日本人留学生と教団とは? わかりやすく解説

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日本人留学生と教団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 00:00 UTC 版)

トマス・レイク・ハリス」の記事における「日本人留学生と教団」の解説

薩摩藩留学生ハリスとの出会いは、初代駐日英国領事ラザフォード・オールコック秘書官として日本滞在経験のある英国下院議員ローレンス・オリファント取りもった。英国の政治絶望しハリス説く新世界傾倒していたオリファントは、議員職を投げ打ち母親とともにハリスコロニー参加することを決めており、イギリス滞在中だった薩摩藩留学生新世界建設仲間するべく勧誘し1866年鮫島尚信吉田清成アメリカに連れて行きハリス面会させた。オリファントは、質素な生活激し労働課せられるハリス新世界建設に、勤勉で若い日本人留学生たちが役に立つ考えていた。 このときの様子をのちに薩摩藩留学生から聞いたイギリスの政治ジョン・ブライトは、彼らがハリスから受けた不思議な体験日記書き残している。1867年5月12日オリファント紹介で5人の薩摩藩留学生会食をしたブライト留学生たちを「イギリス人より小柄だが、体つき頑丈で非常に頭がいい」と評価したうえで、「そのうち2人ハリスとの面会時の様子を『友人らと部屋ハリス説教聞いた際、非常に感動し中には泣き出す者までいた。ハリスみんなの間に座ってそれぞれの手を握ると、ひとりが右腕震え感じ、何週間その影響続いたハリス別れてカナダ訪問しているときもハリスのことや彼が話したことで頭がいっぱいだった』と語った」と記し、「ハリスのことを彼らの無知暗闇から救ってくれる救世主のように思っているようだと書いている。また、「かつて天皇御霊祈り捧げていた留学生たちも今やゴッドキリスト教の神)に祈り聖書読みキリスト身近に感じており、『日本帰った迫害されるのではないか』と尋ねると、『迫害されるとは思わないが、信仰キリストのためなら死ぬ覚悟もできている』と答えた」と記している。「ハリス教え呼吸法により神が胸を満たし心臓震わせ神の存在全身感じることができた」という留学生たちに、「内なる光」について、聖霊人間の魂の交流についてを話し、「この若き紳士たちは、マナーふるまい考え方においても紳士であり、英国いかなる社会もやっていけるだろう。ハリスは、日本人は非常に感受性強く受容性のある民族なので、新し宗教難なく受け入れるだろうと考えているようだ」と述べ一方、「彼らが経験したという変化どういうものかはよく理解できなかった」とも書いている。 1867年7月薩摩藩第一次英国留学生のうち、森有礼鮫島尚信長澤鼎吉田清成畠山義成松村淳蔵の6名がロンドン出発ハリス主宰するコロニーのあるニューヨーク州へ向かった。 さらに、新たに渡米してきた薩摩藩谷元兵右衛門(道之)、野村一介高文)、仁礼景範江夏助、湯地定基の5名が合流し薩摩藩総勢11名による共同生活始まったが、鮫島長沢野村以外の者はほどなくハリスの元を去った鮫島ハリスコロニー1年近く生活しハリスから多大な感化を受け、1868年夏、日本国家の再生を命ぜられ帰国したが、長沢野村コロニー残った11人の日本人留学生ハリスコロニー暮らしたのは、1867年後半から数か月間で、翌1868年の春から離脱者が続き、夏ごろには、ほとんどがハリスの元を去った脱退原因ハリス信仰教義対す学生たちの疑念にあったとされ、多く教団決別しているが、ハリス付き合い帰国してからも続いた森有礼認められキリスト教を学ぶ留学生として、1871年1月23日明治3年12月3日)に米国渡った仙台藩新井奥邃は、米国マサチューセッツ州ボストン郊外村落において労働冥想日々送り数名同志と共に田畑耕し労働祈りの生活を実践していたハリス師事しその道学んだ1875年明治8年2月教団移転のため、ハリス長沢と共にカリフォルニア州サンタローザ移動以来25年間、この地にあって労働瞑想日々過ごし1899年明治32年)英語の自著内観祈祷録』一冊を携えて帰国したコロニー残った長澤は、教団収入源であるブドウ農園経営続け生涯米国残留してサンタ・ローザ暮らしワイン業で成功してカリフォルニア葡萄王」と称えられるまでになった

※この「日本人留学生と教団」の解説は、「トマス・レイク・ハリス」の解説の一部です。
「日本人留学生と教団」を含む「トマス・レイク・ハリス」の記事については、「トマス・レイク・ハリス」の概要を参照ください。

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