二つのインターナショナルとは? わかりやすく解説

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二つのインターナショナル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:34 UTC 版)

第一インターナショナル」の記事における「二つのインターナショナル」の解説

その後最初国際的政治団体にして労働者組織であるIWAアナーキストによる執拗な解散運動直面するバクーニン派は、中央評議会の「政治活動へ積極参加条項猛反発して独自見解提唱し分裂運動画策したため、ハーグ大会で除名処分受けたが、彼らは当然処分承服したりはしなかった。そこで、彼らはIWA本部ニューヨーク移転機に中央決定による組織運営否認し連絡統計に基づく自由な連合体作ろう試み、独自のインターナショナル組織作り始める。1872年9月15日バクーニン派は15名ほどの代表者IWAの名を流用してスイスのサン・ティミエ(英語版)で大会開催した。そして「社会民主同盟」から継承した連合」の原理政治活動拒絶新組織の綱領として掲げて新組織を樹立する。ここではこのとき発足したバクーニン派の新組織をアナーキスト・インターナショナル(英語版)と呼称する。この新組織は加盟団体募ったが、参加表明した連合ベルギーオランダイギリス一部支部に留まった。大半地方支部は元のIWA残留表明した無政府主義社会主義双子兄弟と言えるアナーキズムは、革命自然発生性を強調し組織中央統制反対し、集団よりも個人の自由価値として、暴力革命による急激な社会変革求め緩やかな連合」による社会統合目指していた。その理想像マルクス目指し共産主義社会何一つ変わるところはない。 しかし、理想共有していたもの無政府主義社会主義には方法論において決定的な違いがあった。マルクス社会主義階級闘争が長引くこと、革命機会容易に訪れないという現実感覚、大衆支持背景権力革命あるいは選挙政権掌握してプロレタリアート独裁確立すること、議席得て社会立法進め階級格差是正し工業および農業、そして商業均衡発展の道を模索するという国家ヴィジョンがあった。こうした段階追って共産主義理念実現させるという現実的な立場とっていた。 バクーニンらの無政府主義反権力思想自己完結型の共同体思想がもつ魅力によって、南欧下層労働者ロシア南米貧農層を取り込んでいった。19世紀当時重税貧困疫病言論統制官憲取り締まり医療・福祉・教育欠如といった苦痛圧政が是とされた反動的な専制国家時代であったとりわけ工業化遅れた諸地域では無政府主義とその暴力的方法論受け入れられていった例外的に農業国でもあり個人重んじ自由を尊重するアメリカフランスで支持集めた一方先発工業国ドイツ、これに遅れてフランスが、そして、大不況期を経験したイギリスなど労働運動歴史的中核国ではマルクス主義影響力次第強まっていった。「アナーキスト・インターナショナル」は数度年次大会開催しスペイン革命イタリアで多く暴動画策したが失敗に終わる。また、バクーニン世を去ってその後発展糸口反乱工作機会失ってしまう。19世紀末イギリスフランスドイツアメリカをはじめ各国社会立法に力を注いで圧政捨てていくにつれて無政府主義はしだい個人革命家テロリズム世界へ追いやられて衰退していく。現実路線即して内部統制が強い組織を持った社会主義党を作り上げ国家権力掌握力を注ぐ道を選んだことにより、マルクス主義時代選別に耐えて生き残ったのである

※この「二つのインターナショナル」の解説は、「第一インターナショナル」の解説の一部です。
「二つのインターナショナル」を含む「第一インターナショナル」の記事については、「第一インターナショナル」の概要を参照ください。

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