彩漆土器とは? わかりやすく解説

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彩漆土器

主名称: 彩漆土器
指定番号 505
枝番 00
指定年月日 1996.06.27(平成8.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書 山形県押出遺跡出土
員数 6箇
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、山形県押出遺跡から出土した縄文時代前期後半の彩漆土器である。いずれも低地遺跡特有の条件幸いして、漆の遺存状態もよく、赤漆黒漆使いわけ等、きわめて良好な状態で、当時漆工技術観察することができる。出土状態は、平地式住居跡と目される円形配列され柱根内側かつぶれた状態で出土したものがあるほかは、特別な出土状態は観察されていない
 完形に復元された六箇の彩漆土器は、胴部球形扁平張り出すもの五箇と、同様な器形でやや肩部張りがあるもの一箇構成されいずれも〇・五から〇・八センチ高台持っている口縁部直下には小孔列がある。大きさは、径二三・〇センチ最大に、径一四・七センチ小形のものまでさまざまで、残欠中には推定胴径が五〇センチにもなる大形土器もある。
 彩漆土器の技法は、まず酸化鉄発色剤とした赤漆すべての土器外面全体塗り、うち三箇には、赤漆下地として、その上に、炭あるいは煤を発色剤としたと思われる黒漆幾何学的繊細かつ流麗な細線文を描く。また、口唇部および底部高台付近には、黒漆太線縦縞状に配している。
 彩漆土器は本遺跡のほか、福井県鳥浜貝塚および山梨県天神遺跡でもほぼ同時期のものが出土しているが、いずれも断片的な出土であり、押出遺跡のように斉一性のある特異な形態の彩漆土器が、しかもまとまって出土している例はない。
 本件は、その優美な器形流麗な文様モチーフ美しのみならず縄文時代漆工技術水準を知る上できわめて重要な意味を持つものであり、その学術的価値は高い。



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