伝橘夫人念持仏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:24 UTC 版)
銅造阿弥陀如来及両脇寺像(伝橘夫人念持仏)3躯 木造厨子1基 一具 国宝。飛鳥時代後期(白鳳期)。大宝蔵院に安置。厨子と、内部に安置される阿弥陀三尊像を合せて1件の国宝に指定されている(「彫刻」部門での指定)。通称は橘夫人厨子(たちばなぶにんずし)。昭和戦前期までは金堂内陣に西向きに安置されていた。天平19年(747年)の『資材帳』に「宮殿像弐具」とあり(宮殿(くうでん)は厨子の意)、その下に割注で「壱具金泥押出千仏像 壱具金泥銅像」とあるが、このうち前者が国宝の玉虫厨子にあたり、後者の「壱具金泥銅像」が橘夫人厨子を指すと考えられている。橘夫人とは光明皇后の生母・県犬養宿禰三千代(あがたのいぬかいのすくねみちよ)のことで、厨子内の阿弥陀三尊像は同夫人の念持仏と伝える。この厨子を橘夫人所縁とする伝承は、すでに鎌倉時代の『聖徳太子伝私記』にみられる。また厨子自体の須弥座下框(したがまち)に「光明后母公阿弥陀座」の墨書がある。
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