剤形の例とは? わかりやすく解説

剤形の例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 00:57 UTC 版)

剤形」の記事における「剤形の例」の解説

日本薬局方15改正製剤総則では以下の28種の剤形分類掲載されており、その製法および形などを規定している。 エアゾール剤(Aerosols):医薬品溶液懸濁液などを容器充填した液化ガスまたは圧縮ガス圧力によって、用時噴出して用いる。外用塗付吸入内服などの目的用いる。例:サルタノールインヘラー 液剤(Liquids and Solutions):液状内用液または外用液で、他の剤形該当しないもの。有効成分そのまま用いるかまたは溶剤溶解するエキス剤(Extracts):生薬浸出液濃縮または乾燥したもの次の2種類がある。 軟エキス剤水あめようの稠度 乾燥エキス剤:砕くことができる固塊、粒状または粉末 エリキシル剤Elixirs):甘味芳香のあるエタノールを含む澄明内用液剤医薬品またはその浸出液エタノール精製水、着香剤および白糖または甘味剤を加え濾過等により透明な液に製するカプセル剤(Capsules):医薬品液状懸濁状、粉状顆粒状などの形でカプセル充填するか、カプセル基剤で被包成型したもので次の2種類がある。硬カプセル剤:有効成分そのままもしくは適切な賦形剤などの添加剤混和し均質したものか、有効成分粒状もしくは成型物としてものをカプセル充填する軟カプセル剤:主に油状薬物、又は植物油溶解分散させた、液状懸濁状、半固形状の主薬を、ゼラチンなどのカプセル基剤グリセリンまたはソルビトールなどを加えて塑性増し、被包成型する顆粒剤(Granules):医薬品粒状したものおおむね粒径355 - 1400 マイクロメートル (μm)のもの。有効成分そのままもしくは賦形剤結合剤崩壊剤などの添加剤混和し均質とした後、粒状とし粒子そろえたもの。 丸剤(Pills):医薬品球状したもの有効成分賦形剤結合剤崩壊剤などの添加剤加えて混和し均質とした後、球状成型する眼軟膏剤Ophthalmic Ointments):結膜嚢適用する無菌製した軟膏剤ワセリンなどの基剤医薬品溶液または微細粉末混和し均質として、チューブ等の容器充填する医薬品粒子の大きさ75 μm以下。 経皮吸収製剤Transdermal Systems):皮膚通して全身循環血流送達すべく設計され製剤適切な基剤有効成分溶解または混濁し必要に応じて粘着剤溶剤吸収促進剤などを加え支持体またはライナー展延成型する。例:ホクナリンテープ 懸濁剤・乳剤(Suspensions and Emulsions):医薬品を液中に微細に懸濁または乳化させた液状製剤懸濁剤:医薬品懸濁化剤と精製水または油を加え懸濁均質にする。 乳剤医薬品乳化剤精製水加え乳化し均質にする。 坐剤(Suppositories):医薬品基剤により成形し肛門または膣に適用する固形外用剤体温によって溶けるか、軟化するか、または分泌液溶ける肛門坐剤円錐形または紡錘形膣坐剤球形または卵形散剤(Powders):有効成分賦形剤結合剤崩壊剤などの添加剤加えて粉末または微粒状に製したもの。おおむね粒径500 μm以下のもの。 酒精剤Spirits):揮発性医薬品エタノールエタノール水の混液で溶かしたもの錠剤(Tablets):経口投与する一定の形状をした固形製剤のこと。口腔内崩壊錠:口腔内で速やかに溶解、又は崩壊させて服用する製剤のこと。適切な崩壊性を有するチュアブル錠:小児服用しすいよう設計された、咀嚼して服用出来錠剤のこと。口中噛み砕く急速に崩壊しクリーム状になる。 発泡錠:水中急激に発泡しながら溶解、又は分散する錠剤のこと。炭酸ナトリウムクエン酸(又は酒石酸)が含まれており、服用時に水中投入する炭酸ガス発して急激に崩壊する。 即放性錠剤(素錠,裸錠):主薬添加剤打錠して製した錠剤のこと。製造行程は短いが、苦味特異な臭気有する薬物には適さない糖衣錠:素錠の表面白糖などでコーティングした錠剤のこと。味や臭いが矯正され、さらに表面光沢があるため服用しやすく、主薬酸素による変質糖衣層が防止出来るが、製造行程長い シロップ剤(Syrups):医薬品白糖その他の甘味料または単シロップ溶解または混和し、濃稠な溶液または懸濁液とした内用剤。 浸剤煎剤(Infusions and Decoctions):生薬精製水浸出し液状製剤浸剤生薬50 グラム (g)に対し精製水50 ミリリットル (mL)を加え、約15分潤した後、熱精製水900 mL注ぎ、5分間加熱、冷後、布ごしして製する煎剤生薬50 gに対し精製水950 mL加え30分間加熱、温時、布ごしして製する注射剤Injections):医薬品溶液懸濁液乳濁液または用時溶解して用い無菌の製剤で、皮膚または粘膜通して体内直接適用する。懸濁性注射剤中の粒子150 μm以下、乳濁注射剤中の粒子は7 μm以下とする。 貼付剤(Plasters and Pressure Sensitive Adhesives):布またはプラスチック製フィルムなどに有効成分基剤からなる混合物延ばし皮膚患部、または皮膚通して局所患部有効成分到達させるために皮膚粘着させて用い局所作用外用剤チンキ剤(Tinctures):生薬エタノールまたはエタノール精製水浸出して製した液状製剤点眼剤Ophthalmic Solutions):医薬品溶液懸濁液または用時溶解して用い無菌の製剤で、結膜嚢適用する懸濁点眼剤中の粒子75 μm以下とする。 トローチ剤(Troches):医薬品一定の形状製し口中徐々に溶解または崩壊させて、口腔咽頭などに適用する製剤軟膏剤(Ointments):適切な稠度均質な固形状に製した皮膚塗布する外用剤。本剤は、脂肪脂肪油ラノリンワセリンパラフィン、ろう、樹脂プラスチックグリコール類、高級アルコールグリセリン乳化剤懸濁化剤等を基剤とし、医薬品加え全体均質に混ぜて練り合わせ製する。本剤のうち、乳化した基剤用いたものをクリーム称するパップ剤(Cataplasms / Gel Patches):医薬品を含む混合物泥状製するか、布上に展延成型し製した外用剤芳香水剤Aromatic Waters):精油又は揮発性成分飽和させた澄明液剤リニメント剤(Liniments):液状または泥状製した皮膚にすり込んで用い外用剤エタノール脂肪油グリセリン、石ケン乳化剤懸濁化剤その他の添加剤等の混和物に医薬品加え全体均質にする。保存中に成分分離することがあるが、用時混和し均質として用いる。 リモナーデ剤(Lemonades):甘味酸味がある澄明内用液剤通例塩酸クエン酸酒石酸または乳酸のいずれかにシロップおよび精製水加えて溶かし、必要に応じてろ過する。本剤は用時調製する。 流エキス剤(Fluidextracts):生薬浸出液1 mL中に生薬1 g可溶性成分を含むように製した液状製剤ローション剤(Lotions):医薬品水性の中に溶解乳化もしくは微細に分散し均質に製した皮膚塗布する外用剤

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