広島県矢谷古墳出土品とは? わかりやすく解説

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広島県矢谷古墳出土品

主名称: 広島県矢谷古墳出土品
指定番号 497
枝番 00
指定年月日 1994.06.28(平成6.06.28)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 弥生
年代
検索年代
解説文: 四隅突出する前方後方形の墳丘墓から出土した埴輪前身とされる特殊器台・壺を中心とする一括である。
 遺跡は、三次盆地南縁の丘陵上、三次市東酒屋町ケ迫【まつがさこ】に所在する昭和五十二年、内陸工業団地造成先立つ発掘調査が行われ、七か所の地点縄文時代早期から、歴史時代にかけての遺跡発見された。このうちC・D地点では、尾根上に弥生時代から古墳時代にかけての小墳墓十二基と、墳丘墓二基等が検出されたが、本件遺跡北側所在する墳丘墓MD1)に伴う遺物である。この墳丘墓は、前方後方形の墳丘突出部をもつ、特異な形状で、主体部十一基あり、この西側には周溝切って別の墳丘墓隣接して築かれている。
 遺物構成は、MD1で最も規模大きな第五主体部から出土した碧玉管玉【へきぎよくくだたま五箇ガラス小玉三箇の玉類と、第一、七主体部出土釶【てつやりがんな一本鉄刀子【てつとうす】残欠二口の他は、いずれも西側を除く墳丘裾部から周溝内にかけて出土した特殊器台・壺・鼓形器台【つつみがたきだい】等の土器類である。このうち全形復元されたのは、特殊壺一箇特殊器台二箇であるが、後者のうちの一箇胴部失われている。
 特殊壺は、中ほどやや上に突帯を二条巡らした扁球形の胴部に、筒状の細い頸をのせ、口縁部広く外反して付き屈曲して立ち上がる口唇部に至る。口縁部内面の受け部との接点から、底部近くまで外面ほぼ全体に赤彩が施され、また底部穿孔されている。
 特殊器台は、幅の狭い台脚の上下部向かって僅かずつ径がすぼまる筒状胴部をのせ、その上に受け部を挾んで内傾気味に直立する幅約一〇センチ口縁部がのる。二箇のうち、遺存状態が良好な一箇は、胴部に突帯十本を巡らし文様帯四帯と間帯五帯区画をなす。最上段の間帯には、上向き下向き三角形透し孔を交互に配し文様帯には短い尾部をもつ巴形、三角形透し孔を穿ち、それらの間に横方向連続するS字状文を細いヘラ描きで施す。口縁部から台脚の上まで、外面のほぼ全体に赤彩が認められる
 特殊器台は、弥生時代の器台形土器胴部極端に伸長し葬送儀礼における供献用具として、特殊壺組み合って独自の変化遂げたものと考えられその分布は岡山県中心として、広島県北部から山陰地方一部にまで及ぶ。本例は、必ずしも個々組み合わせ明瞭ではないが、ひとつの墳墓一括して樹立されたことが確実で、特殊壺特殊器台等の供献状態もよくわかる。特殊器台型式編年では、いわゆる木見むこうぎみ】式に含まれるが、他にこれほど遺存状態のよいものはない。弥生時代から古墳時代葬送儀礼一端を示すものとして貴重である。



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