先行作品との関係とは? わかりやすく解説

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先行作品との関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 14:00 UTC 版)

目羅博士」の記事における「先行作品との関係」の解説

本作の、ビルの同じ部屋貸事務所)に滞在した人間が、全く同じパターン次々と謎の縊死遂げる、という展開については、類似した先行作品存在する乱歩自身は、ハンス・ハインツ・エーヴェルス(英語版)の短編蜘蛛』(„Die Spinne“, 1908)を下敷きとした作品だと述べている。ホテルの同じ部屋泊まった人間次々と謎の縊死遂げる、という基本的な筋書きや、「模倣」が事件の謎かかわってくる点など、『目羅博士』と類似点の多い作品であるが、結末異なっている。ミステリ評論家新保博久は、『新青年1928年2月増刊号掲載され翻訳参照したものと推定している。 ただし、『蜘蛛自体も、発表当初からエルクマンシャトリアン英語版)の短編見えない眼』(≪ L'œil invisible ≫. 短編集 Contes fantastiques, 1857 所収)の盗作という疑い指摘されており、さらに、『目羅博士』は『蜘蛛』よりもむしろ『見えない眼』の方に似ている、とする指摘がある。新保博久は、『見えない眼』は日本では平井呈一によるアンソロジーこわい話・気味のわるい話』(1974年)で初め紹介された作品であり、『目羅博士』と『見えない眼』の類似偶然の一致だと主張している。しかし、翻訳家小林晋は、『見えない眼』には早くから英訳があり、さらに日本語訳も『目羅博士』より前の1926年出されていることを指摘し、『蜘蛛』というのは乱歩勘違いで、実際に下敷きにしたのは『見えない眼』の方なではないか、としている。 なお、牧逸馬の『ロウモン街の自殺ホテル』(初出婦人公論1931年5月号・6月号、のち『世界怪奇実話』に収める)は、1906年パリのローモン通りフランス語版)のホテル実際に起こったとされる事件描いた犯罪実録ということになっているが、ホテルの同じ部屋泊まった人間次々と謎の縊死遂げる、という、本作および『蜘蛛』『見えない眼』によく似た筋書き展開される新保博久は、1906年のこの事件が、1908年発表の『蜘蛛』の元ネタになった可能性指摘している。いっぽう古典SF研究家會津信吾は、「ロウモン街の自殺ホテル」は Harry Ashton-Wolfe, Warped in the Making: crimes of love and hate, 1927 (OCLC 892921) を粉本としているが、事件真犯人とされる人物についてはこの著作以外に記録がなく、事件そのもの実話装った創作疑いがあることを指摘している。

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先行作品との関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 03:28 UTC 版)

トロイア戦記」の記事における「先行作品との関係」の解説

トロイア戦記ホメロス強く似せられており、長い間ホメロスに劣ると考えられてきたが、現在では、ホメロス叙事詩との関係において、どのようにクイントゥス独創的創造的であったかが理解されている。 イーリアスは、 トロイアの民は九日わたって集め、町の外へ集めた十日目の朝、豪勇ヘクトール遺体運び出されの上載せられ、火がつけられる次の日の朝、火葬の場にはトロイアの民が続々集まりきらめく葡萄酒をかけて火を消した兄弟戦友たちが遺骨拾い紫の布に包んで黄金の壺納める。そして穴に納めるその上に大石並べ手早く塚を盛り上げると、その周囲には警護の兵を配置した。そして、プリアモスの館の内で、盛大な供儀の宴が行われた。馬を馴らすヘクトール葬儀は、かくのごとく営まれた。 —ヘクトール遺体引取り第二十四歌) で終わる。クイントゥス歌い出しのような導入部なしに、その直後につなげる形で、 神々にも等しきヘクトールペーレウス息子討たれた。火葬尽き、その骨は大地の下に納められた。 —ペンテシレイア第1巻) と物語始めている。 物語目的は、イーリアス完結させ、登場人物たちにそれぞれ結末与えることのようである。先行作品では味方との不和抱えていた多く人物、たとえばソポクレースの悲劇の材になるほど強い敵意オデュッセウスに対して抱いていたピロクテーテースは、かなり手早くそれを克服して協力している。 ルーマニア古典文学研究者のEugen Cizekは「クイントゥスがこの作品によって、ホメロス補って古代世界英雄絵巻完成させたことで、読者伝説トロイア戦争をはっきりと理解する助けとなっている」と評している。

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