メゾネットタイプ
「メゾネットタイプ」とは・「メゾネットタイプ」の意味
「メゾネットタイプ」は、マンションやアパートなど、集合住宅に見られる間取りの種類の一つであり、一つの住戸が二層以上になっているものを指す。住戸内に専用の階段があり、空間を立体的に使用できるのが特徴だ。例えば10階建ての集合住宅の場合、1階と2階、3階と4階、そして5階と6階といったように、二層ずつセットになっていくケースが多い。中には、三層構造になっているものもある。メゾネットタイプは、集合住宅でありながら、まるで戸建てのような暮らし方ができるという特徴を持っている。なお、「メゾネット」はフランス語で「maisonnette」と表記し、「小さな家」という意味も持つ。日本ではイギリス英語での用法にならい、「複層住戸」という意味合いで使われている。一般的なマンションはワンフロアで構成されているが、これは「フラットタイプ」と呼ばれている。メゾネットタイプは、これに対する言葉として誕生したのだ。
メゾネットタイプのメリットとしては、フラットタイプに比べて、足音やドアの開閉音などによる騒音トラブルを招きにくいことが挙げられる。隣の住戸には別の世帯がいるものの、複層構造になっているため、上階で発生した騒音によって、下の世帯に迷惑をかけるリスクが少ないからだ。また、プライベート空間を確保しやすいことも、メリットの一つとして挙げられる。1階がLDK、2階は寝室や子供部屋などといった具合にレイアウトすれば、来客時にプライベート空間を除かれる心配も少なくなるのだ。そして、三つ目のメリットは、風通しや日当たりの良さである。物件によっても異なるが、両方のフロアにバルコニーを設けている間取りも多く、通風や採光の面で効率が良いと言われている。吹き抜けがある場合は、上階から差し込んだ光が下の階まで届き、明るく開放感のある空間になりやすいのだ。
デメリットは、階段があり、上下移動が伴うことである。例えば、バルコニーが上の階のみで、水まわりが下の階に設けられている場合は、洗濯物を抱えて毎回階段の上り下りをしなくてはいけない。そのため、家事動線や生活動線の長さに関しては、事前に確認しておく方が望ましいと言える。バリアフリー面の低さにも注意したい。特に、小さな子供や高齢者がいる場合は、安全性に問題がないか、生活が不便にならないかという観点で検討することも必要だろう。ただし、この階段は体を適度に動かすためのツールとして捉えることもできる。健康維持の観点からみれば、単なるデメリットとしてだけでなく、メリットとしても考えられるのだ。その他には、階段の幅によっては大きな家具や家電の搬入が難しい場合もあるため、事前に寸法や搬入経路をチェックしておく必要がある。
また、集合住宅だけでなく、ホテルや旅館などの宿泊施設においても、メゾネットタイプの客室を扱っているところがある。広々としており、贅沢な気分を味わえるとして人気を集めているのだ。専用の庭やテラスでバーベキューをできるようにしたところや、ペットと一緒に過ごせるところなど、様々な趣向を凝らした施設も少なくない。これらは、メゾネットの構造を活かし、リビングと寝室を分離しているパターンが多くなっている。そのため、プライバシーを保ちやすいのが特徴だ。家族やカップルはもちろん、家族同士、友だち同士など、大人数で利用したい時にもおすすめの宿泊施設として、注目を集めている。
「メゾネットタイプ」の熟語・言い回し
メゾネットタイプを用いたフレーズとしては、次のものが挙げられる。「メゾネットタイプ賃貸」とは
「メゾネットタイプ賃貸」とは、間取りがメゾネットタイプになっている賃貸物件のことを指す。アパートやマンションなどの集合住宅だけでなく、高層マンションの上層階や一階部分に設けられているケースもある。騒音面で大きなメリットがあるため、特に、子供を持つ家族からの需要が高い。そして、フロアによって、プライベートな空間と大人数で過ごす空間とに分けられるため、ルームシェアをしたい人や、ホームパーティなどで来客を招くことが多い人からも人気を集めている。さらに、メゾネットの間取りは、フリーランスやテレワークなど、自宅で仕事をする人にも適している。フロアによって、生活スペースと仕事スペースを分ければ、メリハリをつけて働くことができるのだ。その他には、トレンドに敏感な人や、インテリアが好きな人からも大きな注目を集めている。螺旋階段を取り入れた間取りや、吹き抜けのある間取りなど、おしゃれな物件が多いことも、メゾネットタイプ賃貸の特長として挙げられるからだ。
高い人気を誇っている一方で、物件の数自体は少なく、希少価値が高いという側面も持っている。そのため、賃貸物件でメゾネットにこだわると物件探しが難しくなることも少なくない。そして、メゾネットタイプ賃貸物件の相場は、同じ間取りを持つフラットタイプの物件と比較すると、高いという特徴も持っている。新築物件やデザイナーズ物件になると、さらに高い価格で設定されていることも多い。メゾネットタイプ賃貸では、基本的に、下の階にLDKと水まわり、上の階に居室を配置している物件が多いものの、間取りや広さは物件によって異なる。入居後に住みにくさやイメージとのズレを感じないよう、実際に内覧を行って見極めることも大切である。
なお、賃貸物件を探していると、テラスハウスやロフトが、メゾネットタイプとして紹介されるケースがある。しかし、これらは建築形式として全く異なるもののため注意が必要だ。テラスハウスは、二階建ての家が連なった長屋形式の住宅を指している。専用の庭やテラスを持つ場合が多い点も、特徴の一つだ。そして、マンションのように共有スペースはなく、それぞれの玄関から直接外に行くことができるようにつくられている。
また、ロフトは建築基準法によって、「小屋裏収納等」と定められているものだ。天井高さは1.4メートルまでと制限されており、窓を設けることはできない。そして、床面積も、直下のフロアの2分の1未満と制限されているのだ。居室ではなく、あくまでも収納部屋という位置づけになるため、人が過ごせる仕様にはなっていない。さらに、自治体によっては固定の階段が設けられず、取り外し可能なはしごに限られているところも少なくない。一方、メゾネットタイプでは、上の階は居室として設計されている。天井高さも210センチ以上設ける必要があり、窓などの制限もないのだ。階段も固定のタイプとなっているため、ロフトとメゾネットタイプとでは住まい方が全く異なると言える。
メゾネットタイプの賃貸物件には、ペットや楽器などに対して、条件が寛容になっているものも少なくない。これは、複層構造になっているため、音がまわりの世帯に響きにくいという特徴を持っているためだ。しかし、完全に遮音できるわけではないため、音のボリュームや時間帯の調整など、まわりに対するの配慮は欠かせない。また、物件によって防音対策の内容は異なるため、注意が必要だ。
「メゾネットタイプ賃貸」の使用例としては、以下のものが挙げられる。
・メゾネットタイプ賃貸はおしゃれなため、インテリアが好きな人からも人気がある。
・「メゾネットタイプ賃貸」と記載しているが、この間取りはロフトのため希望しているものと異なる。
・あなたのライフスタイルから考えると、メゾネットタイプ賃貸が向いているかもしれない。
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