公用文の書き表し方の基準_資料集とは? わかりやすく解説

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公用文の書き表し方の基準 資料集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/08 20:30 UTC 版)

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公用文の書き表し方の基準 資料集』(こうようぶんのかきあらわしかたのきじゅんしりょうしゅう)とは、日本語表記全般に関する公的な資料をとりまとめた書籍である。

概要

『公用文の書き表し方の基準 資料集』とは、日本政府の中で国語表記に関する事項全般を取り扱う部署である文化庁文化部国語課が編纂している公用文をはじめとする国語表記全般に関連する告示訓令通達のほか国語審議会の答申なども収録している書籍である。かつては大蔵省印刷局(現在の独立行政法人国立印刷局)から出版されていたが現在は第一法規出版から出版されている。

本書の表題は「公用文の書き表し方の基準」となっているが、その収録内容は公用文に関するものに限らず広く国語表記全般を対象にしたものであり、戸籍法及び同法施行規則(法務省令)といった国語政策には関連するものの公用文の表記に直接関連するとは言い難い人名漢字に関する法令なども収録している。

出版の経緯

昭和20年代から昭和40年代にかけて文部省から「国語の改善と国語教育の進行に関する施策を普及徹底する」ことを目的として[1]『国語シリーズ』のいう名称のシリーズものが刊行されており、その中の「基礎資料を収集すること」を目的としていた資料編の最初の1冊として1954年(昭和29年)に公用文をはじめとする国語政策の関する資料を収録した『公用文の書き方 資料集』が刊行されていた。この書籍は収録されていた資料の改訂に伴って1964年(昭和39年)まで何度か改訂版が出版されていた。本書は1974年(昭和49年)に「当用漢字音訓表」および「送り仮名の付け方」の改訂版の制定を受けてこの『国語シリーズ』の『公用文の書き方 資料集』を全面改訂する形で出版されたものである。

収録内容

※は最新版には収録されていないものである。矢印はそれぞれ改訂されたため入れ替えられたものを示す。

内閣告示・内閣訓令

  • 内閣告示
    • 外来語の表記(平成3年6月28日内閣告示第2号)
    • 現代仮名遣い(昭和61年7月1日内閣告示第1号・平成22年11月30日一部改正)
      ←現代かなづかい(昭和21年11月16日内閣告示第33号) ※
    • 常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示第2号)
      ←常用漢字表(昭和56年10月1日内閣告示第1号) ※
      当用漢字(昭和21年11月16日内閣告示第32号) ※
      ←当用漢字字体表(昭和24年4月28日内閣告示第1号) ※
      ←当用漢字音訓表(昭和48年6月16日内閣告示第1号) ※
    • 送り仮名の付け方(昭和48年6月18日内閣告示第2号・平成22年11月30日一部改正)
    • ローマ字のつづり方(昭和29年12月9日内閣告示第1号)
  • 内閣訓令
    • 「外来語の表記」の実施について(平成3年6月28日内閣訓令第1号)
    • 「現代仮名遣い」の実施について(昭和61年7月1日内閣訓令第1号)
      ←「現代かなづかい」の実施について(昭和21年11月16日内閣訓令第8号) ※
    • 「常用漢字表」の実施について(昭和56年10月1日内閣訓令第1号) ※
      ←「当用漢字」の実施について(昭和21年11月16日内閣訓令第7号) ※
      ←「当用漢字字体表」の実施について(昭和24年4月28日内閣訓令第1号) ※
      ←「当用漢字音訓表」の実施について(昭和48年6月16日内閣訓令第1号) ※
    • 「送り仮名の付け方」の実施について(昭和48年6月18日内閣訓令第2号)
    • 「ローマ字のつづり方」の実施について(昭和29年12月9日内閣訓令第1号)
    • 「外来語の表記」前文(平成3年2月7日国語審議会答申)
    • 「改定現代仮名遣い」前文(昭和61年3月6日国語審議会答申)
    • 「常用漢字表」前文(平成22年6月7日文化審議会答申)
      ←「常用漢字表」前文(昭和56年3月23日国語審議会答申) ※
      ←当用漢字表審議報告(いわゆる補正資料)について(昭和29.3.15全文) ※
      ←国語審議会答申「当用漢字改定音訓表」(昭和47.6.28前文) ※
    • 「改定送り仮名のつけ方」前文(昭和47年6月28日国語審議会答申)
  • 参考

