伝染病研究所・佐々学とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 伝染病研究所・佐々学の意味・解説 

伝染病研究所・佐々学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:37 UTC 版)

八丈小島のマレー糸状虫症」の記事における「伝染病研究所・佐々学」の解説

東京大学伝染病研究所(以下、伝研記述する)の佐々学(さっさ まなぶ)は同僚加納六郎誘い1948年昭和23年7月八丈小島バク調査するために八丈小島訪れた佐々学1916年 - 2006年)は1916年大正5年)に東京神田生まれ東京帝国大学医学部1940年昭和15年)に卒業し伝研入所する直後同年5月大日本帝国海軍軍医士官となり、駆逐艦東雲」乗組の軍医として日本中国大陸の間を何度も往復したり、掃海母船栄興丸」乗組の軍医としてソロモン諸島など南洋島々巡り船内乗員虫垂炎手術を行うなどした。その後大日本帝国占領していたペナン島(現マレーシアジョージタウン)に滞在し午前中外科診療従事し午後島内病院保健所出向いて熱帯医学 Tropical medicine学んだ大日本帝国占領する前のペナン島は、イギリス東インド会社極東進出に始まるイギリスの植民地支配拠点であったため、イギリス医師研究者たちによる熱帯医学基礎研究進んでいた。それを受け継ぐペナン島現地医師たちは、熱帯医学への知見において、当時日本医師たちを大きく上回っていたという。佐々それまで教科書でしか知らなかった数々熱帯病症例目の当たりにし、特にマラリアフィラリアなどの媒介とする熱帯性感染症研究没頭していった。 それらの研究通じ佐々Species Control(スピーシズ・コントロール)対種駆除という考え方初め接した。たとえばマラリア媒介するのはであるのだから、予防のためには片端から駆除すればよいという大雑把なものではなくマラリア媒介するの種を特定し人間マラリア媒介するだけを駆除すればよいという考え方である。この考え方マラリアに対してだけでなく、フィラリア黄熱病デング熱日本脳炎といった媒介とする熱帯性感染症の予防対策基礎となる重要な考え方であった佐々マレー人医師研究者からその区別方法伝授される同時に当時敵国であったイギリスの医療知識技術感嘆し日本にはない熱帯医学に関する各種論文医学書読み漁り、その理念技術日本語翻訳しペナン島でのマラリア対策克明に記録したものとともに東京築地にある海軍軍医学校逐次送付し続けた佐々海軍軍医学校から呼び戻されマラリアの予防法を若い軍医教え傍ら、さらに研究進めマラリア媒介種類判別するための図鑑大東亜共栄圏アノフェレス鑑別図鑑』を作成した。この図鑑全軍配布され佐々日本における熱帯病研究者としての地位確立していく。その後佐々海軍陸戦隊軍医として南シナ海に浮かぶ海南島終戦迎え内地復員した。籍のあった伝研戻った佐々は、GHQ要請受けて日本脳炎研究のために来日した医学者アルバート・サビン助手をすることになった東京都岡山県複数採取してさまざまな角度研究を行う佐々気に入ったサビンは、日本での研究成果アメリカ医学雑誌発表する際に、自らの名前だけでなく佐々の名前を加えた佐々復員後2年経たずに東京大学医学部助教授になった。さらに、共同研究者集まり始めた1948年昭和23年)、ロックフェラー財団募集した公衆衛生学戦後初となる日本人留学生2名の1人佐々選ばれ1年間アメリカ留学決まっていた。しかし、具体的な出発日取りは2か月以上も決まらないでいた。そのころの同年6月下旬伝研訪れた東京都職員から「八丈小島にはバクという風土病があり、何年発熱散発的に続いて足が太くなる」という話を佐々聞くバクという病名八丈小島という島名初め聞く名前であったが、「足が太くなる」という症状から佐々即座にフィラリア疑った。早速さまざまな資料文献調べてみたが、このときは「バク」が何なのか分からなかったという。俄然興味湧いた佐々日取り決まらないアメリカ留学控えていたものの、急遽八丈小島行き決めた

※この「伝染病研究所・佐々学」の解説は、「八丈小島のマレー糸状虫症」の解説の一部です。
「伝染病研究所・佐々学」を含む「八丈小島のマレー糸状虫症」の記事については、「八丈小島のマレー糸状虫症」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「伝染病研究所・佐々学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「伝染病研究所・佐々学」の関連用語

伝染病研究所・佐々学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



伝染病研究所・佐々学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの八丈小島のマレー糸状虫症 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS