再審請求までの経緯とは? わかりやすく解説

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再審請求までの経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 23:13 UTC 版)

松橋事件」の記事における「再審請求までの経緯」の解説

上告審から国選弁護人となった齊藤誠弁護士は、国選弁護人となった時点再審請求視野入れていた。1992年平成4年3月24日熊本地裁に対して再審請求予定として証拠物保管申請1993年平成5年5月2日には、同じ法律事務所所属し名張事件再審請求に関わっていた野嶋真人弁護士とともに岡山刑務所服役中のAに接見し再審請求準備始めることを伝えた。さらに、知り合いだった国宗直子弁護士に熊本弁護士紹介頼んだところ、確定審国選弁護人務めた三角修一弁護士息子三角弁護士弁護団参加した三角弁護士は、父がこの事件に関わっていたことを知らず裁判記録見て驚いたという。息子である三角弁護士からこの事件のことを問われ三角修一弁護士は、多く語らず「あれは無実だよ」とだけ話した弁護団何度も自腹熊本訪れて現地調査関係者対す聞き取り行った犯行直前にAは将棋仲間自宅まで送る被害者の後をつけたとされ、自供では深夜であった遠くまでよく見えたとされていたが、同じ1月満月の夜確認したところ、実際にはよく見えなかった。また、その途中のある家の居間電気がついていたと述べたことが確定判決秘密の暴露にあたるとされたが、実際に自供以前から警察その事実を把握していたことも判明した。さらに、犯行時刻1月6日の1時30分ごろとされていたが、翌朝被害者見かけたという目撃証言得た。この目撃者は、事件後に警察に対して証言していたが、警察から激し追及受けて被害者見かけたというのは事実ではありません」という文書を書かされたとのことであった同年弁護団熊本地検に対して事件に関する証拠開示請求した熊本地検はこれに応じ証拠物閲覧許可した1997年平成9年9月1日熊本地検での3度目証拠物閲覧で、弁護団は、開示され証拠物の中から、Aが燃やして捨てた供述していたシャツの布片見つけた布片全部5点あり、弁護団布片組み合わせると、元のシャツの形が完全に復元された。5点布片のうち3点はAが逮捕され翌日1985年昭和60年1月21日領置され、同年2月5日にさらに1点押収されたものであった。Aは2月6日に、その時点で見つかっていなかった左袖部分について、犯行切り出し小刀巻き付けて使用し犯行後軍手とともに風呂の焚口燃やした供述していた。しかし、燃やしたはずの左袖部分起訴後2月14日には領置されており、明らかに自白矛盾するこの布片存在明らかにされないまま熊本地検保管されていたのだった。そして、警察鑑定によれば、その左袖部分にも血液付着した跡はなかった。 これと並行して弁護団1993年平成5年)、日本医科大学大野曜吉教授遺体の傷などの法医学鑑定依頼した事件直後遺体司法解剖した熊本大学神田瑞穂教授は正式な鑑定書完成させる前に死亡しており、確定審証拠採用されたのは一部の傷について記載され警察の捜査報告書であった弁護団日弁連通じて熊本大学問い合わせたところ、神田教授解剖時に作成した鑑定書控」と題するメモ残されていた。大野教授はこのメモをもとに傷の検討行った神田教授メモ取り方が一般的な鑑定書記載方法異なっていたため難航したが、神田教授弟子にあたる熊本大学の恒成茂行教授の協力得て2007年平成19年9月10日大野教授鑑定書完成した鑑定書の中で大野教授は、被害者の傷のうち2か所の傷口凶器とされた切り出し小刀より幅が狭く、この切り出し小刀凶器たり得ないこと、致命傷となった傷は衣服の上から刺されたものであり「小刀表皮刺さった隙間から血が溢れ出したのを見た」とする自供矛盾することなどを指摘した。このほかにも弁護団は、警察がAに対して実施したポリグラフ検査質問方法などに問題点多く信頼性がないとする鑑定結果入手した。 なお、日弁連1996年平成8年11月19日弁護団人権救済申し立て受けて調査委員会設置し武村二三弁護士弁護団加わった。これによって、再審準備のための弁護団熊本への交通費宿泊費などの実費日弁連から支給されることとなったまた、2011年平成23年8月11日には、日弁連としての再審対す支援理事会決定している。

※この「再審請求までの経緯」の解説は、「松橋事件」の解説の一部です。
「再審請求までの経緯」を含む「松橋事件」の記事については、「松橋事件」の概要を参照ください。

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