モロトフ外交とは? わかりやすく解説

モロトフ外交

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 02:25 UTC 版)

ヴャチェスラフ・モロトフ」の記事における「モロトフ外交」の解説

独ソ不可侵条約調印するモロトフ後列中央ヨアヒム・フォン・リッベントロップスターリン) 訪独してリッベントロップドイツ首脳会談するモロトフ1940年11月日ソ中立条約調印立ち会うモロトフ調印しているのは松岡洋右、そのすぐ後ろスターリンスターリンの左後にモロトフ1939年5月ナチス・ドイツとの融和為にアドルフ・ヒトラー歓心を買おう企図したスターリンによって、ユダヤ人であった外務人民委員外相)のマクシム・リトヴィノフ解任された。モロトフ外務人民委員兼務し以降10年渡ってソビエト連邦における外交の長として活動することになる。一方でユダヤ人であった妻のポリーナ交通人民委員解任されている。8月には独ソ不可侵条約モロトフ=リッベントロップ協定)を締結し世界中驚愕させ、これに基づいた9月ポーランド侵攻第二次世界大戦口火を切った。この協定にはポーランドの分割バルト三国ソ連による併合取り決めた秘密議定書付属しており、モロトフはこれにもサインしている。また、ポーランド侵攻後起きたポーランド軍将校虐殺カティンの森事件)には政治局一員として賛成している。 1939年11月30日カレリア領有権めぐってフィンランドとの冬戦争勃発したスターリンモロトフ開戦積極的であり、オットー・クーシネン首班とするフィンランド民主共和国樹立目論んでいた。12月11日国際連盟フィンランドからの撤兵求め最後通告を送ると、翌日モロトフ拒否12月14日国際連盟総会ソ連除名決定された。 ソ連空軍侵攻初日からヘルシンキを含むフィンランド各地市街地空爆したフィンランド政府がこれに抗議すると、モロトフは「ソ連機は(民間人攻撃しているのではなく)空からパン投下しているのだ」と発言した以後フィンランド人はこれを皮肉って、焼夷弾のことを「モロトフパン籠」と呼ぶようになった。さらにフィンランド軍は、対戦車兵器として用いた火炎瓶に「モロトフ・カクテル」とあだ名をつけ、「パン」への「返礼」とした。冬戦争ではモスクワ講和条約によってフィンランド領土割譲要求呑ませることに成功し勝利したが、小国フィンランド相手多大な損害出し苦戦したソ連威信大いに傷つき、国際連盟からも追放された。 1940年11月ベルリン訪問したモロトフは、ヒトラー及びリッベントロップ外相らと会談し融和方針確認した11月13日イギリス空軍による爆撃があった為防空壕避難して会談続けたが、リッベントロップが「イギリス敗北必至と言ったところ、モロトフは「いま上空飛んで爆弾落としているのはどこの飛行機か」と応酬したリッベントロップはやや面食らったがすぐに冷静さ取り戻し日独伊三国同盟ソ連加えて四国同盟にする計画説明し始めたという。この提案スターリン含めて同意したが、ドイツ最終的な返答バルバロッサ作戦であった1941年5月スターリン首相職譲り、自らは外相専任となりソ連外交指揮した日本松岡洋右外相日ソ中立条約調印する6月22日ドイツ軍侵攻し独ソ戦勃発したアナスタス・ミコヤン回想によると、6月30日ラヴレンチー・ベリヤ提案KGB組織されることが決定したミコヤン議長としてスターリンの名を挙げると、モロトフは「スターリンはここ2日ほど脱力状態にある」と説明したという。また、ベリヤ回想ではスターリン不在時に国家防衛委員会の設立提案したのはモロトフであるとしている。この時期スターリン独ソ戦勃発動揺したため指導力弱まりニコライ・ヴォズネセンスキーモロトフ権力掌握薦めたという。ミコヤンによるとスターリン別荘訪れたモロトフは「逮捕される表情」を示したという。 7月になるとスターリン現場復帰しソビエト連邦軍最高総司令官ロシア語版)および国家防衛委員会議となったモロトフ国家防衛委員副議長としてスターリン補佐した海外ではスターリン忠実な部下として知られており、「モール」(ボス情婦)のあだ名呼ばれた戦時中から戦後にかけてアメリカ・イギリス相手したたかな外交交渉展開しスターリンと共にソ連国益十二分に実現し冷戦期共産圏基礎作った

※この「モロトフ外交」の解説は、「ヴャチェスラフ・モロトフ」の解説の一部です。
「モロトフ外交」を含む「ヴャチェスラフ・モロトフ」の記事については、「ヴャチェスラフ・モロトフ」の概要を参照ください。

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