桜の花言葉
桜花言葉の由来
#花の特徴からつけられた説桜の花言葉である「精神美」は一般的には心の美しさのことだが、己を厳しく律する心意気など精神的な忍耐力を意味する言葉でもある。桜は古くから日本人に親しまれた花で、特に武士の間では最上級の花として珍重されていた。透き通るような淡い桜色の花の美しさやわずかの間だけ咲く儚さ、花びらが舞う散り際の可憐さなどが好まれた理由である。美しく咲き、散る際も己をさりげなく、それでいて強く印象付ける様が憧れになったのである。
#女性の美しさを称える意味でつけられた説
「優美な女性」という花言葉は女性の美しさを称賛する意味がある。桜の花は小ぶりながらも印象が強く、バランスが整った形状と鮮やかな色合いが好まれている理由とされている。また、他の花とは異なり、花びらが綺麗な状態のうちに早々と散るのも桜の大きな特徴である。桜が散る様に儚さと潔さを見い出し、女性が手本とすべき美しさと見なされるようになった。また、淡い色合いながらも力強さを感じさせる桜色の花を女性が持つ繊細さと底力に準えているという説もある。
#日本人に好まれた道徳観が由来になっている説
日本で古くから信仰されている神道には穢れ思想と呼ばれる独特の考え方がある。穢れ思想は死や病などを忌み嫌う考え方であり、不純な事柄への嫌悪感が根底にある。性交に対する否定的な考え方も穢れ思想によるもので、特に女性は夫以外の男性に恋心を抱くことすらはしたないとされていた。武士や貴族などの権力者は特にその傾向が強く、婚約相手であっても夫婦の契りを結ぶ前であれば身を寄せたり思いをはせることはふしだらな行いと見なされたのである。桜の花言葉である「純潔」は神道における女性が持つべき道徳観にも使われているが、すぐに散ってしまう儚さが共通していると言える。桜の花は品種によっては数日で散ってしまうほどの儚さがあり、女性の純潔を保つことも非常に難しい。
女性の気持ち次第で純潔は簡単に散ってしまうことに桜の花が短期間で散る様を重ね合わせた結果が「純潔」の花言葉を生んだとされている。
#桜の希薄な生命力から来ている説
桜は植物の中でも病気や害虫に対する抵抗力が非常に低いのが特徴である。小さな枝を少し傷つけただけでそこから腐食し、枯れてしまうことは珍しくない。桜の大木が害虫による食害で枯れることも多く、その点が桜の儚いイメージに繋がったと言われている。「純潔」「精神性」など形を持たない概念が花言葉として用いられているのは、桜の希薄な生命力を示しているとされている。また、俗世の象徴ともいえる物体に固執せず、形を持たない概念を重視する仏教の考え方が影響しているという説もある。桜の花に高潔な精神性を求める考え方は日本特有であり、西洋では生命力の希薄さに基づく花言葉は存在しない。
桜の英語の花言葉
桜の英語の花言葉は「spiritual beauty(精神の美)」「a good education(優れた教育)」などがある。アメリカでは初代大統領のジョージ・ワシントンが子供の頃、いたずらで桜の木を切り倒したが、後にそのことを親に謝罪したという話が広く知られている。自身の悪事を隠さず正直に告白して謝罪する様から「精神の美」という花言葉が使われるようになった。また、この話はアメリカにおける道徳教育において定番の題材になっていることから「優れた教育」の花言葉がつけられたと言われている。桜色別の花言葉の解説
桜の花は桜色とも呼ばれる、特有の淡い紅色が特徴だが、品種によっては白色や紫色など異なる色の花を咲かせる。花言葉も色ごとにそれぞれ異なる意味がある。#白色の桜
「あなたに微笑む」という花言葉があり、これは透き通るような白色の花に女性的な気品を重ね合わせたものとされている。女性が微笑む様はわずかの間だけ咲く桜の花のように貴重な瞬間であり、その美しさを称える意味でこの花言葉が用いられるようになった。
#紫色の桜
固有の花言葉は存在せず、全般的な花言葉である「精神美」「優美な女性」がそのまま当てはまる。
#桜色
桜色の桜は品種ごとでも異なる花言葉が使われている。
・ソメイヨシノ
もっとも馴染み深いソメイヨシノには「高貴」「精神」の花言葉がある。ソメイヨシノは古くから日本で親しまれた品種であり、美しい花と潔く散る様が日本人の精神性や価値観に大きな影響をもたらした。このことから「精神」の花言葉がつけられたと言われている。咲き始めの色が最も淡く、次第に桜色が濃くなる。
・八重桜
幾つも花びらが重なって咲く様が名前の由来である八重桜は「豊かな教養」の花言葉を持つ。花びらの数に知識の豊富さを準えた花言葉であり、花のボリュームの多さも関係している。「理知」「淑やか」なども八重桜の花言葉であり、それぞれの言葉は八重桜の持つ優雅な美しさが由来だ。色は濃い桜色である。
・枝垂桜
枝垂桜には「優美」「純潔」の花言葉が用いられているが、これは枝が垂れ下がっている姿や花びらが風に舞う様を女性の柔らかい物腰に見立てたものである。色は淡い桜色である。
・彼岸桜
他の品種よりもやや遅い時期に開花する彼岸桜の花言葉は「独立」である。彼岸桜は開花時期が他の品種と異なるため、周りに迎合しない孤高の精神を示す桜として珍重されていた。他の桜と生存競争を行わないという意味から「平和」の花言葉が用いられることもある。色は白に近い薄い桜色である。
桜本数別の花言葉の解説
桜には本数に基づく固有の花言葉が存在しない。日本では「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉がある通り、桜の花を切り花としては扱わないのも本数別の花言葉が存在しない理由である。品種改良によって切り花として使用できる桜もあるが、この場合は一般的な本数別の花言葉が当てはまる。10本ほどの少量の花束なら敬愛を意味する「あなたを尊敬します」「あなたを忘れない」などの花言葉がつけられる。一般的な贈り物の他、墓前に供える際にも便利だ。50本以上の大きな花束には「あなたと結婚したい」「永遠の愛を誓う」など愛の告白を意味する花言葉がある。結婚式のお祝いにも用いられることが多いが、すぐに散る桜の花は縁起が悪いと避けられることもある。桜の怖い花言葉
桜には「私を忘れないで」という花言葉もあるが、これは桜の花が散る様を恋の終わり、失恋に見立てたものである。忘れないでという言い回しには強い未練が込められていることから、憎悪や恨みなどネガティブな意味に解釈されることも珍しくない。そのことから、桜の花を女性に贈るのは「あなたを鬱陶しく感じる」という意味を持つことがある。また、花言葉ではなく桜の花そのものを不吉と見なす風潮もある。桜の花が咲く期間は非常に短く、品種によっては数日で花びらを飛散させる。そのことから、長続きせずすぐに終わってしまう意味に解釈されることも少なくない。会社やお店などへの贈り物には相応しくないとされている。武士にとって桜の花は特別な存在であり、美しく咲いて潔く散る様が武士の理想とされていた。武士が自害する方法である切腹を桜の花に見立てることがあり、そこから桜は死を象徴する花と解釈されるようになったのである。現在でも特定の相手に引退や隠居を促す際、「栄華は長く続かない」「あなたの居場所はない」などの意味を持たせて桜の花を贈ることがある。日本では桜の花を贈り物にするのは失礼な行為とされているが、西洋ではそのような考え方は存在しない。贈り物にならないのは短期間で散ってしまい、長持ちしないためである。失恋を連想させる花でもあることから、女性に贈るのは相応しくないと解釈されることもある。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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