ユークトバニア軍の攻勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 03:05 UTC 版)
「環太平洋戦争」の記事における「ユークトバニア軍の攻勢」の解説
9月27日12時00分頃の宣戦布告と同時にユークトバニア軍はセント・ヒューレット軍港に攻撃を仕掛け、停泊中のオーシア海軍第3艦隊と港湾施設に攻撃を加えた。港に停泊中の空母ケストレルからは艦載機が発艦し、サンド島空軍基地からもウォードッグ隊が急行した。ユークトバニア軍機は各所に攻撃を加え、湾全体は混乱状態に陥った。奇襲を受けたオーシア軍は大混乱に陥ったものの、戦闘機部隊の活躍でユークトバニア軍の航空攻撃を退けることに成功し、空母ケストレルを含む艦艇は湾外へ脱出した。湾外ではユークトバニア軍艦隊が封鎖線を構築していたが、オーシア軍艦隊は中央から突撃し封鎖線の強行突破を試みた。オーシア軍艦隊は封鎖線の突破に成功し、ケストレルは他空母のバルチャーとバザードとの合流を目指しベニオン海に向けて航行した。 同日19時30分頃、サンド島上空でユークトバニア軍とオーシア軍の間で空戦が発生した。ユークトバニア軍は爆撃機部隊によってサンド島空軍基地を空爆し、屋外駐機されていた機体の多くが炎上した。爆撃機部隊の第一波が過ぎ去った隙を突いて、直ちにウォードッグ隊がスクランブルに上がった。離陸したウォードッグ隊の迎撃によって爆撃機部隊は撃墜され、基地機能の完全な喪失は阻止された。 9月30日、ユークトバニア軍の攻撃を逃れた第3艦隊はオーシアの内海に当たるベニオン海で部隊を再編成すべく、イーグリン海峡で空母ケストレル、バザード、バルチャーが一堂に会した。オーシア軍は3隻の空母の合流および護衛を、ホエールバード作戦と命名していた。多数の戦闘機部隊が護衛についていたが、イーグリン海峡は既にオーシアの中庭と言っても良い地理であり、敵の航空攻撃可能圏外と考えられていた。イーグリン海峡に達した時点でオーシア軍は警戒を緩めつつあり、帰投を許可される護衛機も出始めていた。この状況下でユークトバニア軍は航空部隊によって奇襲を敢行し、ハリアー攻撃機やF-35C戦闘機によって対艦攻撃を開始した。直ちに護衛任務中のオーシア軍機が迎撃に当たり、空母からも戦闘機部隊が発艦した。オーシア軍の間で一時的に混乱が走ったが、戦闘機部隊の迎撃によりユークトバニア軍機は全機が撃墜された。これを受けて、ユークトバニア軍の潜水空母シンファクシは弾道ミサイルを発射し、オーシア軍の艦隊上空で炸裂させた。使用された弾道ミサイルは散弾ミサイルと呼ばれるもので、空中で炸裂し高度約5000フィート(約1500m)以下にいる標的に対して絶大な破壊力を持つ兵器である。2回に渡って炸裂した複数の散弾ミサイルはバザードとバルチャーを含む艦船を撃沈し、高度約5000フィート以下にいた航空機を巻き込み撃墜に至らしめた。空母の中でケストレルだけは被弾を免れたものの、2隻の空母含む艦船を失った第3艦隊の被害は甚大であった。 オーシア軍は水中聴音情報から弾道ミサイルは潜水空母シンファクシから発射されたものと断定した。オーシア軍はシンファクシを最大の脅威と判断し、アークバードの実戦投入を決定した。アークバードは宇宙清掃プラットフォームになっており、冷戦期の設計時点では機体下部に装備するはずだった弾道ミサイル迎撃用レーザー砲はオーシアとユークトバニアの協議により取り外されており、そのままではシンファクシへの対抗手段にならなかった。そのためオーシア軍はバセット国際宇宙基地のマスドライバーで単段式宇宙輸送機(SSTO)を打ち上げてレーザーモジュールを送り、アークバードへの連結を試みようとした。一方でユークトバニア軍はかつてオーシア軍が開発していたものの、ベルカ戦争後に放棄されていた戦略衛星軌道砲(SOLG)の完成を脅威と見なしており、マスドライバー基地を占領するためバセット国際宇宙基地への攻撃を決定した。 