公用文に関する諸通知

  • 公用文における漢字使用等について(平成22年11月30日内閣訓令第1号)
    ←公用文における漢字使用等について(昭和56年10月1日事務次官等会議申し合わせ) ※
    ←公用文における漢字使用等について(通知)(昭和56年10月1日内閣閣第138号) ※
    ←公用文における当用漢字の音訓使用及び送り仮名の付け方(昭和48.6.18事務次官等会議申し合わせ) ※
  • 公用文における漢字使用等についての具体的な取扱い方針(昭和56年10月1日内閣閣第150号、庁文国第19号)
    ←「公用文における当用漢字の音訓使用及び送り仮名の付け方について」の具体的な取り扱い方針について(昭和48.10.9内閣閣第191号・庁文国第25号通知) ※
  • 公用文作成の要領(公用文改善の趣旨徹底について)(昭和27年4月4日内閣閣甲第16号内閣官房長官依命通知)

参考

  • 外国語外来語の取扱い及び姓名のローマ字表記について(平成12年12月26日庁文国第44号)

法令に関する諸通知

  • 法令における漢字使用等について(平成22年11月30日内閣法制局総総第208号)
    ←法令における漢字使用等について(通知)(昭和56年10月1日内閣法制局総発第141号) ※
    ←法令における当用漢字の音訓使用及び送り仮名の付け方について(昭和48.10.3内閣法制局総発第105号) ※
  • 法令用語改善の実施要領(昭和29年11月25日法制局総発第89号)
  • (参考)法令における拗音及び促音に用いる「や・ゆ・よ・つ」の表記について(通知)(昭和63年7月20日内閣法制局総発第125号)

文部省語例集

  • 文部省用字用語例(昭和56年12月)
    ←文部省用字用語例(昭和48年9月) ※
  • 文部省公用文送り仮名用例集(昭和56年12月)
    ←文部省公用文送り仮名用例集(昭和48年10月) ※

その他

  • 同音の漢字による書き換え(昭和31年7月5日国語審議会報告)
  • 異字同訓の漢字の用法(昭和47年6月28日国語審議会参考資料)
  • 異字同訓の漢字の使用例(追加字種・追加音訓関連)(平成22年6月7日文化審議会答申参考資料)
  • 戸籍法及び同法施行規則

過去の版には、次のものも収録されていた。

  • 文部省文書処理規程の関係条項抄
  • 付録:表記に関する諸資料一覧

改訂状況

本書は収録しているさまざまな資料(訓令・告示・通達など)の改訂にともなって以下のように改訂版が刊行されている。

  • 1974年昭和49年)3月 初版
    282p、500円
    「当用漢字音訓表」および「送り仮名の付け方」の改訂を受けた改訂版。
  • 1976年(昭和51年) 増補版
    284p
  • 1977年(昭和52年)10月 増補・改定版
    286p、700円
  • 1982年(昭和57年)3 第2版
    326p、980円
    前年の「常用漢字表」(昭和56年10月1日内閣告示第1号)等の制定を受けた改訂版。これ以後の発行者は第一法規出版
  • 1984年(昭和59年) 第3版 ISBN 978-4-474-07044-8
    1,260円(税込)
  • 1986年(昭和61年)9月 改訂版 ISBN 978-4-474-07075-2
    330p、1,200円
    「改訂現代仮名遣い」(昭和61年7月1日内閣告示第1号・内閣訓令第1号)の制定を受けた改訂版。
  • 1991年平成3年)10月 増補版 ISBN 978-4-474-07109-4
    350p、1,500円
    「外来語の表記」(平成3年6月28日内閣告示第2号・内閣訓令第1号)の制定を受けた改訂版。
  • 2001年(平成13年)6月 増補2版 ISBN 978-4-474-01642-2
    386p、1,600円
    「表外漢字字体表」(平成12年12月8日国語審議会答申)の制定を受けた改訂版。
  • 2011年(平成23年)8月 新訂版 ISBN 978-4-4740-2706-0
    425p、1,800円
    新常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示第2号)の制定を受けた改訂版。

