犯行直前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 14:33 UTC 版)
「福山市独居老婦人殺害事件」の記事における「犯行直前」の解説
犯行の準備後、2人は日が暮れるまでパチンコをして時間をつぶし、同日19時ごろになってビニール紐・軍手とカップラーメン2個を持ってA方を訪れ、室内に入れてもらった。その際、XがAの隙を見て、Nに「ここでやるのか」と尋ねたが、Nは現金の有無を確認した上で殺害しようと考え、Aが席を外した合間を突いたり、仮病を使うことでベッドのある奥の部屋に入ったりして、預金通帳の残額を確かめた。この時は残額が少なかったため、Nは「殺すまでのことはない」とも思ったが、Aの所持金の多寡を調べる目的で借金を申し込んでみたところ、Aはそれに応じ1万円札13枚(計13万円)を差し出してきた。このことから、2人は「Aは他にもかなり現金を持っている」と考え、被害者Aを殺害する決意を固めた。 Nはその場でXに目配せをして、用意していたビニール紐を出すよう合図したが、Xは「死体の処分に困る」と考えて殺害を躊躇した。そのため、Nも「Aを人気のない場所に連れ出して殺害し、再びA方に立ち戻って金品を物色した方が得策だ」と考えるようになり、Xに対し「どこかに連れ出すか」と言ったところ、Xもそれに応じたため、2人はAを連れ出して殺害した上でA宅に戻り、金品を強取する旨の意思を相通じた。2人は「温泉に今ごろ行くとちょうどいい」「自分の知っているところがあるから行かないか?」などと言って、Aをドライブに誘い、当時Nが使用していた普通乗用自動車の助手席にAを乗車させ、22時ごろにA宅を出発した。2人は殺害場所として適当な、人気のない場所を探し、まずは福山市方面へ向かったが、「瀬戸大橋(瀬戸中央自動車道)か高松方面に向かえば、人気のない適当な殺害場所がある」と考え、いったんは翌日(1992年3月29日)深夜に栗林公園(香川県高松市)まで行った。しかし、同公園は市街地の公園である上、当時は門が閉まっていたため入ることができず、周囲でも適当な殺害場所が見つからなかったため、同所での殺害は断念した。その後、XがNに対し「自分がAとホテルに泊まるから、その間にA宅に戻って金を取ってこればいいんじゃないのか」と提案したが、Nは「もう連れ出しているし、泥棒に入っても分かるから、(Aを)殺すしかない」と答えた。 その後、2人とAは岡山県都窪郡内の村にあった喫茶店で休憩。休憩後、空は既に明るくなっており、店の周囲に奥深い山もなかったため、Nは「計画を実行するのは無理だ」という気持ちに傾きかけ、いったんは三原市方面へ向かった。しかし、福山市内の国道2号を走行中に「北方の深安郡神辺町(現:福山市神辺町)方面なら、人目に付かない奥深い山があるのではないか」と考え、Xにその旨を伝えた上で山間部へ向けて進行し、山奥へ向かった。そして神辺町方面へ向かって北上していたところ、「山野峡」と表示された道路標識を見て「人目に付かない山深い場所だろう」と考え、標識に従い山野峡方面へ向かった。
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