町又は字とは? わかりやすく解説

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町・字

(町又は字 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 02:13 UTC 版)

町・字(ちょう/まち・あざ)は、日本市区町村の下に置かれる区画である、「」(ちょう/まち)と「」(あざ)を合わせた語である。「町または字」「町もしくは字」「町字[注釈 1]」などとも記される。


注釈

  1. ^ 「町字」の語を立項する辞典は、2023年時点で存在しない。
  2. ^ 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条第1項は「市町村長は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、市町村の区域内の町若しくは字の区域を新たに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て定めなければならない。」とし、同項条文中は「町若しくは字」と表現されているが、これは法文上の「又は(または)」と「若しくは(もしくは)」の使い分けによるものであり、「町又は(または)字」と「町若しくは(もしくは)字」の間に語義の違いはない。
  3. ^ 「字之事 是は田畑其外山林野地等にても、地所の小名を字(あざな)と云。口にて言ふときは名所(などころ)とも小名(こな)とも下げ名ともいへども、帳面証文等に認るには字と書くことなり」(『地方凡例録』)
  4. ^ 今尾 (2004), p. 183-185では、石岡市大字小井戸の例を紹介している。
  5. ^ 「字△△」については「小字△△」も含まれる。
  6. ^ 「街区方式に適した規模」については、商業地は10ha(3万坪)、住宅地で17ha(5万坪)、工業地で27ha(8万坪)が標準として明記された[34]
  7. ^ ただし、これら「一番丁」から「十三番丁」の町名ができたのは、明治5年のことである。『角川日本地名大辞典 30 和歌山県』 (1985)
  8. ^ 千代田区ホームページなど。町丁の語で検索すると国勢調査の集計単位である「町丁・字等」の語が多く抽出されるが、これは町丁の語が当該市町村で用いられているということを示すものではない。
  9. ^ 例えば、京都市の例[32]や、昭和初期の旧東京市35区(いわゆる「大東京市」)誕生時[33]など。
  10. ^ なお、今尾 (2004), p. 28では、温泉津町では、「○○大字」と「大字」の語を大字名の後ろに付していたとするが、これはこれらの町名(湯里、温泉津、福波、井田)が大字名であると錯誤したものと考えられる。

出典

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  4. ^ 齊藤 (2020), p. 14.
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  54. ^ 京都市では西京区の「御陵大枝山町一丁目」や東山区の「本町一丁目」など「丁目」のつく町名を有するが、それらを含め町別の人口と表している。(住民基本台帳人口(京都市ホームページ)”. 2023年4月6日閲覧。
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  59. ^ 今尾 (2004), p. 264では、後述の大山崎町のほか、船井郡(園部町を除く)がそれにあたると指摘する。
  60. ^ 円明寺村は江戸期から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 245, 「円明寺」)
  61. ^ 大山崎庄は明治初年から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 296, 「大山崎」)
  62. ^ 下植野村は江戸期から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 718, 「下植野」)
  63. ^ 『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 296, 「大山崎」.
  64. ^ 例えば、大山崎町役場の所在地は「京都府乙訓郡大山崎町字円明寺小字夏目3」である。
  65. ^ 例えば高槻市の例規集に掲げられる大阪府の告示を見ると、住居表示の実施に当たって「字の区域を変更し、町の区域を新設する」としている。町の区域変更(高槻市例規集)”. 2023年6月24日閲覧。
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  68. ^ 1954年10月に発足した草津町(現在の滋賀県草津市)では発足と同じ年度に草津町内の「大字○○」を「○○町」とすることを議決し、1955年4月1日から施行した。草津市区域内の字の名称変更について(草津市例規集)”. 2023年6月24日閲覧。
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  70. ^ 平成18年(2006年)1月に園部町、美山町、八木町、日吉町の合併により発足した南丹市では、字(小字)名を、「合併前町名+「大字」あるいは「字」の文字を除いた大字名+「小字」の文字を除いた小字名」に変更している。 京都府広報号外第1号(平成18年1月1日 発行)”. 2023年5月27日閲覧。
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