最高速度設定の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 18:54 UTC 版)
中央自動車道(岐阜・長野県境 - 伊北IC)(設計速度80 km/h)において、仮に規制区間長5 kmとし、最高速度の上限を100 km/hとして構造適合速度(統合)を算出した場合 上り線では、現行の規制速度と同一となる区間が全体の約22 %、引き上げ(主に100 km/h)対象となる区間が約78 % 下り線では、現行の規制速度と同一となる区間が全体の約24 %、引き上げ(主に100 km/h)対象となる区間が約76 % となる。 当該区間では全線80 km/hが指定されており、さらに、構造適合速度より低い70 km/hの区間も存在する。構造適合速度が100 km/h以上の区間でも80 km/hが指定されているなど、構造適合速度(統合)と現行の規制速度に乖離が生じている。しかし、構造適合速度(統合)の抽出の段階ではトンネルや分合流部等を考慮しておらず、これらは現場裁量により最終的な規制速度決定を行う領域となる。 阪神高速7号北神戸線は設計速度60 km/hであり、2010年12月2日までは設計速度と同じ全線60 km/hが指定されていたが、仮に規制区間長2 kmで構造適合速度(統合)を算出した場合 上り線では、60 km/hとなる区間が全体の約19 %、80 km/hへの引き上げ対象となる区間が約81 % 下り線では、60 km/hとなる区間が全体の約16 %、80 km/hへの引き上げ対象となる区間が約84 % となる。 現在では最高速度60 km/hの西宮山口南 - 西宮山口JCT間を除き、構造適合速度が60 km/hおよび80 km/hのどちらの区間も設計速度より高い70 km/hが指定されているほか、布施畑西 - 箕谷間については構造適合速度が60 km/hの区間を含め80 km/hが指定されている。 都市高速道路の多くは騒音や振動などの理由で道路標識等によって50 km/hまたは60 km/hに指定されることが多い。 一般道路において法定最高速度である60 km/hの最高速度の指定は原則として行われない。ただし、次のような一般道路は、高速自動車国道と誤認されるおそれがあるので、最高速度60 km/hの道路標識が設置されることがある。 高速自動車国道等と接続している一般道路 供用されている区間内の一部に最高速度 60 km/hを超える規制が行われている一般道路 一般道路では、その道路に道路標識などが無くとも、地域を包括して最高速度を指定(「ゾーン30」や、「40 km/h市内全域」指定など)している場合もあり、その場合には、その地域に入る際にその旨を指定(すなわち、当該地域内の最高速度を指定)するような道路標識などが設置されている場合がある。このような道路標識などの設置は判例においても法的有効性が認められている。たとえば、○○市において、最高速度「40」で補助標識に「市内全域」とあれば、例えば幹線道路等で最高速度「60」や「50」、または道幅の狭い道路で同「30」や「20」など、特別に最高速度が指定されている区間を除いた○○市内の公道はすべて最高速度が40 km/hとなる。 区域内は標識を設置しない場合には区域指定の最高速度が指定された状態となるため、個別に60 km/hを指定する場合には道路標識が必要である。 区域の入り口には原則として背板を用いた区域規制標識を左側の路端に設置する。なお、ゲート性をもたせるため、ゾーン入口の右側の路端にも併せて設置することができる。区域内標識については、補助標識「区域内(506の2)」を附置し、原則として背板を用いない。 原則として指定区域は市街地や住宅街とするが、道路および交通の状況から特に必要があると認められる地域も対象とすることができる。 なお、自転車を含む軽車両については法定速度が規定されていないことから、標識や標示によって最高速度(指定最高速度)が指定されていない区間においては、最高速度が無制限であるとする解釈も可能ではある(これを盾に取ったクイズも存在する)。 また、諸外国では、高速道路は110 km/h - 130 km/h、都市部・住宅地を除く一般道路は80 km/h - 100 km/hぐらいに制定されていることが多いのに対し、日本の最高速度(高速道路100 km/h〈指定された区間で120・80・70・60〉、一般道路60 km/h〈指定された区間でそれ未満〉)はこれに比べると非常に厳しい規制となっている。これは当時[いつ?]の道路事情(特に郊外の一般道路のほとんどが未舗装状態)などが影響しており[要検証 – ノート]、舗装道路が多い現在でも諸外国に比べて曲率半径が小さい箇所が多いことや勾配が急である箇所が多いことが原因となっている。その他、日本の道路は交通量が過密なことや道路の密度が高く信号や交差点が多いという事情もある。 速度の取り締まりについて当時の古屋圭司国家公安委員長が「歩行者が出てくる危険性もない道路で20キロ超過での取り締まりは疑問」「取り締まりのための取り締まりになっている」という趣旨の発言をしたことを受けて警察庁は生活道路での取り締まりを強化している。また、#最高速度規制の見直し節で示した、3回目の最高速度見直しや、高速道路120 km/h化につながった。一方、秋田・山形・山梨・京都・奈良・和歌山・鳥取・島根・高知・大分・鹿児島・沖縄の各府県を通る高速自動車国道では、当該府県内の区間における最高速度がすべて80km/h以下となっている。
※この「最高速度設定の現状」の解説は、「最高速度」の解説の一部です。
「最高速度設定の現状」を含む「最高速度」の記事については、「最高速度」の概要を参照ください。
- 最高速度設定の現状のページへのリンク