日本のマングローブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 13:40 UTC 版)
日本では、鹿児島県種子島西之表市の湊川河口が自然分布でのマングローブの北限で世界的にも北限に位置するが、メヒルギのみ生育している。奄美大島最大のマングローブは住用(すみよう)川と役勝(やくがち)川が合流する河口域(奄美市)にあり、奄美群島国立公園の特別保護地区(マングローブ原生林)として保護されている。なお、マングローブに似た植生として、九州南端の鹿児島市喜入生見町にあるメヒルギ群落が、喜入のリュウキュウコウガイ産地として特別天然記念物に指定されている。しかし、江戸時代に移植されたものとされ、自然分布での北限は種子島である。 屋久島の栗生川でもメヒルギが生育し、町指定天然記念物として保護されている。伊豆半島ではメヒルギが植樹されており定着の北限とされる。 沖縄島(沖縄本島)には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキの4種が生育しており、このうちヒルギモドキは島北部の億首川の河口にしか見られない。ヤエヤマヒルギとヒルギモドキについては、沖縄島が北限である。その他に、島北部東村の慶佐次、南部の漫湖等でマングローブが発達している。 久米島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種が生育している。島東部の儀間川河口に島唯一のマングローブが成立している。 宮古島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシの4種が生育しており、このうちヒルギダマシは宮古島が北限である。島北部の島尻にマングローブがある。 石垣島には、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシキの6種が生育しており、このうちマヤプシキは石垣島が北限である。宮良川河口のマングローブが「宮良川のヒルギ林」として国の天然記念物に指定されているほか、島西部の名蔵アンパルにもマングローブが広がり、国指定鳥獣保護区及びラムサール条約登録地になっている。 西表島には、マングローブ植物7種が全て生育しており、仲間川や浦内川の河口に広大なマングローブが発達している。特に仲間川のマングローブは、「仲間川天然保護区域」として国の天然記念物に指定されている。
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