日本のミシン史とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 日本のミシン史の意味・解説 

日本のミシン史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 22:49 UTC 版)

ミシン」の記事における「日本のミシン史」の解説

1854年ペリー2度目来航をしたときに、将軍家ミシン送ったというものがもっと古い記録である。この後1860年にはジョン万次郎アメリカからミシン持ち帰っている。ちなみに日本最初にミシン扱ったのは、天璋院だといわれている。 ミシン普及をはじめるのは明治期になってからである。初期輸入のみで、修理などを通じて技術取得した技術者によって、徐々に国内生産開始された。最初製造業者は、江戸時代までは大砲職人であった左口造であるとされ、1881年東京開かれた第2回内国勧業博覧会国産ミシン第1号として展示された。 日本ミシン製造量産は、1921年創業したパイン裁縫機械製作所(現・ジャノメ)によってはじめられた。このころ大正時代)から、日本でもミシン量産はじまった。ただし、量・質ともに、シンガーなどの輸入品にはかなわなかった。 しかし、外国製品は故障多く加えて品質安定していない点に、ミシン修理生計立てていた安井正義、實一兄弟ブラザー工業創始者)が着目。彼らは、性能良い国産ミシン売れると確信し製造着手した1928年昭和3年)に「麦藁帽子製造用環縫ミシン」を発表し販売し始める。発表年に因んで「昭三式ミシン」と呼ばれ、全く壊れないと大評判となり注文殺到し安井兄弟ミシン瞬く間広がった耐久性秘密はその「造り」にあると云われ、針があたって壊れないよう「糸受け」を硬く加工しながらも内部柔らかさを残す為、「浸炭焼入れ技術」という独自の方法採用した第二次世界大戦が始まると家庭用ミシン製造禁止され戦時中ミシン軍用ミシンのみが製作されることになる。 1945年終戦迎えると、ミシン需要飛躍的に増大したミシン工業は、戦災焼失による復元と、洋裁普及による内需増大支えられ急速に復旧し軍需工場転換などもあつて、技術的に高度のものとなった繊維製品既製服)が日本輸出品になったことも大きかった1947年家庭用ミシン規格統一され1948年から規格基づいた製品出荷始まったまた、国内販売分だけでなく、ミシンそのもの重要な日本輸出品となり、船舶につぐ主要な機械輸出製品地位確保する至ったミシン生産対す輸出割合は、1950年昭和25年以降概ね50%越え、特に1954年昭和29年以降70%以上となった輸出アメリカ合衆国向けが最も多く輸出先世界各国半分程度占めていた。ただし、特にアメリカ合衆国からダンピング非難を受け、1956年昭和31年)には輸出価格大幅な引下げが行われ、輸出ミシン調整組合による輪出数量調整を行わざるを得なくなった輸出額は1950年172円か1955年には805億円に成長したが、1956年には384億円まで縮小したミシン工業用のほか、家庭用多く作られた。その理由として、当時日本既婚女性多く家庭外で労働しなかったため、内職使用することで副収入得られるミシン嫁入り道具として多く使われたことも大きい。ただし、国内ミシンメーカーの家庭用ミシン工場が、1970年あたりを境として中国台湾などに移転し始め、現在は高級機種等を除き国内では家庭用ミシンはほとんど製造されていない。さらに、近年工業用ミシン低コスト化やアパレル産業海外へ移管などもあって、海外製造にシフトし始め減少傾向にあるが、ミシン精密機械であるため、高精度金属加工技術要求され部品多く依然日本製造されている面もある。しかし、コストダウンのため海外(特に中国)で精密部品生産することが主流である。 日本のミシン史関連写真 1953年パインミシン広告 1953年のジューキミシンの広告 1956年ブラザー編機ミシン広告 1956年蛇の目ミシン広告 1952年のトヨタミシンの広告。「照明付」とある 1952年のリズムミシン(富士精密工業製)の広告 1954年三菱ミシン広告

※この「日本のミシン史」の解説は、「ミシン」の解説の一部です。
「日本のミシン史」を含む「ミシン」の記事については、「ミシン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「日本のミシン史」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「日本のミシン史」の関連用語

1
6% |||||

日本のミシン史のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



日本のミシン史のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのミシン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS