犯罪による収益の移転防止に関する法律とは? わかりやすく解説

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犯罪による収益の移転防止に関する法律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 12:57 UTC 版)

犯罪による収益の移転防止に関する法律(はんざいによるしゅうえきのいてんぼうしにかんするほうりつ)は、資金洗浄(マネー・ロンダリング)およびテロ資金供与対策のため、金融機関等の取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出の義務などの規制を定める法律である[1]。通称は犯罪収益移転防止法犯収法


注釈

  1. ^ 士業者については各士業法人を含むが、可読性のため下表においては省略する。
  2. ^ 弁護士は犯収法上の特定事業者ではあるが、弁護士に関する規制は司法書士などが行うべき措置に準じて日本弁護士連合会の会則で定めるところによるとされており[5](犯収法12条1項)、犯収法の直接の規制は受けず弁護士自治に基づく自主規制の体裁となっている。
    日弁連の会則に基づき弁護士が負う義務は他士業が犯収法上負う義務と同等であり、犯収法の改正に合わせて対応する会則の改正も行われている[6]。ただし、義務違反に対する是正命令規定(是正命令に反した場合刑事罰が存在する。)の対象ではなく、強制措置は弁護士会内の懲戒処分によるのみである。
  3. ^ FATF勧告や警察庁の当初案では弁護士等の士業に「疑わしい取引の報告義務」が課されていたところ、弁護士が負う守秘義務は依頼者との信頼関係の基礎であるとして日弁連が反対したため、士業全体について疑わしい取引の届出義務は削除された[8]。その後、2022年改正により、公認会計士、行政書士、税理士の3士業について届出義務が課された。2024年現在、疑わしい取引の届出義務が存在しない特定事業者は弁護士と司法書士のみである。

出典

  1. ^ JAFIC 2021, p. 1
  2. ^ 疑わしい取引の届出先一覧”. 警察庁. 2024年5月26日閲覧。
  3. ^ JAFIC 2021, p. 2
  4. ^ FATF勧告実施のための法律の整備について”. 国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部. 2024年5月26日閲覧。
  5. ^ a b JAFIC 2021, p. 9
  6. ^ 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律への対応に関する会長声明”. 日本弁護士連合会 (2016年1月22日). 2021年8月8日閲覧。
  7. ^ JAFIC 2021, pp. 10–11
  8. ^ 犯罪による収益の移転防止に関する法律案についての会長声明”. 日本弁護士連合会 (2007年2月13日). 2021年8月8日閲覧。
  9. ^ JAFIC 2021, pp. 12–16
  10. ^ 盗まれた1040万円の純金茶わんがたった180万円…「売却額」を業界人はこう見る 480万円で即日転売の怪:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年4月20日閲覧。


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