この新訂版が2017年(平成29年)3月現在の最新版である。

脚注

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  1. ^ 土屋道雄「『国語シリーズ』の刊行」『国語問題論争史』玉川大学出版部、2005年1月10日、pp. 247-248。 ISBN 4-472-40315-3

外部リンク


公用文の書き表し方の基準 資料集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 22:20 UTC 版)

公用文作成の要領」の記事における「公用文の書き表し方の基準 資料集」の解説

『公用文の書き表し方の基準 資料集』 とは、国語表記全般に関連する告示訓令・通達のほか国語審議会答申なども収録している書籍であり、国の中で国語表記に関する事項取り扱う部署である文化庁文化部国語課が編纂している。文部省(現文部科学省)及び文化庁は、本通達を広く周知させるためにさまざまな出版物刊行してきており、本通達を含めた公用文関連告示訓令・通達国語審議会答申などの存在及び内容容易に知ることができるようになっている。それらの中で現在その中心となっているのが同書である。同書表題は、『公用文の書き表し方の基準 資料集』となっているが、戸籍法及び同法施行規則法務省令)といった国語政策には関連するもの公用文表記直接関連するとは言い難い人名漢字に関する法令なども収録している。 同書は、もともとは、本通制定後しばらく経過した1954年昭和29年)に(旧)文部省1950年昭和25年12月から昭和40年代にかけて「国語改善国語教育進行に関する施策普及徹底する」ことを目的として 刊行していた『国語シリーズ』の中の「基礎資料収集すること」を目的としていた資料編最初の1冊として刊行された『公用文書き方 資料集』 が起源である。その後この書籍は、公用文表記関わるさまざまな法令告示訓令・通達等の制定改正伴って内容改めながら、以下の版が刊行されてきた。 1954年昭和29年初版 1957年昭和32年改訂版 1960年昭和35年) 三訂版 1964年昭和39年) 四訂版 その後1974年昭和49年)に「改訂当用漢字音訓表」および「改訂送り仮名付け方」の制定受けて判型含めて大幅に内容改めた『公用文の書き表し方の基準 資料集』として大蔵省印刷局から刊行された。同書その後それまで同様に国語表記関連する法令告示訓令・通達等の制定改正受けて、以下の版が刊行されてきた。 1974年昭和49年初版 1976年昭和51年増補1978年昭和53年増補改定1982年昭和57年第2版前年の「常用漢字」等の制定受けたもの。これ以後発行者第一法規出版。) 1984年昭和59年第3版 1986年昭和61年改訂版(「改訂現代仮名遣い」の制定受けたもの) 1991年平成3年増補版(「外来語の表記」の制定受けたもの) 2001年平成13年増補2版(「表外漢字字体表」の制定受けたもの。) 2011年平成23年新訂版新常用漢字表の制定受けたもの。この新訂版2021年令和3年5月現在の最新版である。) なお、文部省文化庁編集として刊行され出版物本通達が収録されることは、同書以外にもいくつか例がある。例えば、ぎょうせい旧帝地方行政学会)から文化庁編集として出版されている『現行の国語表記基準』 には以下の版があり、そのいずれの版にも本通達収録されている。 1967年昭和42年初版 1974年昭和49年改訂版 1982年昭和57年)および1986年昭和61年新編 1990年平成2年新版 1996年平成8年第5次改訂版 2001年平成13年第6次改訂版(「表外漢字字体表」の制定受けたもの。この版だけ国語研究会名義

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