外国人に対する差別意識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 06:00 UTC 版)
「韓国の民族主義」の記事における「外国人に対する差別意識」の解説
純血主義については「朝鮮純血主義」を参照 朝鮮半島には小中華思想と呼ばれる攘夷思想があり、李氏朝鮮時代には大陸国家であるにもかかわらず排外的政策が採用されていた。これは、李朝末期の丙寅教獄およびそれに連なる丙寅洋擾、あるいは日本人を東夷として蔑視する政策から生じた書契問題およびそれに連なる江華島事件などにも見られ、一部に激越な排外主義の伝統が存在する。 実際には韓国は少数民族もおり、また韓国人は日本人以上に混血している民族であるという研究結果も出ているが、韓国では単一民族国家の意識があり、現在でも純血・混血という概念が根強く存在し、「韓国人は純血」という意識を持っている。それが人種差別の温床となっているとされ、国際連合の人種差別撤廃委員会(CERD)からたびたび勧告を受けている。また、「混血者」や「コシアン(韓国人と韓国以外のアジア出身者の間に生まれた子)」という呼び方も存在しており、国際結婚の夫婦の子供の11.5%がいじめを恐れて学校に通えないという調査結果がある。 韓国の放送局、SBSが韓国人の外国人忌避症と純血主義を集中取材した『SBSスペシャル…単一民族の国、あなた方の大韓民国』の制作者の調査の結果、 回答者の65.2%が「私たちの民族は単一民族」と信じていることが分かった。 韓国人が多く移住するようになったアメリカ合衆国は、ヨーロッパ系、アジア系、アフリカ系、先住民が共存しているが、韓国系アメリカ人は他の民族集団に比べ際立って黒人蔑視が激しく,ロス暴動において多くの韓国人商店が黒人による略奪・破壊に遭う原因となった。ハインズ・ウォードは韓国系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人のハーフであり、韓国やアメリカの韓国人社会での差別を訴えていた。日本統治時代の朝鮮は単一民族国家意識は薄れており、当時は華僑が55万人以上が住んでいたのだが、現在ではわずか5万人程度になり、これは単一民族主義が一因であると思われる。また、中華人民共和国に住む朝鮮族や旧ソビエト連邦構成国のロシア、カザフスタン、ウズベキスタンなどに住む高麗人は現地の言語を話し、現地の教育や風潮に影響され、朝鮮半島の影響を受けなかったため、単一民族主義は韓国・北朝鮮ほどは見られない。一部の在日韓国・朝鮮人は反日教育を受けているためか、単一民族意識が浮き彫りとなっているという指摘もある。 アウトサイダーに対する差別意識は多かれ少なかれどこの国や民族・文化圏にもあるが、韓国人は国外においても現地の住民を蔑視することがあり、フィリピンセブ市では韓国人経営の店で市長夫人を侮辱したことで、韓国人が逮捕された[要出典]。その他に外国人への差別意識が反映された事例として、ロス暴動(韓国人商店が襲撃された)やコレコレアの問題が挙げられる。 また韓国政府は、日韓条約の内容を長らく秘密にしており、日韓条約の規定により支払われた日本側の賠償金をインフラ整備に流用したことを国民に隠していたので、韓国の経済発展(漢江の奇跡)について一部の世論が独力で成し遂げたと評価しており、日本などの援助で経済発展を目指した東南アジア諸国に対し経済的優越感を抱き、さらに韓国人は『優秀な単一民族』と言う自負心の強い教育を受けているために、自己優越主義が促されている。それにより、開発途上国やそこからの出稼ぎ労働者を見下して差別することがあり、途上国からの評判は悪い。韓国を訪問した外国人を対象に実施したアンケート調査によると、「韓国人は親切」と回答した欧米人は70%、一方アジア人の比率は40%であった。また、韓国人と国際結婚した途上国出身の外国人妻が近年10万人を超えているが、その半数近くがドメスティックバイオレンス(DV、家庭内暴力)被害に遭って、嫁ぎ先から逃げ出し、そのような外国人妻の保護のために建設された保護施設も存在する。さらに、韓国人は脱北者や中国朝鮮族に対しても差別意識を向けることがある。特に、脱北者は過酷な差別を受けており、あるアンケート調査では「70%がアメリカに亡命したい」と回答した。また、韓国人は在日韓国人を『裏切り者』として差別することがある。
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