地域別の音楽とは? わかりやすく解説

地域別の音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:37 UTC 版)

ルーマニアの音楽」の記事における「地域別の音楽」の解説

トランシルヴァニア地方は、民俗音楽中心地として、ルーマニア他の地域より民族音楽保存されてきた。バルトークコダーイは、20世紀初期多く民謡集めたルーマニア民謡で最も広くみられるのは、ドイナと呼ばれるのであるワールド・ミュージック有名なグループには、タラフ・ドゥ・ハイドゥクス)、ファンファーレ・チョカルリアなどがいる ワラキア ワラキアはタラーフ・バンドの故地であり、ルーマニア民俗文化中心地としても最もよく知られているであろう地域である。ダンスブルウ(brâu)、ジャムパラーレ(geamparale)、スルバ(Sârba)、ホーラ(hora)などを含むタラーフの音楽関連している。フィドルによって主旋律演奏されツィンバロンコントラバス伴奏として使用される歌詞にはハイドゥクなどの英雄物語などがある。タラフ・ドゥ・ハイドゥークス(Taraf de Haidouks)は有名なタラーフのひとつである。1988年以降、彼らのレコード国際的に売り出され注目を集めるようになったバナト セルビア国境に近いバナト地方では、ヴァイオリン民俗音楽多用され木管楽器一緒に演奏されるタラゴット(taragot、ハンガリーターロガトーと同じもので、クラリネット似たシングルリード木管楽器ルーマニアには1920年代入ってきた)も使われるが、現在ではタラゴット代わりにサクソフォン用いられるブコヴィナ 中央から遠くはなれたウクライナに近い北部ブコヴィナ地方では、原始的な吹奏楽器ティリンカ (tilincă) やコブザなどの楽器用いられる。フルイェラシュ(fluieraş、小さな笛)、あるいはフルイェル・マーレ(fluier mare大きな笛)とよばれる笛も多用されるヴァイオリン金管楽器現代になってから新たに持ち込まれたものである。 クリシャナ クリシャナ(Crişana)はハンガリー国境に最も近い地方である。この地方では古くから、ヴァイオリンが主にデュオ用いられてきた。タラゴット奏者ペトリカ・パシュカは、この地方タラゴット知名度上げたドブロジャ 沿岸部ドブロジャ地方人口多く、また古くからタタールトルコブルガリアの音楽文化が息づいている地方である。最も代表的なダンスはジャムパラーレ(geamparale)と呼ばれるもので、ルーマニア他の地方ダンスとは大きく異なったのである。これは、ドブロジャ地方がかつてオスマン帝国領ブルガリア一部であり、トルコ文化の影響強く浸透していることと関係している。 マラムレシュとオアシュ マラムレシュ地方典型的な音楽楽器構成はゾンゴラ(zongora)とヴァイオリン時にこれにドラム加えたのであるサクソフォンアコーディオンはより近年になって持ち込まれたものである1990年代終わりに、地域固有の音楽注目を向けるため、マラムジカル(Maramuzical)音楽祭開かれた。 オアシュ地域サトゥ・マーレ県北東部あたり)では、より甲高い音に変えられヴァイオリン使われ、ゾンゴラが伴奏する。この地域の歌は音の高い古い旋律要素持ち他に類を見ないモルダヴィア モルドヴァ共和国を含む北東部モルダヴィア地方では、ツァンバル(ţambal)と呼ばれるツィンバロムヴァイオリンが最もよく用いられる20世紀以前には、ヴァイオリンはコブザの伴奏として用いられていた。ヴァイオリン奏者のイオン・ドラゴイが代表的チャーンゴー(ハンガリー系住民)の演奏家たちも良く知られている。モルダヴィアブラスバンドセルビアのものと良く似ている(チョチェク参照)。ブラスバンドではファンファーレ・チョカルリア世界的に有名。 トランシルヴァニア トランシルヴァニア歴史的文化的に中欧圏と深いつながりがあり、この地域音楽その影響強く反映している。ルーマニア人ハンガリー人セルビア人ドイツ人スロヴァキア人ロマなど多く民族混在しているトランシルヴァニアは、ルーマニア民俗音楽中心地であり続けたヴァイオリン、ヴィオラコントラバスツィンバロンが主に使用される。これらは結婚式など、さまざまな場面で使用されるハンガリー人音楽は特にhajnaliやlegényesが知られている。チャーンゴーは独特の方言持ちその音楽特徴的なものである。「ウテガルドン(ütögardon、「叩かれチェロ」の意)」または「ガルドン(gardon)」と呼ばれる、弦を棒で叩いて音を出すチェロ似た独特の弦楽器が有名である。 ムンテニア 首都ブカレストを含むムンテニア地方では、笛とヴァイオリン伝統的な旋律要素であるが、現在ではクラリネットアコーディオンそれ以上多用される代表的な奏者はヴァシレ・パンデレスク(Vasile Pandelescu)やイリエ・ウディラ(Ilie Udilă)などである。 オルテニア オルテニア民俗音楽ダンスムンテニアのそれと非常に類似している。ヴァイオリンバグパイプ、ツァンバル、ギター多用される。 ドイナ ルーマニア民俗音楽として最もよく知られているのがドイナである。ドイナは詩的メランコリックであり、そのためときとしてブルース対比される。ドイナはゆっくりしたテンポで、自由なリズム演奏される。同じメロディ異なる歌でリピートされることもある。地域別のドイナ Ca pe luncă - ドナウ川周辺のドイナ。「luncă」とは氾濫原または川岸のこと。 De codru - 「codru」は「森」意味する Haiduceşti - 「haiduc(ハイドゥク)」は「盗人」「盗賊」を意味するHora lungă - 「長い踊り」を意味するマラムレシュ、トランシルヴァニア地方のドイナ。 Klezmer - ベッサラビア・モルダヴィア地方ユダヤ人によって演奏されてきた。 Oltului - オルト川流域見られる その他のドイナ Ca din tulnic - メロディがトゥルニク(ブチュムBuciumともいう、アルプホルン一種)を模倣する独特のスタイル Ciobanul - 羊飼いチョバン)のドイナ De dragoste - よくある形式。「dragoste」とは「愛」のことで、通常愛の歌である。より限定的には、ワラキア南部ドナウ平原地方特有な種類の歌を指す。 De jale - 柔らかく落ち着いた悲しげなドイナ。jaleは「悲しみ」の意 De leagăn - 子守唄。「leagăn」とは「揺りかご」の意 De pahar - 飲酒歌。「pahar」とは「グラス」 Foaie verde - 典型的な形式。「緑の」を意味する

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