外国人による国保悪用問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:24 UTC 版)
「国民健康保険」の記事における「外国人による国保悪用問題」の解説
日本在住外国人のうち、病気の治療などを目的に在留資格を取得した人は、国民健康保険に加入できないことが法律で定められている。しかし、2012年7月から2015年4月にかけて、2012年4月から在留資格の外国人に条件付きで住民票を交付できるよう法律(住民基本台帳法の一部を改正する法律)が制定されたことを市の複数の職員が在留資格の外国人が国民健康保険への加入も可能になったと勘違いを原因にがんや脳梗塞などの治療・その患者の世話をするために在留資格を取得したウクライナとロシア、中国の男女7人に国民健康保険への加入を誤って認めていたことで約3785万円余りを給付していた。 2016年11月29日号の週刊SPA!が、外国人が偽造書類を使って日本在住家族の扶養に入るやり方や、ペーパーカンパニーを作って経営目的として来日するやり方で3か月以上の在留資格が得て、国民健康保険を違法利用している実態を報道した。 外国人が国保加入条件の在留期間1年から2012年の住民基本台帳法改正による3か月以上の滞在で加入させることを悪用して、「日本留学」や「経営」などと目的を偽ってビザを取得し、日本で国保に加入した後に前年度の収入がないために1割の自己負担と最低額の月額数千円程度の保険料だけ支払い、更に高額な医療費がかかった場合に払い戻し制度の悪用がされている。僅かな負担で高額な治療を受けて帰国するケースなどと在留目的を偽って入国して国民健康保険を悪用し、日本人が外国人の高額医療費を負担することで日本の医療保険制度が崩壊するのではないかとの危惧がある。2018年8月末に自民党から改正のための検討が行われている。 厚生労働省も「感情的な外国人非難でなく冷静な議論のため、実態把握は必要」として調査を進めているが、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表の鳥井一平は「調査すること自体、外国人の不正が多発しているような印象を与える」「在留外国人が受診を控えることになれば、住民誰もが安心して医療を受けられる国保の趣旨にも反する」 と批判を行っている。 2019年8月にはボリビアで三つ子を出産したとしてボリビア人の会社役員が複数の自治体で国民健康保険の出産育児一時金をだまし取ったとして逮捕されている。1回121万で、同様の手口で40件弱、約2千数百万円が被害額とみられている。42万円の出産一時金は海外で出産しても受給可能なため、現地の病院が発行した出生証明書さえあれば支給されるが、それが本物かどうか行政は確認していないのが実情と報道されている。また荒川区においては平成28年度の国民健康保険の海外での出産育児一時金の支給のうち、中国が31件と全体の6割に上がる。 なお東京都新宿区にある総合病院では、1990年から2001年の間の外国人の分娩数は12年間で656例であり、総分娩数に占める外国人の割合は1990年には4.2%であったが,年々増加し,1997年からは全分娩の約16~19%を占めた。公的保険加入は,加入している者が66.0%(433例),保険に加入していない者(未加入者)は30.6%(201例),生活保護1.0%(6例),不明2.4%(16例)であった。飛び込み分娩事例は21例,全外国人分娩事例の3.2%であり、21例の国籍(出身地)の内訳は,「タイ」66.7%(14例)となっている。飛び込み出産は既往症や感染症の有無も分からず出産行為となるため、医療従事者の感染リスクなども通常より高まる問題も抱えている。2007年には、日本助産師会専務理事によると、飛び込み出産につながる未受診妊婦は以前は出産を経験したことのある女性に多かったが、最近は〈1〉若年妊婦〈2〉外国人女性〈3〉経済困窮家庭などに多い傾向があると報道されている。
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