。入院中に外出して出席した歌会の席でふみ子披露した歌が ひざまづく今の苦痛キリストの腰覆ふ僅かな白き粗布のみ である。 友たちがこの歌に関する意見出し合う中、ふみ子は「キリストも男でしょ」と語り人間として、男としてのキリスト描き性的なもの見ていた。ふみ子入院中も男性との出会いがあった。例え主治医と高級中華料理店などでデート楽しんでおり、歌友の大塚陽子は「札幌来てからも彼女はキリスト出会った」と、主治医とのデートを楽しむふみ子の姿を描写している。 ところでふみ子からのお礼葉書受け取った中井英夫は早速手紙送ったその中で中井は1位入選経緯改め説明するとともに、「短歌研究」と「潮音」への二重投稿戒め、更に改め写真入選者の感想、そして6月号に掲載用の30首を送るように依頼した。これ以降ふみ子中井頻繁に濃密な内容の手紙のやり取り続けることになる。 ふみ子作品巻頭を飾る短歌研究4月号の発行遅れていたが、4月半ば刊行された。 唇を捺されて乳房熱かりき癌は嘲ふがにひそかに成さる 男性の唇が触れた時には官能高まり熱くなった乳房、しかしその乳房には己をあざ笑うかのように癌が成長していたと、女性の性と癌を詠んだ歌から始まる42首、「乳房喪失」が「短歌研究4月号の冒頭掲載されのである。 「短歌研究特選ふみ子の歌を巡って、早速賛否両論噴出した。「短歌研究5月号には歌壇反響載せられているが、「これはやりきれぬ。時代遅れ田舎くさい」、「表現が大雑把身振りが非常に眼につく……作りものだという気がする」など、否定的な厳し意見寄せられ近藤芳美至って次席石川不二子褒めただけで特選ふみ子無視した実際歌壇評価はもっと辛辣であった。その一方で歌壇若手中心に熱狂的とも言える支持の声が沸き上がった五十応募参加者ひとりであった山中智恵子は「短歌研究編集部に早速「中城の歌に狂倒しております」とのファンレター送った。その他、乳房喪失読み興奮のあまり一晩眠れなかった、短歌作る意欲失いかけていたが希望得た短歌を見限ろうと思っていた矢先光明見えた等々感想続々寄せられた。 中井ともすると中城作品から目を背けようとしている既存歌壇姿勢対す怒り深めていた。中でも戦後派呼ばれる戦後歌壇デビューした歌人たちがふみ子作品厳しく批判していることに我慢がならなかった。「中城氏の作品に目を背けざるを得ぬとすれば、そこに歌壇の不幸は始まると思われる」、「第二戦後派は必ず出る、旧勢力に対して本当反逆ができる若い世代がもうすぐ生まれてくるはずだと語っていた当人が、それらしいものが頭をもたげるが早いか、もう土足踏みにじろうとする態度には呆れて物がいえない」そう述べた中井は、はっきりと既存歌壇対す戦闘意欲高めていた。 そして歌壇分断ともいうべき混乱状態の中、更に火に油を注ぐような事態発生することになる。

※この「短歌研究五十首応募の発表と反響」の解説は、「中城ふみ子」の解説の一部です。
「短歌研究五十首応募の発表と反響」を含む「中城ふみ子」の記事については、「中城ふみ子」の概要を参照ください。

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