プライマリ電話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 01:35 UTC 版)
次の条件を満たすものは、通常の市外局番 (0AB - J) の割り当てを受ける。その多くは固定電話を代替する「プライマリ電話」(「第一電話」)とされる。 IP加入者網を直接収容し、電気通信事業者自身が相互接続用交換設備を管理する。 0AB-J IP電話の通話品質に係る技術基準を順守する。 電話番号と発信場所を対応させ、利用者が変更できないような構成とする。 確実な需要に基づいた電話番号・サービスの提供計画を示す。 110番や118番、119番などへの緊急通報用電話番号に対応する(総務大臣が特に認めた場合、緊急通報対応の固定電話の併用を条件に、緊急通報に対応しないサービスを提供できる)。 2015年11月27日より、0AB-J IP電話の品質要件が変更された。 IP電話の通話品質に係る技術基準事業用電気通信設備規則に定める品質要件0AB - J050FAX35条の9 ファクシミリによる送受信が正常に行えること - 接続品質35条の10 呼損率 0.15以下国際電話発信は0.1以下、国際電話着信は0.11以下 呼出音の通知までの時間 30秒以下 総合品質35条の11 端末設備等相互間の平均遅延 150ミリ秒未満 400ミリ秒未満 R値 - 50を超える値 ネットワーク品質35条の12 平均遅延 UNI-UNI間 70ミリ秒以下UNI-NNI間 50ミリ秒以下 - 平均遅延のゆらぎ UNI-UNI間 20ミリ秒以下UNI-NNI間 10ミリ秒以下 - パケット損失率 UNI-UNI間 0.5%未満UNI-NNI間 0.25%未満 - 安定品質35条の13 総務大臣が別に告示するところに従い、音声伝送役務の安定性が確保されるよう必要な措置が講じられなければならない 「音声パケットの優先制御」及び「音声とデータの帯域分離」をアナログ電話用設備と同等の安定性確保のための具体的な措置として定めた。 ソフトバンク提案のベストエフォート網で、自社網内の品質測定用サーバと端末設備(TA)との間の通信品質を10分以下の間隔で定期的に監視し、最悪値・95%最悪値・平均値及び中央値を報告し、一定以上の品質低下を検知した際代替回線による迂回を実施する方式も認められた。 2005年、NTT東・西の「ひかり電話」およびKDDIの直収IP電話である「メタルプラス」、QTNet・「BBIQ光電話」が、対応していると謳いながらも、一部地域で未対応など完全には対応していない状況でサービス提供を開始するなどの問題があったとして、総務省から行政指導を受けた。 NTT東西の固定電話の番号をそのまま継続使用できる「番号ポータビリティ」がある。しかし、事業者の営業上の競合関係の直収電話と同様に、利用できなくなるサービス・電話番号なども一部に残る。(ただし、IP電話は停電時に不通になると言う短所もある一方、長距離の通話料が相対的に低めに設定してあると言う長所もある。) 導入のメリット・デメリットその他は直収電話の項目も参照。 また、一部のプライマリ電話のIP電話サービスにおいても、フリーダイヤルのような着信課金電話番号(提供事業者によりサービス名は異なる)の着信先回線としての設定が可能になった。 緊急通報に対応しない (0AB - J) 電話番号を複数割り当て可能な複数チャネルの企業向けのサービスとしては、2003年7月にフュージョン・コミュニケーションズが直収IP固定電話サービスを、10月にはフォーバルがFTフォンを、開始した。 個人でも加入可能な、緊急通報対応の複数チャネル・複数番号サービスは、2005年4月にJ:COM札幌のJ:COM PHONE、5月にSTNetのピカラ光でんわ、11月にNTT東・西のひかり電話、2006年9月に中部テレコミュニケーションのコミュファ光電話、2007年1月に九州通信ネットワークのBBIQ光電話、4月にケイ・オプティコムのeo光電話で開始された。これは、個人や小規模商店のISDNの完全置き換えを目的としたものである。
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