伝染病感染による殺処分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 06:43 UTC 版)
2011年3月17日、宮崎市の日本中央競馬会宮崎育成牧場で、乗用馬1頭が、ウイルス性の家畜伝染病である馬伝染性貧血(伝貧)に感染していることが判明し、殺処分された。馬伝染性貧血の発症例は、日本国内では1993年以来18年ぶりであり、この個体が都井岬生まれであったことから、都井岬の御崎馬の疫学検査が開始された。 4月11日、宮崎県は、前年10月に59頭から採取してあった血清を使った抗体検査によって、都井岬の御崎馬のうち、先に殺処分された馬の母馬を含む5頭から、馬伝染性貧血の陽性反応が出たと発表。さらに5月中旬、約100頭の御崎馬(台帳に記載のあるものは114頭)のうち、馬追いで柵内に収容できた96頭について血液検査が行われ、20日、既に感染が判明していた馬を含めて計12頭の感染が判明したと発表された(全て発症を伴わない不顕性感染)。7月にも2度目の馬追いが行われた。 御崎馬は野生馬とされることから、家畜伝染病予防法による殺処分の対象外であり、県は当初「馬伝染性貧血は親子関係で感染することが多く、虫などが媒介し感染が広がる危険は少ない」として、現地で感染馬を隔離、健康状態を観察する方針をとった。しかし、農林水産省は「隔離してもほかに感染する可能性はある」としており、事実、感染馬のうち母馬の反応が陰性であったものが3例確認されたことから、母子感染以外の可能性が浮き彫りとなった。結果、県は国と協議のうえ、「吸血性昆虫の媒介による感染の可能性があり、隔離しても他の馬に感染が拡大する恐れがある」として、7月22日、12頭を薬殺処分した。 時事通信の報道によれば、この処分により、御崎馬の数は計85頭となった。
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