広島県草戸千軒町遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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広島県草戸千軒町遺跡出土品

主名称: 広島県草戸千軒町遺跡出土品
指定番号 559
枝番 00
指定年月日 2004.06.08(平成16.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 鎌倉室町
年代
検索年代
解説文: 本件は、草戸千軒町遺跡から出土した鎌倉時代から室町時代を主とした出土品である。
 草戸千軒町遺跡は、広島県福山市街地の西部流れ芦田川河川敷所在する遺跡は、江戸時代中期地誌『備陽六郡史【びようろくぐんし】』の洪水による町の廃絶記事や、大正末年から始められ河川改修により、その存在知られていた。日本における中世考古学研究史上、特に注目されてきた遺跡である。
 遺跡正式な調査は、昭和三十六・三十七年福山市教育委員会による学術調査第一二次)に始まるが、その後昭和四十二年から開始され建設省による大規模な河川改修工事洪水対策としての中洲掘削等)に先立って昭和四十三年から平成六年まで断続的に調査実施され河川敷中洲として存在していた遺跡主要部分万六九二五平メートル調査された。
 本件構成する遺物は、この通算四九次にわたる調査出土品である。遺物は、土師器須恵器から瀬戸美濃唐津系等の国産品加えて中国・朝鮮産の青磁【せいじ】や安南あんなん】産等の土器陶磁器類、さらに瓦や土錘【どすい】、塑像片【そぞうへん】等を含む土器・土製品一四〇〇点、、扇、下駄折敷【おしき】、曲物などの木製品三二点、付札つけふだ】等を含む木簡【もつかん】、呪符【じゅふ】、板塔婆いたとうば】など墨書ぼくしょ木製品一九三点や皿などの漆器七九点、石鍋いしなべ】、硯、砥石など石製品三一〇点、簪【かんざし】、毛抜、鍋、刀装具【とうそうぐ】など金属製品二三八点、双六駒【すごろくこま】などの骨角製品七六点、そして繊維製品藁草履わらぞうり】)二点で構成される
 とりわけ木製品には鋤、鍬などの農具信仰用具としての形代かたしろ】、当時娯楽具である毬杖と毬【ぎつちょうきゅう】、掛竹花入【かけたけはない】れなどが含まれ、また墨書木製品には信仰用具としての位牌仏像天衣【てんね】片、闘茶とうちゃふだ】、聞香札もんこうふだ】が、さらに漆製品には飛文【ひかくもん】の描かれ金属製品には小札【こざね】や兜【かぶと】の部品など武具残欠燭台懸仏かけぼとけ】、御食器おんじきき】なども含まれている。また、衣食住関わる用具加えて木工、漆、鍛冶甲冑かっちゅう】などの職人活躍物語遺物数多い墨書木製品には「きのしゃう(木之庄)」「さかへ(坂部)」など、福山湾岸比定できる地名を示す木簡もある。
 草戸千軒町遺跡福山市瀬戸町一帯中心に古代末に成立していた長和荘【ながわのしょう】の一角に当たり、一三世紀中ごろから一六世紀初頭至って、しだいに年貢等の積み出し港から福山湾岸における地域経済拠点として、街の規模拡大していったものと考えられる多種にわたる国内外陶磁器存在は、当時活発な商品流通様相をよく反映したのである本件は、こうした港湾都市実態を示す遺物として貴重であり、その学術的価値きわめて高い。



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