教師生活と海外留学とは? わかりやすく解説

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教師生活と海外留学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 02:28 UTC 版)

井口阿くり」の記事における「教師生活と海外留学」の解説

助教諭となって6年目1897年明治30年)、阿くりに転機訪れた山口開校される私立毛利高等女学校教員について毛利公爵家が女子高等師範学校人選依頼したのである毛利家使者井上馨侯爵面談した阿くりは教頭として奉職することになり、そこで年長男性を含む十数名の教職員監督三十名余の女学生教諭、さらに寄宿舎舎監として生徒の生活全般に責任負った明治20年代後半から30年代前半女子教育転換期にあたる。文部省1895年明治28年1月発布高等女学校規定通じて女子中等教育機関運営面基準定めたが、それには女子どのように教育すべきかという指針明らかにされていなかった。それまで高い教養身につけることができたのは官立華族女学校女子高等師範学校私立キリスト教主義女学校などに学んだ有力者の子女だけであったが、細川潤次郎西園寺公望らの政治家直接女子教育関わるとともに成瀬仁蔵津田梅子による女子大学設立準備始まり中央においては女子高教育門戸開きつつあった。一方で国家的見地からすれば地方有産階級くまなく高い教育施し富国強兵政策推し進めることが急務とされていたが、当時女子は子どもを産み育て家庭を守るものとされており、地方社会においては特に強い抵抗にあった。しかし日清戦争勝利に伴い欧米列強伍することが次の国家目標とされると、それまで指針が明確でなかった女子中等教育は、男性社会支え、強い日本人産み育て良妻賢母教育として結実する。阿くりが着任した私立毛利高等女学校は、まさに良妻賢母校是とする女学校だった。 一方女子高等師範学校では同年高嶺秀夫学校長迎え改革図っていた。高嶺1875年明治8年)に伊沢修二神津専三郎とともに文部省第1回留学生としてアメリカ留学しペスタロッチ教授法学んでおり、また体育にも関心持っていたため女子体育女高師教授できる人材求めていた。阿くりが山口教鞭を執っている間、高嶺文部省に阿くりの海外留学働きかけたと考えられる1899年明治32年5月29歳の阿くりは文部省より教育学研究のため満3年間のアメリカ留学命じられる同年8月渡米9月からマサチューセッツ州ノーサンプトンスミス大学入学生理学と体育学を専攻した翌年9月同大学の体育部長センダ・ベレンソン(スウェーデン王中央体学校学んだ最初アメリカ人女性)の勧めによりボストンボストン体操師範学校入学する校長はエイミー・モーリス・ホーマンズ。アメリカにおいてスウェーデン体操実践的指導最初期行った1人で、当時最も高いレベル女子体育教師養成していた。阿くりはここで体操科・医術体操科・運動理論学・舞踏遊戯法を2年間、解剖学生物学競争運動術・体育実地法・心理学教育学1年間学んでいる。スウェーデン体操指導者としての強調されがちな阿くりだが、舞踏では全身運動としてのダンス(エセティック・ダンスと呼ばれた)をその開拓者であるメルビン・バロー・ギルバートから直接学び日本持ち帰った代表曲であるポルカセリーズ・ファウストなどは後進二階堂トクヨ三浦ヒロらによって継承されてゆく。また、遊戯としてバスケットボール日本紹介した。それは女子運動適した形で改良され女子ルールで、阿くりの教え子達によって全国女学校広まった考えられる1902年5月同校卒業首席を示す1902年度の級旗を与えられた。(ボストン体操師範学校女子学校であったが、1906年永井道明留学生として受け入れる。1909年ウェルズリー女子大学吸収合併されその体育となった。)1902年7月、阿くりはハーバード大学サマースクール校長はダドリー・アレン・サージェント。スウェーデン体操のみならずドイツ体操・フランス・イギリスからも各運動の長所取り込みアメリカ独自の体育計画作成とサージェント・システムと呼ばれた科学的な裏付け構築した)で体操講習受講9月から11月までアメリカ東部主要都市巡廻。このときフィラデルフィア野口英世面会している。ヨーロッパ経由し1903年明治36年2月帰国した

※この「教師生活と海外留学」の解説は、「井口阿くり」の解説の一部です。
「教師生活と海外留学」を含む「井口阿くり」の記事については、「井口阿くり」の概要を参照ください。

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