生かすと活かすの意味の違いと使い分け
読み方:いかす
「生かす」と「活かす」の違いは、「生かす=生存させる」「活かす=活躍させる(発揮する)」と捉えてよいでしょう。履歴書などで「学生時代に培った経験をいかして~」と記述するような場面では「活かす」の表記が意味上は適切です。ただし、「活かす」を「生かす」と表記してしまっても、あながち誤りではありません。
■ 字義から理解する「生かす」と「活かす」の意味の違い
「生かす」と「活かす」という漢字の表記は、文脈によって使い分けられることもあり、また、意味合いにかかわらず「生かす」と表記されることもあります。
「生」の字を用いた「生かす」という言葉は、生命活動を維持する(殺さない)という意味で特に用いられます。「生」の字は命や暮らしに関する意味合いで用いられる字です。
「活」の字を用いた「活かす」という表記は、機能や能力が発揮される(活用される)という意味で用いられます。「活」の字には「役立てる」という意味があります。
「《生》は生命の生」「《活》は活躍の活」と考えれば、明確に意味や使用場面の違いを把握できます。判断に迷うことはないでしょう。
とはいえ、実際には「活かす」の意味で「生かす」と表記する場合が多々あります。もし、どうしても迷ったら、「生かす」の方を選んでおいた方が無難です。少なくとも、決定的な間違いと判断される懸念はありません。
■日常の使用場面ではたいてい「活かす」の方が適切
日常の場面で「いかす」「~をいかして」のように表現する場合の大半は、「発揮する」「活用する」「役立たせる」といった意味合いで使われます。この場合、基本的には「活かす」の表記が適切といえます。
「いかす」を「生かす」と表記する場面は、日常ではそう多くありません。「生かす」は極言すれば「殺さない」という意味です。とはいえ、実際には「活かす」の代替表記として「生かす」が用いられる場面も多々あります。
【活かす】の使用例
・将来は海外留学で身につけた語学力を活かせる仕事につきたい
・前回の反省を活かし用意周到に段取りを整える
・今回の失敗経験はぜひ今後の業務に活かしたい
・地の利を活かした難攻不落の名城
・素材本来の味を活かした一品
【生かす】の使用例
・魚を捌く直前まで生かしておく
・おのれ生かしては帰さぬ
「いかして」という表記はサ行四(五)段活用の動詞「いかす」の連用形に接続助詞「て」が付いた形です。
■ 「活かす」は「生かす」の表記で代替する場合が多々ある
「活かす」と書いて「いかす」と読む用法は、実は《常用外》の漢字づかいです。そのため、常用外漢字の使用を避ける新聞や公文書などでは「生かす」も「活かす」も区別せず「生かす」の表記を用いることがよくあります。
たとえば文部科学省は、生涯学習審議会(1999年4月)の中間報告の文書の中で「学習の成果を幅広く生かす」「個人のキャリア開発に生かす」といった表記を用いています。国語辞典「三省堂大辞林」でも、「リーチ(reach)」の語の文例として 「長い-を生かした攻め方」という一文を記載しています。
※「活」の字は、それ自体は常用漢字です。「活」の字の読み方が、常用漢字表には音読みの「カツ」のみが記載されており、訓読み(「い-かす」)は記載されていないため、「活かす」と書いて「いかす」と読む用法が常用外である、というわけです。
履歴書などで「強みをいかして」「長所をいかして」のように表現する場合の「いかす」は、「能力や経験を存分に発揮する」という意味であり、その観点でいえば「活かす」の表記が適切と判断できます。しかしながら「活かす」という表記は常用漢字を重視する観点から「生かす」の表記に代替させてしまうことも可能です。結局のところ、「生かす」を使っても「活かす」を使っても、あながち不適切ということにはなりません。
ただし《人を生かす》と述べる場合に限っては、「職能の発揮」のような意味とも、救急救命や生殺与奪の意味合いとも、どちらとも解釈できてしまえます。おそらく前後の文脈を鑑みれば誤解は生じないでしょうけれど、万が一の誤読の懸念が残る場合には、説明を補ったり、あるいは当該の表現を「いかす」以外の語句に差し替えることも検討するべきでしょう。
■あえて一方を選択するなら「生きる」が汎用的で無難
「生」と「活」は類義語です。どちらの字を使っても「いかす」と書いても、意味が大きく隔たることにはなりませんし、使い誤りが致命的になる場面もそうそう生じません。要はどちらでも構いません。どっちでもOK。
「生かす」と「活かす」は、結局のところ、ほとんど「ただの異表記」と捉えて大丈夫です。「活かす」の意味で「生かす」と表記してしまっても問題ありません。とりわけ、表記の平易さや汎用性の度合いという観点においては、常用漢字表に読み方が含まれる「生かす」の方が有利というか無難です。
「生かす」を「活かす」と表記した場合も、間違いと判断されることはないでしょう。たとえば、活力をみなぎらせるようなニュアンスを込めて、あえて「生かす」を「活かす」と表記するような場合も充分にあり得ます。ただ、この場合「何らかの特殊なニュアンスが含まれている」とか「なんだか格好つけてるなあ」とか思われる余地は残ります。
■「いかす」と同様に「いきる」でも「生」「活」両方が使える
ちなみに、「生きる」および「活きる」という語形でも、「生きる」と「活きる」どちらの表記も使えます。ただし「活きる」と表記する場面は限られます。「素材そのものの味が活きている」とか、囲碁の世界では「石が活きている」とよく表現しますが、そうした例を除くと大抵の場面では、より無難といえる「生きる」の表記が用いられる傾向があります。
