愛知県豊田大塚古墳出土須恵器
主名称: | 愛知県豊田大塚古墳出土須恵器 |
指定番号: | 502 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1995.06.15(平成7.06.15) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 考古資料 |
ト書: | |
員数: | 一括 |
時代区分: | 古墳 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 本件は、豊田大塚古墳出土の装飾須恵器【そうしよくすえき】を中心とした一括である。 豊田大塚古墳は、矢作川西岸の挙母【ころも】台地の南端に立地する南北約三〇メートル、東西約三一メートル、高約三・五メートル、二段築成の円墳である。昭和三十八年の学術調査で、主体部は全長八・七メートルの横穴式石室と、その西南に築かれた全長約二メートルの竪穴式石室であることが明らかにされた。竪穴式石室の中には遺物がなく、横穴式石室の玄室には、棺台と目される平石が二枚置かれ、その周囲と羨門【せんもん】付近から須恵器、金属製品、玉類等の副葬品が多量に出土した。 装飾須恵器は脚付壺【きやくつきつぼ】(内二箇子持壺付蓋【こもちつぼつきふた】共)三箇、四連坏付器台【よんれんばいつききだい】(蓋共)三箇、四連壺付器台【よんれんこつききだい】(子持壺付蓋共)一箇があり、これに壺【つぼ】、長頚壺【ちようけいこ】、提瓶【ていへい】、〓【はそう】各一箇と、坏一〇箇、蓋【ふた】五箇の須恵器類が加わって構成される。これらはいずれも遺存状態が良好で、わけても装飾須恵器はそれぞれに組み合う蓋や子持壺付蓋も一部を除いて完存する。脚付壺は、偏球形の胴に比較的細身で丈高な脚を付け、その脚には数段の櫛描き波状文帯と、台形の透かし孔を千鳥状に、あるいは上下に揃えてあける。四連坏付器台は、大きく開いた器台の上に、坏を各四箇ずつ接合し、脚には櫛描き波状文と台形の透かし孔を随所にあけ、全体として安定感に富む造形に仕上げている。四連壺付器台は、鉢部が半球形をした器台に四箇の広口短頚壺【ひろくちたんけいこ】を嵌【は】め込んだ形で、脚の透かし孔はない。 これらは、ほぼ六世紀前半の所産として捉えることができ、出土状態明確で遺存もよく、装飾須恵器を含む古墳出土須恵器の代表例として、高い学術的価値をもつ。 なお、横穴式石室式内からは、他に胡〓金具【ころくかなぐ】残欠や馬具類、鉄大刀【たち】・鉄刀子【とうす】等の利器類、勾玉・管玉等の玉類、土師器、土製紡錘車【ぼうすいしや】および用途不詳な多孔円筒器【たこうえんとうき】一箇も出土した。これらは附として、共に保存を図りたい。 |
考古資料: | 広島県草戸千軒町遺跡出土品 彩漆土器 彩画人馬鏡 愛知県豊田大塚古墳出土須恵器 手焙形土器 据台付子持〓 摂津三島廃寺塔心礎納置舎利容器 |
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