板門店ツアー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:30 UTC 版)
韓国政府の施策である安保観光は板門店では1960年代から行われていたが、1964年には韓国人観光客が北朝鮮に亡命する事件が発生している。 ツアー主催社KTB TOUR ICSC国際文化サービスクラブ 中央高速観光 板門店トラベルセンター COSMOJIN TOUR 南側(国連軍側、韓国政府支配地域)から外国人が訪れる場合は、指定の団体ツアーに参加する必要がある。ただし、「貴賓訪問」として次官級以上の者(特命全権大使若しくは各国閣僚級の政治家)の場合、韓国外交部を通じて、ガイド付きの個人見学が可能である。南側からは、上記によりソウル特別市発の外国人向け板門店見学の定期ツアーが行われている。民間人はツアーに参加しなければ、板門店を訪問することはできない。開催は原則として火曜日 - 土曜日だが、訓練などの都合で、左記曜日であっても開催しない日がある。南北情勢により、ツアーが中止されたり、共同警備区域に立ち入りが許可されない場合は一部返金となるが、多くは数日で再開されている。 行程は半日程度のものが中心で、国連の公用語である英語が出来る添乗員が同行するツアーのほか、日本人向けの日本語が出来る添乗員が同行するツアーが用意されている。さらに、DMZ周辺に掘られた、北側からの南方進入用トンネルや都羅山駅などの見学と組み合わせた、1日通しの日帰りツアーもある。いずれも、上記の旅行代理店への事前予約が必要である。 南側からの訪問は「国連軍の招待客」という名目のため「国籍確認」が行われ、国連軍より参加不可国に指定されている、北朝鮮、アフガニスタン、パキスタン、イラン、イラク、キューバ、リビア、スーダン、シリア国籍保持者は見学不可である。朝鮮戦争時に北朝鮮側に付いて国連軍と対峙していた中国、ソ連の継承国であるロシア、加えてベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、インド、オマーン、サウジアラビア、ウクライナ、エジプト、ソマリア、台湾などの参加制限国および国連非加盟国の国籍者は、1週間の事前審査承認の上参加可否が判断される。 韓国人(在外韓国人を除く)の場合、国家情報院への申請、承認が必要である。申請は住所地の警察署長による「身元保証」などが必要。多くは共同警備区域に勤務する親族訪問、市民団体による訪問団である。外国人のように簡単に見学することは不可能で、30人以上での団体での申し込みが必要で申請には長期間かかるため個人での訪問はほぼ不可能である。在日韓国人の場合、韓国大使館発行の「在外国民登記簿謄本」を持参すれば、上記外国人向けツアーへの参加が可能である。参加国籍に問わず職業や性別による見学制限はないが、9歳以下の小学生及び同等の課程にある児童、乳幼児はツアー参加自体ができない。 南側からの板門店訪問に際しては、パスポートの持参義務や、撮影、行動、服装などの制限などがある。ツアー参加者は「キャンプ・ボニファス」内で国連軍が用意したバスに乗り換える際は、パスポートとカメラ(カメラ付き携帯電話、スマートフォン、タブレットも可能)、及びポケットに入るもの以外持参できず、これまで乗ってきたバスに置いていくこととなる。 「キャンプ・ボニファス」にて、パーソナルコンピュータの画面をプロジェクターを使って大型スクリーンに投射し、レーザーポインターを使って説明する。南北朝鮮の過去と現状についてのレクチャーと共に、見学中の禁止事項についてのブリーフィングがあるが、「緊急事態が起これば、死亡・負傷する恐れがあるが、自己責任を承知の元訪問する」と書かれた、国連軍の用意した誓約書への署名が必要である。
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