症状、概要とは? わかりやすく解説

症状、概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/23 19:33 UTC 版)

原爆ぶらぶら病」の記事における「症状、概要」の解説

体力抵抗力弱く疲れやすい、身体がだるい、などの訴え続き人並みに働けいためにまともな職業につけない病気にかかりやすく、かかると重症化する率が高いなどの傾向をもつとされる広島市への原子爆弾投下後、市民のあいだで名付けられ医師肥田舜太郎被爆患者臨床経験をもとに研究してきた。肥田によると、当時よく呼ばれていた"ぶらぶら病"の状態­が続き医師相談していろいろ検査受けてもどこも異常がないと診断され仲間家族からは怠け者というレッテルを貼られたつらい記憶をもつ者が少なくないという。 ぶらぶら病についての証言は、広島原爆投下時に宇品港近くにいた岸本久三言葉として、「広島でも“ブラブラ病”と言うとったんですか。そういえば語感がぴったりですねえ。私もこの原因不明病気やられてから仕事もすっかりやめ、毎日家にごろごろしているんですが、近所の人たちからなまけ者と言われているような気がして…」十数年前からの倦怠感四、五年前からの痛み吐き気呈し、「医者原因不明だというんです。名護保健所で手に負えず、那覇では胃が悪いといわれて、とうとう開腹手術までやりましたが、結局、胃は異常なし。次は神経科回されまして……ノイローゼだろうということなんでしょうが。この痛みはだれにわかってもらえません。」(一部略)「表面はじょうぶそうに見えるから、かえっていけない。手か足に傷でもあるほうが、世間の人にはよくわかってもらえるのに…」―狭いのなかで岸本さんの“ブラブラ病”には、かなり気をつかっている様子だ、との記載がある。 また全身倦怠感易疲労感を中心とした症候群である「慢性放射能症」、「慢性原子爆弾症」(都築正男、「慢性原子爆弾症について」昭和29年2月日本医事新報』第1556号所収)と一致、または重複する病態対する、民間における呼称とも考えられる原爆投下時に、いち早く広島入り原爆症科学的解明被爆者医療および看護基本方針明らかにした都築正男教授東京帝国大学医学部外科学)による報告では「広島および長崎被爆したが、幸にして死亡免れて生存し得た人々のうちに、晩発症として、白内障白血病再生不能貧血原文ママ再生不良性貧血)等が発生していることは、すでに知られている。しかし、現在最も注目せられることは、私が「慢性原子爆弾症」と名づけることを提唱した病態であって疲れやすく、根気なく、感冒下痢などにかかりやすく、生気乏しい状態を示すものが可なり多いことである。主として放射能威力による内臓骨髄、肝、腎、内分泌臓器生殖腺等―の障害に基く機能不全乃至機能変歪によるもので、その結果として生活予備力不足することに基づくものであろう考えられている。ビキニの灰を被ることによっても、類似の慢性放射能症が惹起せられ、抵抗力の弱いものとなる可能性があると思う。ただし、これ等慢性症のことは、医学的になお未知の領域属するものであって今後研究の進むと共に、その予防ならびに治療対策考え得られることと思う。」と記載がある。 1976年10月日本全国被爆者らによる「核兵器全面禁止国際条約締結核兵器使用禁止の諸措置実現国連要請する国民代表団第二次代表団国連本部訪れ提出した全日本民主医療機関連合会広島長崎原爆被害その後遺―国連事務総長への報告」は、原爆症の後障害のうちでとくに重要と思われるものに「原爆ぶらぶら病」があるとして、実態詳説している。 日本国外では、"bura bura disease"(ブラブラ ディズィーズ、英語)として知られる内部被曝や低線量被曝原因との見方があるが、因果関係立証されていない原発労働者倦怠感湾岸戦争から帰還したアメリカ兵の"湾岸戦争症候群"、米国大気圏核実験被曝したアメリカ兵や、チェルノブイリ原子力発電所事故被災者に、症状共通しているとの指摘もある。さらに、アメリカ合衆国ロシアなど旧ソ連諸国中国のように、核実験場原爆製造工場原子力発電所がある国にはこの症状有する者がいるが、どの国も医療者も、一貫してその存在否定している、ともいわれる

※この「症状、概要」の解説は、「原爆ぶらぶら病」の解説の一部です。
「症状、概要」を含む「原爆ぶらぶら病」の記事については、「原爆ぶらぶら病」の概要を参照ください。

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