天座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 14:00 UTC 版)
天座(あまざ)とは、特に強い力を持つ妖達の尊称。主に梵天、露草、空五倍子のことを指す。 梵天 / 鶸(ぼんてん / ひわ) 声:諏訪部順一 鴇の前に現れる天狗で、妖達が集まる天座の頭。長い金髪。妖怪だけでなくゴロツキの集団にも顔が利き、煤竹からは「お頭」と呼ばれる。四天のうちの一人で、天網を読むことが出来る。また、翼を作り出すことで帝天の目の届かない結界「狭間の場所」を作り出せる。 基本的にワンマンで傍若無人(空五倍子は「水臭い」と言っている)。同じ天座に対しても表面上は素っ気無いが、気遣いは見せ、彼らを切り捨てることはない。 当時の天座の主であり、親代わりでもあった白緑に「鶸」と名付けられ、そう呼ばれていたが、本人は気に入らずに反発していた。 まだ鶸だった頃、銀朱の暗殺を試みたのが縁で銀朱と誼を結び、妖の目が緩む冬にはたびたび会い、一線を引きつつもゲームをしながら互いの情報を交換していた。しかし、名に関する話題がきっかけで、銀朱と会う回数が減り、最終的には銀朱はじめとする坂守神社と敵対してしまう。 銀朱と白緑が相打ちになった後、鶸は帝天に与えられた力を使い梵天となり、銀朱の体から天網を引き抜き白緑の体に移し、彼を助けた。 鴇を利用して今の帝天を倒すことを企んでいる。一度鴇に新しい帝天になるよう誘いをかけるが、鴇には断られた。 自分達のいる世界を、あり得ないことが起こる=雨夜之月=「あまつき」と呼び始めた本人。とある理由により、彼岸の知識がある。 鴇と出会って以後の騒動で帝天から「梵天」としての特権を取り上げられ、ただの妖に戻る。そのことをきっかけに鴇と協力体制となった。 あまつきの成り立ちや、帝天の正体すらも知っているが、本人も理の上にいるために他言はできない。本人曰く、「知るものであっても、統べるものではない」。 露草(つゆくさ) 声:森久保祥太郎 天座の一員で樹妖。薄い緑色の髪。前・天座である白緑の主だった、樹妖の枝の挿し木によって生まれた。 本体(樹)は、白緑達の戦いにより枯れてしまい、梵天が書いた呪符によって人型を保っていた。人間の姿は仮の姿である(単行本3巻で仮の姿を維持する力が尽きて、樹妖という証とも言うべき姿が描かれている)。樹妖に戻った時の姿は全体的に雄鹿を連想させるが、鹿で言う前脚二本が脚ではなく翼になっている。 基本的に人間を嫌っているが、心を許した相手には弱く、鴇や平八の名前を出されると動揺することがある。 今様の一件から鴇に恩を感じ、鴇を邪険にはせず、不器用ながらも気遣ったり心配したり、鴇の身の危険に焦ったりするようになる。坂守神社襲撃の一件からは、大怪我をして静養中の鴇に四六時中はりついていた。 坂守神社に囚われた鴇を助けにきたときに夜行の襲撃に会い、陰陽寮と共闘したことでなし崩しに協力体制となる。特に兄がいる者同士ゆえか紅鳶と近しい。 夜行の手下の妖怪によって、帝天から消されていた記憶を思い出し、白緑の死を自分の責任と感じる。受けた傷によって、挿し木ができないことを知り、命を諦めていたが、鴇が白紙の力によって、具現化した“くらげ”に心を移し替えた。 空五倍子(うつぶし) 声:小杉十郎太 梵天と共にいる妖鳥。大柄の体躯に赤い仮面をつけている。梵天の駕籠代わり。梵天の世話係。手が器用。神智を持つ神獣白沢から鴇時のことを「白沢」と呼ぶ。 梵天が、妖の滓のようなものを集めて妖鳥の体に入れることで空五倍子命を留めた。梵天のことを、腐っても親のようなものと思っている。 夜行の手下の妖、雲外鏡の鏡の破片から、鴇をかばい仮面が割れる。その際に、空五倍子は人間の姿と、黒い妖鳥の姿に分かれる。 煤竹(すすたけ) 声: ‐ / 石野竜三 天座の一員で、妖怪ではなく人間。ごろつき集団の頭。左腕に罪人の証である刺青を自分で入れている。梵天を「頭」と呼んでいる。妖怪を味方につけたほうが箔がつくと最初は思っていたが、今では本気で梵天に懐いている。 鴇のことを「弟」と呼ぶことがある。鉄砲の腕前は確か。瘴気に呑まれた江戸城への突入の際も梵天に同行し、露払いをになった。 今様の事件に関連して投獄されていた藍鼠と誼を得て、以来たまにケンカしたりする仲である。 白緑(びゃくろく) 声: - / 成田剣 前天座の主。大蛇の妖。鶸(梵天)の名付け親で、鶸と露草の育ての親。自分が死んだ後、鶸に天座の主の名である『白緑』の名を譲るつもりだった(結果的に鶸は『白緑』とは名乗っていない)。 蛇の化身で、露草の大元の大樹を主としている。天網が見えていたが、当然のようにそこにあったため気付かなかった。 銀朱に妖の正体について知識を与え、「人と妖はどう違うのか」という答えを導き出させようとした。自身も昔、主である樹妖(露草の本体で、千年を生きた樹精)に、「なぜ、妖は知恵を持つほど人に近くなっていくのか」と問うた。 銀朱との戦いで相打ちになった後、自身の「体」に彼の「心」が移し替えられることになった。死んだ彼の「体」が銀朱の「心」を拒んでいるため、現在の銀朱の呪いが成立した。 銀朱が帝天に逆らって「体」を捨てており、夜行がその「体」を拾い、操り人形として利用している。 巻末4コマによれば「子育て若葉マーク」で、鶸や露草に食べさせるものに苦心して主である樹妖に泣きつく姿があった。
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