初代 KA1/2/3/4/5/6型 (1985年-1990年)
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「ホンダ・レジェンド」の記事における「初代 KA1/2/3/4/5/6型 (1985年-1990年)」の解説
「ローバー・800」も参照 ホンダ初の3ナンバー仕様を持つ新しいフラッグシップカーかつ、アメリカで展開する高級ブランドである「アキュラ」向けの専用車種として登場。当初は4ドアセダンのみが用意されたが、1987年2月6日には、3ナンバー専用ボディにC27A型エンジンを搭載する2ドアハードトップが追加されている。 ホンダは自社ラインナップとして初の「高級車」クラスの車を開発するに当たり、当時業務提携関係にあり、かつ中型車以上の車種の開発ノウハウがあるイギリスのブリティッシュ・レイランド(BL、後のローバー)と共同開発を行った。この共同作業は積極的に進められ、BLの関係者は日本のホンダ開発現場へ出向き、サスペンションのセッティングからウォールナットパネルの使い方一つまで指導したという。また、ホンダも独自に同クラスの外国車を購入して徹底的に研究したほか、開発担当者を世界各国の高級ホテルに宿泊させ、「高級感」についての体験をさせたというエピソードが残っている。こういったことからレジェンドでは歴代、のちの下級車種である「アコードインスパイア」/「ビガー」などでも日本車として異例なほど本木目パネル(天童木工製)へのこだわりを見せた。 BLでのモデル名は「ローバー・825/820」で、「スターリング」は「825」の最上級グレードの名前である。日本国内で販売されるスターリングは、ホンダの埼玉製作所においてレジェンドと同じラインで生産されていた。 当時、日本国内の自動車工場では最大の2,300tプレス成型機器を導入。ホンダの車体では従来の粉体塗装ではなく、初の4コート4ベイクの塗装工程を採用した。また、日本で初めて運転席用SRSエアバッグ(タカタとの共同開発)を搭載した乗用車(北米向けは1986年から、日本では1987年から)であり、当初から「A.L.B.(ABSに対するホンダの商標)」を標準・オプション設定していたほか、シートベルトを装着している拘束感を和らげるテンションリレーファーやサイドドアビームなども装備し、全面衝突に対応した安全設計となっていた。この他、モデル末期には世界初のFF車用トラクションコントロールシステムが搭載された。 エンジンは当初2.0LのC20A型と2.5LのC25A型を設定していたが、クラウン(S130系)やセドリック・グロリア(Y31系)が3Lエンジンを搭載した3ナンバー車を登場させたのに対抗し、1987年9月3日のマイナーチェンジで、C25A型を2ドアハードトップ(および輸出用)に搭載されていたC27A型に変更した。 装備別に2.5L・2.7Lは「Xi Exclusive(エクスクルーシブ)」、2.0Lは「Gi Exclusive」、「Zi」、「Mi」などのグレードが用意され、「Exclusive」系には天童木工製本木目パネル、トップグレードのみ100%ウールモケットシートが装備されている他、当時開発途上であったカーナビゲーションシステムを搭載できるようなダッシュボードデザインとなっていた(最終的に開発が間に合わず、試作機がテスト搭載されただけに終わった)。歴代のレジェンドにおいて、日本国内仕様では唯一この世代(2.0L NA車および2.5L車)にのみ、5速MT仕様が用意されていた。 1988年10月14日のマイナーチェンジでは、ホンダが独自開発した「ウィングターボ」を装着したC20A型ターボエンジン搭載の「Ti Exclusive」および「Ti」を設定。また、4ドアセダンのリアサスペンションが2ドアハードトップ同様のダブルウィッシュボーンに改められた(従来はスペースの関係でマクファーソンストラットを採用)。なお、このマイナーチェンジにおいては自然吸気(NA)のC20A型とC27A型のスペックは変更されていない。この他、日本市場向けのみグリル意匠やリアのランプ周りのデザインを変更し、それまでのスポーティなイメージから、メッキを多用したラグジュアリーなイメージを持つ外観へ刷新。またホイールのデザインを一新したほか、内外装も新色が追加された。あわせて内装もダッシュボードのデザインをより機能性の高いものに変更し、シート生地の改良も施された。 セダン「Xi」がホンダの創業者の本田宗一郎の愛車として使用された他、当時ホンダエンジンを搭載したマシンに乗っていたアイルトン・セナや中嶋悟も使用していた。鈴鹿サーキットのマーシャルカーとして在籍したこともあった。また、多くがホンダの役員専用車として使用された。リムジン仕様車も導入されており、本田自身が運転しない時の専用車として使用された。この専用車は本田技術研究所特注のエアサスペンション仕様になっていた。その他、ホンダ車として初めて東京都内のハイヤーとして採用された。また、ホンダ本社が赤坂御用地向かいに立地している事もあり、後期型(シャンパンゴールド色)は秋篠宮家の公用車としても使用された。 後期型 フロント(豪州仕様) 後期型 リア(豪州仕様) アキュラ レジェンド
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