最初の出版と委員会の「停滞」とは? わかりやすく解説

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最初の出版と委員会の「停滞」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 13:31 UTC 版)

死海文書」の記事における「最初の出版と委員会の「停滞」」の解説

早くも1950年には最初死海文書公刊が行われた。ジョン・トレヴァーと2人アメリカ人研究者ミラー・バロウズ (Millar Burrows)、ウィリアム・ブラウンリー (William Brownlee) の名義で『イザヤ書』、『ハバクク書註解』、続けて共同体規則英語版)(宗規要覧)』が出版された。さらにスケーニクの監修した『イザヤ書』の第二巻物、『感謝詩篇』、『戦いの書』が(スケーニクの死後の1955年ヘブライ語版と英語版出版された。『外典創世記』もスケーニクの息子イガエル・ヤディン努力によって1956年出版された。ド・ヴォー率い委員会DJD(『ユダの荒野発見物叢書第一巻1955年世に問うた。こうして1956年までに第1洞窟から発見されすべての写本内容明らかにされた。最初に発見され写本群迅速に出版されたのを見て世の研究者たち残り写本に関して国際委員会迅速に公刊してくれるだろうと期待抱いたが、その期待は完全に裏切られることになる。 委員会によるDJD(『ユダの荒野発見物叢書)は第1巻1955年)、第2巻1961年)、第3巻1962年)、第4巻1965年)、第5巻1968年)と続けて出版され第6巻1977年)と第7巻1982年)が思い出したように出版されたが、その作業1960年代以降遅々として進まなかった。その最大理由は、第1洞窟から発見され写本がほぼ完全な形を保っていた(ので公刊スムーズに行われた)のに対しそれ以外洞窟から発見され写本は(第11洞窟から出た神殿巻物』を唯一の例外として)ほとんどが膨大な量の断片であり、再構成にかかる時間膨大なものであったことによる(特に第4洞窟からは大量文書出たが、ほとんどが断片であったため、第4洞窟文書の内容はなかなか明らかにされなかった)。また、リーダーのド・ヴォーが「委員会による公刊まで写本内容明かさない」よう委員たちに求めたことが、国際的な非難を受けることになった肝心委員会の中からも不協和音聞こえるようになる1956年委員のジョン・アレグロ(英語版)がBBC放送で「巻物」の内容言及しヨルダン考古局と共同して巻物宝物』という著作1960年委員会許可得ず出版した。後にアレグロはこの「財宝探索乗り出す。さらにアレグロソルボンヌ大学教授アンドレ・デュポン・ソメール(英語版) (André Dupont-Sommer) の感化受けて死海文書内容キリスト教起源に関する重大な発見もたらす」ものだと主張するうになる1956年1月BBCラジオ放送アレグロは「死海文書中に「義の教師なる人物アレクサンドロス・ヤンナイオスによって捕らえられ十字架かけられ弟子によっておろされ、その遺体再臨の日まで守られること」が書かれており、これこそがキリスト教ルーツである」と述べ大反響巻き起こした3月16日にド・ヴォーと委員会タイムズ紙反論掲載そのような記述死海文書にはないことを明らかにした。後にアレグロ本人も「自分推論」と認めている。アレグロ1970年にはユダヤ教キリスト教幻覚剤であるベニテングタケ効果によって生まれたことを述べた聖なるきのこと十字架』を出版して以降学者として認められなくなった。しかし、アレグロ主張その後死海文書をめぐる「カトリック教会陰謀論」の原型として利用されることになる。 1967年第三次中東戦争によって中東政治情勢大きく変化したことが、死海文書研究継続打撃与えたエルサレムクムラン周辺イスラエル勢力下に入りアメリカイギリス外交筋エルサレムにおける紛争解決の日まで、一切考古学的調査控えるようにという要請行った。これを受けてド・ヴォーのチーム活動休止した1971年にド・ヴォーが世を去ると、報告書出版細々続けられたものの、死海文書研究著しく妨げられることになった

※この「最初の出版と委員会の「停滞」」の解説は、「死海文書」の解説の一部です。
「最初の出版と委員会の「停滞」」を含む「死海文書」の記事については、「死海文書」の概要を参照ください。

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