概念と動機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 03:47 UTC 版)
この映画は、オーストラリア、カナダ、アイルランド、米国の国外居住者によって創られた。映画の制作者はJeff Floro、Edwin Lee(李健恩)、Shawn Tse(謝兆龍)、Marcus Tsui(崔正傑)である。アイルランド市民の李が唯一のプロ映画制作者で、編集者と撮影監督を務めた。李はマルチメディアとテレビ業界で報道記者を務め、サウスチャイナ・モーニング・ポストと亜洲電視で働いていた。2013年7月11日、スノーデンが自分の正体を明かしてから2日後、李健恩は映画製作の可能性について友人と連絡を取った。李と崔は映画の台本を創りあげ、それは撮影の前日にやったことだった。俳優らは、自分達の(演技の)流れをリハーサルする時間がなかった。 プロデューサーによると、この映画は香港への敬意を意図したものである。李は、「なぜスノーデンが香港に来たのか非常に興味があった。私たち全員が香港を死ぬほど愛している。私たち全員が香港をホーム(我が家)だと呼んでいる」と語った。映画制作者たちは、YouTubeのグループページで次のように語っている「ほぼ全てのメディア支局が彼を捕捉したいとするなか、私たちは香港での彼の体験と、それが特定の団体にどのような影響を及ぼすのかを描くべく、短編フィクションのビデオを制作することに決めました。その団体とは即ち、スノーデンを発見するよう任命を受けた香港を拠点とするCIA部隊。米国と中国の間で板挟みにされた香港警察、そしてスクープを手に入れたいジャーナリストたちです 」。李は「スノーデンへの関心と香港への注目を引き付けるために」この映画が製作されたと語った。オンタリオ州トロント生まれの28歳で、香港では教師として働いていたヨーク大学映画研究科の卒業生である謝によると「我々は、(香港に)ふさわしいと思うだけの脚光を香港に与えようと試みた」。このグループは当初、完全なコメディ、おちゃらけ、もしくはジェイソン・ボーン風のスリラーを考えていた。最終的には、現実に繰り広げられたかもしれない出来事の描写を自分たちは選択した、と謝は語った。李は、ボーンの映画シリーズと監督のマイケル・マンの作品が自分に閃きを与えてくれた、と語った。 スノーデンの存在に関して、映画制作者たちはスノーデンが 「中心的な登場人物だが、彼が最重要ではない。彼を取り巻いて起こる大騒動の出来事のほうがもっと重要である」と述べた。これは、物語内で彼により重要な役割を与えるには、彼らがスノーデン自身について殆ど知らなかったためである。李は、この映画はスノーデンよりも「ヴィネット 」に焦点を当てており、スノーデンは他の登場人物に影響を及ぼすイベントの触媒としての務めを果たしている、と語った。スノーデン自身は映画内で生の対話をしていない。この映画の焦点の半分は香港にあり、もう半分がスノーデンにある、と李は語った。 政治的動機はない、と4人の映画制作者は主張した。謝兆龍は「この映画は可能な限り中立にするつもりで、ある意味、我々が考えたスノーデンがやろうとしている事を基本的に侵害しないようにする、それが正しいのだと私たちは最初から知っていました、なぜなら私たちは本当に何も知らなかったからです。」と語った。李はこの映画を「間に合わせのスナップショット」と表現し、「スノーデンが香港に突如現れたとき、彼は本当に人々が話題にするほどの非常に大きな注目を集めました。彼がどこにいて何を知っているのかというメディアの追跡を超えた、この状況についての別の見方を私たちは与えたいと思ったのです」と語った。協力プロデューサーを務めたカサンドラ・チャンは、「米国政府はインターネットを濫用している、そこでインターネットの力をできれば善良な理由で使うことが我々の対応なのです。」と述べた。 ウォール・ストリート・ジャーナルのディーン・ナポリターノは、この映画が「中国本土と香港との時折の緊張関係や「一国二制度」政策が微妙に観察される」として、「中国の中央政府の治安当局が香港の警察官に大声で命令する場面を強調して」書いた。上述の場面では、本土の当局者が標準中国語を話し、香港の職員は広東語を話す 。ナポリターノによると、この映画は中国当局が香港で実権を持っていることを含みにしている。李はこのシーンが「(香港の)中国との関係を表現する手段である」と語り、それはCNNのアレクシス・ライによって「スノーデン事件における北京の役割の不透明さ」と言い換えられた。この場面に関して、李は「中国が(背後で)何ら糸を引いていないと言うのは、世間知らずになるだろう...我々に自治を与えているとはいえ、それは常に北京の連絡指示でありその実行である」と述べた 。中国本土政府からの公式の当局者は、自分たちは香港当局の決定に影響を与えなかったと語った。 2013年7月1日までに、李健恩は、スノーデンが香港を去ったため続編を書くつもりはないと語った 。同年7月29日までに、映画制作者は映画祭に自分達の映画を出展する計画があり、続編の制作を思案しているとした。
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