山梨県一の沢遺跡出土品とは? わかりやすく解説

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山梨県一の沢遺跡出土品

主名称: 山梨県一の沢遺跡出土品
指定番号 526
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 縄文
年代
検索年代
解説文: 本件は、山梨県東八代郡境川村所在する一の沢遺跡から出土した資料である。
 一の沢遺跡甲府市中心部から南へ一〇キロメートル甲府盆地の南縁に連なる扇状地一つ位置している。この地はちょうど、御坂山地曽根丘陵接点にあたる。遺跡は、笛吹川沿岸畑植潅漑国営幹線水路敷設工事先立ち昭和五十七年一次)、五十八年(二次)、六十一年三次)と三次わたって、さらに道路拡幅等による小規模な調査平成十年までに一〇次にわたって行われ、その発掘総面積一〇一〇三平メートルである。
 発掘調査結果縄文時代前期から後期にわたる竪穴住居跡多数前期一一軒、中期二五軒、後期二軒)および土坑、さらに古墳五基、平安時代中世竪穴住居跡一軒発見された。なかでも縄文時代中期竪穴住居跡土坑組み合って扇状地中央部付近に集中して検出され出土遺物質量ともに他の時期圧倒する本件は、深鉢形土器浅鉢形土器有孔鍔付土器【ゆうこうつばつきどき】等の土器類二五点と、土偶残欠耳飾土製円盤などの土製品四四点、磨製石斧【ませいせきふ】・打製石斧【だせいせきふ】・石鏃せきぞく】・浮子【うきこ】等の石器石製品一〇七点で構成される
 特に、四号住居跡および五六土坑から出土した深鉢形土器は、この時期特徴を示すもので、口縁部大きな四つ把手付け胴部半ば強くくびれ、底部薄づくり算盤玉そろばんだま】のように屈曲して膨らむ独特の器形呈している。このような土器通称屈折底【くつせつぞこ】〝あるいは〝トロフィー形〝の深鉢形土器呼ばれているが、この種の土器が他に比べて際だって多い。しかも小型のものから大型のものまでみられ、文様細部にまで浮彫り的な技法駆使している。とりわけ口縁部胴部装飾には蛇体【しやたい】をあしらったモチーフや、人面人体意匠などが抽象的に表現され、それが幾何学的な立体装飾中に巧妙に組み込まれている。
 以上本件は、中部山岳地における中期中葉勝坂式【かつさかしき】(井戸尻式【いどじりしき】)土器代表的な資料であり、特にその造形他の追随を許さないまた、石器石製品類の組成はこの時期通有なものであるが、土掘りとしての打製石斧調理としての磨石凹石くぼみいし】等が比較多く出土しており、当時植物採集中心とした生業活動をよく示している。これらは、この時期縄文文化理解するうえで欠かせない資料であり、その価値には高いものがある。



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