10月3日、ユークトバニア軍はバセット国際宇宙基地を制圧するため、空挺戦車を搭載した複数のC-130輸送機と戦闘機部隊を展開させた。オーシア軍はこれを迎撃することを目的としたシルバーブリッジ作戦を開始し、マクネアリ空軍基地からウォードッグ隊が出撃した。降下に成功した空挺戦車は基地の各所にあるトーチカの突破を試みた。基地の防衛能力は脆弱で、わずかな地上軍と基地職員が反撃した。ウォードッグ隊の航空支援もあって空挺戦車はすべて破壊された。ユークトバニア軍は制圧を諦めて基地の破壊へと作戦を変更し、複数のB-2爆撃機が巡航ミサイルでマスドライバーの破壊を試みた。マスドライバーが攻撃に晒される中、基地の飛行実施責任者を務めるアダム・ギッテルマンはSSTOの打ち上げ決行を宣言した。打ち上げ準備が為される中、巡航ミサイルは戦闘機部隊によって迎撃され、ユークトバニア軍はマスドライバーの破壊に失敗した。SSTOは打ち上げられ、アークバードとの連結に成功した。アークバードはレーザー砲の装着によって弾道ミサイル迎撃能力が付与され、両軍の戦力差は拮抗することとなった。 10月4日、ユークトバニア軍は強襲揚陸艦を含む艦隊と航空部隊をサンド島に送り、島の制圧を試みた。オーシア軍は基地制圧の阻止を目的としたヴァンガード作戦を開始した。基地司令官のオーソン・ペロー大佐はサンド島所属部隊に全力出動を命じ、ウォードッグ隊に加えて練習生を含む戦闘機部隊を出撃させ、対艦攻撃に当たらせた。島の水際では敵の上陸集団を迎え撃つべく準備が進められた。 ユークトバニア軍艦隊に対して、オーシア軍の戦闘機部隊は対艦攻撃を試み、ユークトバニア軍の艦艇を多数撃沈した。一方で突破した揚陸部隊はサンド島への上陸を試み、サンド島守備隊との間で戦闘が展開された。また、ユークトバニア軍艦隊はサンド島に向けて艦砲射撃し、上陸部隊を支援した。 戦闘の最中、オーシア軍の戦闘機部隊に向けてシンファクシが弾道ミサイルを発射した。オーシア軍のAWACSが捉えた弾道ミサイルの第一射はアークバードにデータリンクされレーザーによって空中で破壊された。第一射の発射音でオーシア軍の対潜哨戒機もシンファクシの位置を概ね特定した。また、散弾ミサイルの恐れがなくなった戦闘機部隊は引き続き対艦攻撃に従事した。続いてシンファクシは第二射を発射したが、これもレーザーで破壊された。シンファクシはこれを受けてミサイルの飽和攻撃で対抗した。アークバードの迎撃により一部ミサイルは迎撃されたが、飽和攻撃を阻止しきれず一部の弾頭が炸裂し、オーシア軍の戦闘機部隊を襲った。AWACSの事前警告によりウォードッグ隊は高度5000フィート以上に上昇し回避に成功したが、練習生たちは追随できず大半が撃墜された。また、サンド島の沿岸部で激戦が繰り広げられていたため、対艦攻撃の手を緩めるわけにはいかず、ウォードッグ隊は散弾ミサイルが着弾する合間を縫って対艦攻撃を続けた。 一方でアークバードの乗員は抜本的な戦局打開を講じていた。アークバードは対潜哨戒機のソノブイデータを元に、海中にいるシンファクシに向けてレーザーを発射した。シンファクシは水中にいたにも関わらず、レーザー攻撃によってメインタンクを損傷し、潜航不能となり浮上を強いられた。直ちにシンファクシは艦載機を発艦させ、対空火器を展開しオーシア軍機に応戦した。また、散弾ミサイルを自艦周辺に発射しオーシア軍機を追い払おうとしたが、ウォードッグ隊はこれらの攻撃をかいくぐりシンファクシに攻撃を加えた。アークバードは再度シンファクシに向けてレーザーを発射し、艦載機発進口を破壊した。さらにウォードッグ隊の追撃を受けてシンファクシは轟沈した。シンファクシを失ったことでユークトバニア軍の揚陸部隊は撤退を開始した。
※この「ユークトバニア軍の攻勢」の解説は、「環太平洋戦争」の解説の一部です。
「ユークトバニア軍の攻勢」を含む「環太平洋戦争」の記事については、「環太平洋戦争」の概要を参照ください。
- ユークトバニア軍の攻勢のページへのリンク