日本におけるオクタン価の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 00:37 UTC 版)
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日本の自動車用ガソリンのオクタン価は、JIS K 2202 自動車ガソリンにて制定されている。同規格上はレギュラーガソリンが2号ガソリン、高オクタン価ガソリンが1号ガソリンとして規定されている。JISにおけるオクタン価の測定方法及びオクタン価数値は1952年のJIS K 2202の成立以降、幾多の改正を経てきており、日本車のエンジン設定も基本的にはその車両の発売時点でのJIS規格値を元に設計されている事に留意する必要がある。 なお、オクタン価の計測規定はJIS K 2280 石油製品-燃料油-オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法にて制定されている。JIS K 2280で使用される測定機器はCFRエンジンであるが、インチ/華氏などの表記をメートル法/摂氏に事前に置き換えてから測定する旨の指示がされている。 JIS K 2202改正年度1号2号3号測定方法備考及び関連事項1952年(JIS K 2202:1952) 72以上 65以上 60以上 MON 日本工業規格成立、ホンダ・カブF号発売。 1958年(JIS K 2202:1958) 80以上 75以上 65以上 MON スバル・360/ホンダ・スーパーカブ発売。 1961年(JIS K 2202:1961) 90以上 80以上 - RON リサーチ法への測定法変更、3号ガソリンの廃止。 1965年(JIS K 2202:1965) 95以上 85以上 - RON 通産省、完成乗用車の輸入自由化を発令同時に国内自動車産業再編計画も進められ、翌1966年には日産・プリンスが合併。 1970年(JIS K 2202:1970) 95以上 85以上 - RON オクタン価の改正は無しこの年に東京都新宿区牛込柳町交差点付近にて鉛中毒事件が発生。5年後の1975年、レギュラーガソリンの無鉛化を先行実施。 1980年(JIS K 2202:1980) 95以上 85以上 - RON オクタン価の改正は無し1979年に日産・セドリック/グロリアに国産初のターボ車設定。 1986年(JIS K 2202:1986) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価が現在と同じ数値となる翌1987年、有鉛ガソリン製造終了によりハイオク無鉛化を完全達成。1987年6月20日、出光興産、オクタン価100を謳う出光100ガソリン発売。 1988年(JIS K 2202:1988) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無しエンジン出力値表記がネット表記に完全移行 1991年(JIS K 2202:1991) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無し国産各社の高出力車が軒並み280馬力に到達。 1996年(JIS K 2202:1996) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無し石油製品の輸入自由化。JISマーク表示制度をガソリンにも適用。翌1997年、トヨタ・プリウス発売。 1999年(JIS K 2202:1999) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無しオートバイへの排ガス規制強化(H11二輪車排出ガス規制)。翌2000年、H12年規制により、自動車からキャブレターが姿を消す。 2004年(JIS K 2202:2004) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無し同年末、軽油内の硫黄分の許容限界値が低減される。 2007年(JIS K 2202:2007) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無し軽油に続き、ガソリンについても硫黄分の許容限界値が低減される。 2012年(JIS K 2202:2012) 96.0以上 89.0以上 - RON オクタン価の改正は無しE10燃料(エタノール混合率10%)1号(E)、2号(E)の規定が追加。現在の最新規格
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