戦後のブロック紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 16:21 UTC 版)
全国紙以外の新聞において、 広域的な影響力 発行部数の多さ の2つの指標から「ブロック紙」とされる新聞がいくつかある。 両方の条件を満たすブロック紙として、ブロック紙3社連合を構成する北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の3紙がある。国立国会図書館もこれらの3紙をブロック紙の例としている(中日新聞東京本社発行の東京新聞を中日新聞から分離して4紙とする場合もある)。これらの新聞は発行部数が多く、一般購読者も広い地域に分布している。北海道新聞社、中日新聞社、西日本新聞社の3社は「ブロック紙3社連合」を結成している。 北海道は1つの地方(九州の約2倍の面積)で1つの地方自治体となっているため「県紙」と「ブロック紙」の2つの性質を有しているとされる。 また、発行部数は北海道・中日・西日本の3紙より少ないが、広域的な影響力がある河北新報と中国新聞の2紙をブロック紙に加える場合が多い。これら2紙の実態は河北新報が仙台都市圏、中国新聞が広島都市圏のローカル紙もしくは各々の県の県紙という性格が強く、上記の3紙のような一般購読者が広域に多数存在するブロック紙とは異なる。河北新報は岩手県内における仙台藩と一関藩の領域にあたる同県南部、中国新聞は広島都市圏に隣接する岩国市など山口県東部にそれぞれ県境を越えてある程度まとまった部数を配布しているが、それでもそれぞれの発行地(宮城県、広島県)における普及率よりかなり低い水準にとどまっている。しかし、それぞれ東北地方および中国地方という地域ブロックを取材ならびに販売の対象地域としているため、それらのブロック内の政治・経済を広く俯瞰することが必要な地方自治体や地方企業にとっては重要な情報源となっている。すなわち、メインエリアの県外では家庭での購読よりも職場での購読を主としており、発行部数よりも地方ブロックでの影響力から見たブロック紙と言える。西日本新聞も九州全域において取材や影響力の面で一定の機能を果たしてはいるものの、福岡県以外の九州各県での普及率は低水準であることを踏まえれば、河北新報と中国新聞は西日本新聞に準ずる存在としてブロック紙扱いされているものと理解できる。 この他、広域的な影響力はあまりないが、発行部数が一般的な県紙より多い(中日・河北・中国の3紙に匹敵)という理由で、静岡新聞、新潟日報、信濃毎日新聞、京都新聞、神戸新聞、山陽新聞など有力な地方紙のいくつかをブロック紙に準ずるものとして扱うことがある。これらの新聞が拠点とする県には、日本経済を支える国内有力企業が一定数存在し、情報ソースとなるこれらの新聞の影響力が他のブロック紙に準ずると見なすことも出来るため、広域的な影響力はなくともブロック紙と同列視される場合もある。なお、京都新聞をブロック紙に準じて扱う立場は、同紙が滋賀県にかつて存在した県紙滋賀日日新聞を統合し、現在の配布圏が2府県にまたがっていることを根拠の一つとしている。また、山陽新聞も広島県東部向けの「広島版」、香川県向けの「香川版」を発行しており、配布圏が3県にまたがっていることを根拠の一つとしている(香川版の発行は2011年で終了)。 さらに、歴史的経過から隣県の一部地域でも配布を行なっている北國新聞(配布対象は石川県。発行元の北國新聞社は富山県で富山新聞を発行)や日本海新聞(配布対象は鳥取県と兵庫県但馬地方。発行元の新日本海新聞社は大阪府で大阪日日新聞を発行)、山陰中央新報(配布対象は島根県と鳥取県)、南日本新聞(配布対象は鹿児島県と宮崎県諸県地方及び熊本県水俣市)などをブロック紙と捉える記述も散見されるが、いずれも拠点とする都道府県以外での発行部数・普及率は微々たるものであり、一般的な理解ではない。 また、通常は全国紙として扱われる産経新聞について、発行部数の多くが関東・関西の両都市部で占められていること、全国の地方新聞社が加盟している47CLUBに発祥の地である大阪府の新聞社として参加していることなどから、まれにブロック紙として扱われる。 経済紙としては、愛知県を中心とした東海4県の経済情報を扱う中部経済新聞があり、同紙のホームページでは「全国唯一のブロック経済紙」を称している。ただし、発行部数は東海4県の全てを合計しても約10万部程度にとどまっている。
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