器形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 18:17 UTC 版)
「小臣艅犀尊」の記事における「器形」の解説
器形に基づけば、小臣艅犀尊は鳥獣尊に属し、盛酒器である。その器高は22.9cmに達し、長さは37cm、全体は双角犀牛形をしており、器の口は背部に開いているが、蓋は失われてしまっている。首は前に突き出し、角は反り返り、両耳は起ち上がり、体は豊かに肥えており、四足は荒々しく勇壮、器全体はスベスベで無紋。体積感が強く、サイがのっしのっしと歩んでいく様を表現している。 野生のサイは中国では既に迹を絶ち、絶滅前の久しい期間にもわずかに雲南に分布していたが、商代には、犀はただ中国南方に幅広く分布していただけでなく、黄河以北にさえ多くの生息地が存在していた。小臣艅犀尊の器形は写実的で、淳朴さを表し気韻に富んだ一頭のスマトラサイを造成しえている。 小臣艅犀尊は、現在、犀を造型したもので存世唯一の商代の青銅器である。中国にはもう一つ犀を造型した青銅器があり、それは、1963年陝西興平豆馬村出土の錯金銀雲紋銅犀尊である。錯金銀雲紋銅犀尊は現在、中国国家博物館に収蔵されているが、鋳造年代は前漢時期であり、小臣艅犀尊の商代より遥かに遅れる。
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