「生かす」と「活かす」の違いは、「生かす=生存させる」「活かす=活躍させる(発揮する)」と捉えてよいでしょう。履歴書などで「学生時代に培った経験をいかして~」と記述するような場面では「活かす」の表記が意味上は適切です。ただし、「活かす」を「生かす」と表記してしまっても、あながち誤りではありません。
■ 字義から理解する「生かす」と「活かす」の意味の違い
「生かす」と「活かす」という漢字の表記は、文脈によって使い分けられることもあり、また、意味合いにかかわらず「生かす」と表記されることもあります。
「生」の字を用いた「生かす」という言葉は、生命活動を維持する(殺さない)という意味で特に用いられます。「生」の字は命や暮らしに関する意味合いで用いられる字です。
「活」の字を用いた「活かす」という表記は、機能や能力が発揮される(活用される)という意味で用いられます。「活」の字には「役立てる」という意味があります。
「《生》は生命の生」「《活》は活躍の活」と考えれば、明確に意味や使用場面の違いを把握できます。判断に迷うことはないでしょう。
とはいえ、実際には「活かす」の意味で「生かす」と表記する場合が多々あります。もし、どうしても迷ったら、「生かす」の方を選んでおいた方が無難です。少なくとも、決定的な間違いと判断される懸念はありません。
■日常の使用場面ではたいてい「活かす」の方が適切
日常の場面で「いかす」「~をいかして」のように表現する場合の大半は、「発揮する」「活用する」「役立たせる」といった意味合いで使われます。この場合、基本的には「活かす」の表記が適切といえます。
「いかす」を「生かす」と表記する場面は、日常ではそう多くありません。「生かす」は極言すれば「殺さない」という意味です。とはいえ、実際には「活かす」の代替表記として「生かす」が用いられる場面も多々あります。
【活かす】の使用例
・将来は海外留学で身につけた語学力を活かせる仕事につきたい
・前回の反省を活かし用意周到に段取りを整える
・今回の失敗経験はぜひ今後の業務に活かしたい
・地の利を活かした難攻不落の名城
・素材本来の味を活かした一品
【生かす】の使用例
・魚を捌く直前まで生かしておく
・おのれ生かしては帰さぬ
「いかして」という表記はサ行四(五)段活用の動詞「いかす」の連用形に接続助詞「て」が付いた形です。
■ 「活かす」は「生かす」の表記で代替する場合が多々ある
「活かす」と書いて「いかす」と読む用法は、実は《常用外》の漢字づかいです。そのため、常用外漢字の使用を避ける新聞や公文書などでは「生かす」も「活かす」も区別せず「生かす」の表記を用いることがよくあります。
たとえば文部科学省は、生涯学習審議会(1999年4月)の中間報告の文書の中で「学習の成果を幅広く生かす」「個人のキャリア開発に生かす」といった表記を用いています。国語辞典「三省堂大辞林」でも、「リーチ(reach)」の語の文例として 「長い-を生かした攻め方」という一文を記載しています。
※「活」の字は、それ自体は常用漢字です。「活」の字の読み方が、常用漢字表には音読みの「カツ」のみが記載されており、訓読み(「い-かす」)は記載されていないため、「活かす」と書いて「いかす」と読む用法が常用外である、というわけです。
履歴書などで「強みをいかして」「長所をいかして」のように表現する場合の「いかす」は、「能力や経験を存分に発揮する」という意味であり、その観点でいえば「活かす」の表記が適切と判断できます。しかしながら「活かす」という表記は常用漢字を重視する観点から「生かす」の表記に代替させてしまうことも可能です。結局のところ、「生かす」を使っても「活かす」を使っても、あながち不適切ということにはなりません。
ただし《人を生かす》と述べる場合に限っては、「職能の発揮」のような意味とも、救急救命や生殺与奪の意味合いとも、どちらとも解釈できてしまえます。おそらく前後の文脈を鑑みれば誤解は生じないでしょうけれど、万が一の誤読の懸念が残る場合には、説明を補ったり、あるいは当該の表現を「いかす」以外の語句に差し替えることも検討するべきでしょう。
■あえて一方を選択するなら「生きる」が汎用的で無難
「生」と「活」は類義語です。どちらの字を使っても「いかす」と書いても、意味が大きく隔たることにはなりませんし、使い誤りが致命的になる場面もそうそう生じません。要はどちらでも構いません。どっちでもOK。
「生かす」と「活かす」は、結局のところ、ほとんど「ただの異表記」と捉えて大丈夫です。「活かす」の意味で「生かす」と表記してしまっても問題ありません。とりわけ、表記の平易さや汎用性の度合いという観点においては、常用漢字表に読み方が含まれる「生かす」の方が有利というか無難です。
「生かす」を「活かす」と表記した場合も、間違いと判断されることはないでしょう。たとえば、活力をみなぎらせるようなニュアンスを込めて、あえて「生かす」を「活かす」と表記するような場合も充分にあり得ます。ただ、この場合「何らかの特殊なニュアンスが含まれている」とか「なんだか格好つけてるなあ」とか思われる余地は残ります。
■「いかす」と同様に「いきる」でも「生」「活」両方が使える
ちなみに、「生きる」および「活きる」という語形でも、「生きる」と「活きる」どちらの表記も使えます。ただし「活きる」と表記する場面は限られます。「素材そのものの味が活きている」とか、囲碁の世界では「石が活きている」とよく表現しますが、そうした例を除くと大抵の場面では、より無難といえる「生きる」の表記が用いられる傾向があります。
- 生かすと活かすの意味の違いと使い分けのページへのリンク