概念と状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/12 05:26 UTC 版)
「護送船団 (ドイツ史)」の記事における「概念と状況」の解説
「護送船団」(Konvoischifffahrt)、「護衛艦」(Konvoischiff)あるいは「コンヴォイアー」(Convoyer、Konvoierとも)に、全般的な定義を与えることは不可能である。時代や地域によって、護送船団に求められる役割には違いがあった。商船団の中で最大の船が「コンヴォイアー」に選ばれれば済む場合もあった。あるいは提督に任命された船長の、もしくは町や領主が指定した船が「コンヴォイアー」になることもあったのである。さらにこの任命には期限が設けられていたり、一回限りであったりした他、継続的なものでもあり得た。その定義は、護送船団の全体像に対する科学的調査の欠如によって困難となっている。代わりに多数存在するのは、様々な方向から扱われた個々の観点である。ほとんどの場合、取り上げられるのは近代以降の軍事的な意義であり、それ以前の時代における、国家や町の機関による組織的護送船団の効果が言及されることは少ない。 護送船団の全ての要素に目を向けると、それは「同じ目的地への集団航行中の危険に対する協同組合的な組織」と言い表すことが可能である。 プロイセン軍(英語版)の中将で、軍事小説家でもあるゲオルク・ディートリヒ・フォン・デア・グレーベン(ドイツ語版)は当時、「コンヴォイアー」と呼ばれていた船について、1774年に上梓した海軍辞典で下記のように記述している。 コンヴォイアー:商船を護衛する軍艦はこう呼ばれる。平時においても遠距離を航行する商船や漁船に、海賊や敵から護衛するべく、これらを随伴させることは通例的に行われている。時折、これらは保護や外部からの挑発を防ぐためだけに配備される。この任務を帯びる軍艦は商船に命令を発し、それらの船足を調整し、相互協力を促し、毎日報告書を提出させ、陸海の天候情報を取り寄せる。そして弱者を委縮させ、より大きな敵と戦わなければいけない場合は、そうすることで護衛対象に最寄りの安全地帯へ逃れる機会を付与する。この援護行動によって陸におけるものと同じく、攻撃された方が稀ではあるが不利益を被らずに逃れた場合、それには変わり映えのない原因が存在するのである。
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