山形県押出遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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山形県押出遺跡出土品

主名称: 山形県押出遺跡出土品
指定番号 507
枝番 00
指定年月日 1996.06.27(平成8.06.27)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 押出遺跡は、山形県南部米沢盆地北東東置賜郡高畠町所在する付近は、最上川に注ぐ、「大谷地」と呼ばれる泥炭層発達した低地で、遺跡北方にある白龍湖は、この一帯がかつて湖沼であった名残りとどめている。
 遺構・遺物は、昭和六十年から六十三年国道一三号線高畠バイパス建設先立つ調査で、地下メートル付近に包蔵されていることが明らかにされ、約四、〇〇〇平方メートル範囲から、平地式で多数柱根を残す住居跡二〇軒以上、縄文時代前期後半土器・石器木製品類、動植物遺存体等が多量に出土した先述彩漆土器も、この遺跡からの出土品である。
 遺物は、前期後半大木【だいき】式の粘土貼付文が特徴的な深鉢形土器二八箇をはじめ、鉢形土器・台付鉢形土器浅鉢形土器一箇多様な造形小形土器二三箇や、基部につまみ状の突起がある「押出ポイント」と呼ばれたもの一一六本を含む石槍せきそう一二三本、石鏃せきぞく】・掻器【そうき】・石匙いしさじ】・石錐せきすい】等の利器合計七〇六箇、磨石【すりいし】・凹石くぼみいし】・食物焼け痕が残る石皿いしざら】等加工としての石器類五七箇、石製装飾品九箇、小形石棒二箇、さらに赤漆【くし】・盤【ばん】・杓子しやくし】・石斧柄【せきふえ】・手網【たも】・箆状【へらじよう】木製品残欠多彩な木製品三三箇で構成される
 また、これに加えて扁平な樹皮折り曲げて左右別の細い樹皮縫いとった樹皮製品一箇、もじり網みと思われる編物残欠一括、さらに土器装飾通じ渦巻曲線で隆帯状文様付けクッキー状に焼きあげた炭化食物五二箇分もあり、いずれも当時の生活を生々しく伝えている。
 この中で赤漆【あかうるしくし】は四箇あり、いずれも残欠ながらわが国現存最古の結歯式【けつばしき】二箇と、撚り紐を漆で固めて歯をつくり出した他に例がないもの二箇を含む。小形土器には、内部べったり生漆きうるし】が付着したものもある。また、箆状木製品は、木剣思わせる尖頭状の製品もあり、木製祭祀具の可能性もある。小形石棒も、造形整った石棒としては、縄文時代でも最も古いもののひとつである。さらに石製装飾品は、素材玉髄【ぎよくずい】・琥珀【こはく】・流紋岩等を用いた〓状【けつじよう耳飾残欠管玉くだたま】等で構成され押出遺跡広域物流物語るが、特に琥珀縄文時代本州最古製品として貴重である。
 以上、本件一括は、これまで不明な部分多かった多彩な有機質遺物を含む、低地における生活遺跡実態きわめて鮮明に復元できるとともに当時漆工芸が、縄文時代前期段階確立していたことを示すものとして、高い学術的価値持っている
 なお、漆付着土器残欠と、彩漆土器残欠多数あり、附としてともに保存図りたい



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