プライマリー・バランス黒字化目標に対する各種見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 23:23 UTC 版)
「基礎的財政収支」の記事における「プライマリー・バランス黒字化目標に対する各種見解」の解説
経団連は、「財政政策が過度に緊縮的にならないために、日本の異常な財政運営方法を、グローバル に行われている普通の形にする必要がある。修正すべきは、①プライマリーバランスの黒 字化目標と、②国債の 60 年償還ルールである。この二つの異常な財政運営方法が、日本の 財政政策を異常な緊縮にしてしまう原因となり、日本経済がデフレ構造不況から脱却する ことの障害になっている。」と述べている。 藤井聡は、「プライマリー・バランス黒字化目標(PB目標)こそが今の日本の衰弱と財政悪化を導く元凶となっている」と指摘している。 1997年におこなった消費増税によって、日本経済はデフレに陥り「衰退途上国」となった。 「プライマリバランス改善」が、デフレを持続させている。 「財政再建のためにPB(プライマリバランス)を黒字化せよ」と叫び、それを実行したせいで、かえって景気が冷え込んで税収が減り、財政がさらに悪化した。 竹中平蔵は「名目GDP成長率が名目金利よりも高かった場合、基礎収支が赤字でなければ、財政の破綻は回避できる」と指摘している。竹中は「通常の場合、金利よりもGDPの伸びは高くなるため、(経済成長すれば)財政健全化が進むこととなる。しかし、プライマリーバランスが赤字のままだと、財政破綻する懸念が高まる。重要なのは、金利を支払う前の財政収支をゼロ以上にし、国債残高が増えないようにすることである。金利の方が経済成長率よりも高い場合はこの通りにはいかないが、通常は金利以外に新規の国債発行をしないようにすれば、債務の負担は年々相対的に減ることとなる」と指摘している。 飯田泰之は、プライマリーバランスの赤字は、名目成長率を高めれば税収が増えてやがて黒字化に向かうが、社会保障についてはそのことと別に考えなければならないと指摘している。 岡部直明は「OECD諸国で、財政目標をプライマリー・バランスに置いている国は日本以外存在しない。国債の利払い・発行を含めた財政収支の対GDP比、長期債務残高の対GDP比が国際比較の基準となっている。財政の出口戦略としては、財政目標をプライマリー・バランスではなく、国際基準に見合った目標に変えていくべきである」と指摘している。 プライマリーバランス黒字化目標についてのインターネット上の検索結果を示す。
※この「プライマリー・バランス黒字化目標に対する各種見解」の解説は、「基礎的財政収支」の解説の一部です。
「プライマリー・バランス黒字化目標に対する各種見解」を含む「基礎的財政収支」の記事については、「基礎的財政収支」の概要を参照ください。
- プライマリー・バランス黒字化目標に対する各種見解のページへのリンク