六祖壇経と禅の隆盛とは? わかりやすく解説

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六祖壇経と禅の隆盛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 22:44 UTC 版)

「禅」の記事における「六祖壇経と禅の隆盛」の解説

六祖大師法宝壇経六祖壇経)』は、神会六祖慧能掲げて説いた新し坐禅禅定の定義とされる。これを元に後の中国禅宗確立発展した。 師衆に示して云く、「善知識よ、何を名づけ坐禅とするや。此の法門中は、無障無礙なり。外に一切善悪境界に於て心念が起こらざるを名づけて坐と為し、内に自性見て動ぜざるを名づけて禅と為す善知識よ、何を名づけ禅定とするや。外に相を離るるを禅と為し、内に乱れざるを定と為す。外に若し相著れれば、内に心即ち乱れ、外に若し相を離れれば、心即ち乱れず本性自浄・自定なり。只だ境を見、境を思えば即ち乱るると為す若し諸境を見て心乱れざれば、是れ真の定なり。善知識よ、外に相を離るる即ち禅、内に乱れざる即ち定なり。外に禅、内に定なり。是れ禅定為す菩薩戒経に云く『我れ本元自性清浄なり』善知識よ、念ずるとき念中に、自ら本性清浄なるを見、自ら修し、自ら行じ、自ら成ずるが仏道なり。 — 『六祖壇経坐禅第五 さらに『景徳傳燈録』に載せる慧能弟子南嶽懐譲677年 - 744年)とさらにその弟子馬祖道一709年 - 788年)の逸話によって坐禅対す禅宗姿勢が明らかとなる。 開元中に沙門道一有り伝法院住し常日坐禅す。師、是れ法器なるを知り往きて問う、曰く大徳坐禅して什麼(いんも、何)をか図る」一(道一曰く「仏と作るを図る」師乃ち一磚(かわら)を取り彼の庵前の石上に於て磨く。一曰く「師、什麼をか作す」師曰く磨きて鏡と作す」一曰く「磚を磨きて豈(あに)鏡と成るを得んや」師曰く坐禅して豈仏と成るを得んや」一曰く如何が即ち是なる」師曰く「人の駕車行かざる(とき)の如し。車を打つ即ち是か、牛を打つ即ち是か」一、対無し。師又曰く「汝、坐禅を学ぶと為すや、坐仏を学ぶと為すや。若し坐禅学べば、禅は坐臥非ず若し坐仏学べば、仏は定相非ず無住の法に於て、応に取捨すべからず。汝、若し坐仏せば、即ち是れ仏を殺す。若し坐相に執さば、其の理に達するに非ず」一、示誨(じかい、教え)を聞きて、醍醐を飲む如し。 — 『景德傳燈錄』巻第五 この部分中国禅宗要諦が尽されているが、伝統的な仏教瞑想から大きく飛躍していることがわかる。また一方に、禅宗釈迦一代教説誹謗するものだ、と非難するものがいるのも無理ないことである。しかし、これはあくまでも般若波羅蜜実践思想以前根本から追究した真摯な仏教であり、唐代から宋代にかけて禅宗興隆極めたのも事実である。 般若波羅蜜は、此岸彼岸といった二項対立的な智を超越することを意味するが、瞑想による超越ということでなく、中国禅の祖師たちは、心念起こらぬところ、即ち概念分節以前ところに帰ることを目指しのである。だからその活動の中での対話記録禅語録―は、日常ロゴス立場で読むと意味が通らないのである中国では老子開祖とする道教との交流多かった思われ老子教え中国禅の共通点は多い。知識中心としたそれまで中国の仏教に対して知識瞑想による漸悟でなく、頓悟目標とした仏教として禅は中国大きな発展見たまた、禅宗では悟り伝達である「伝灯」が重んじられ師匠から弟子へと法が嗣がれて行った。 やがて、北宋代になると、法眼文益が提唱した五家観念一般化し五家五宗)が成立した。さらに、臨済宗中から、黄龍派楊岐派勢力伸長し五家肩を並べるまでになり、この二派を含めて五家七宗ごけしちしゅう)という概念生まれた。 さらに禅は、もはや禅僧のみの占有物ではなかった。禅本来のもつ能動性により、社会との交渉積極的にはたらきかけた。よって、教団枠組み超え朱子学・陽明学といった儒教哲学や、漢詩などの文学水墨による山水画庭園造立などの美術などの、様々な文化的な事象広範な影響与えた

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「六祖壇経と禅の隆盛」を含む「禅」の記事については、「禅」の概要を参照ください。

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