バッド社との技術提携までとは? わかりやすく解説

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バッド社との技術提携まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:10 UTC 版)

東急7000系電車 (初代)」の記事における「バッド社との技術提携まで」の解説

本系列の製造あたった東急車輛製造は、国有財産設備土地などを借り受け1948年8月23日株式会社東急横浜製作所として設立された、戦後発足車両製造メーカーであり、戦後の混乱乗り越えた後も先行する同業他社追いつく努力必要だった1952年7月11日同社社長に就任した吉次利二は、鉄道部門業績向上のために、同業他社上回る技術力シェア獲得することと、海外メーカー技術取り入れ自社技術車両輸出セットで行うことを経営方針1つとして掲げ、その一環として吉次団長とした業界関係者北米・南米市場開拓視察目的として1956年海外へ渡り南米では日本製車両長所伝えて回った訪問先鉄道事業者ではアメリカ製車両導入されており、ブラジルではアメリカバッド社製造したオールステンレス車両乗車する機会があった。吉次は後に東急車輌創立20周年記念座談会で以下のように述べている。 南米はどこへ行っても「俺たち米国からこん立派な車両買っているんだ。お前たち乗せてやろう」と言われブラジルではバッド社製のオールステンレス車に乗った乗ってみたら素晴らしい。PR行きながら他国車両感心してほめほめ乗って歩いた。 — 『鉄道ピクトリアル通巻696号、67頁より引用バッド社1934年には世界初ステンレス製ディーゼル列車である「パイオニア・ゼファー」を世に送り出し1959年までに累計3000両を超えるステンレス車両を製造していたほか、視察時点で7社の海外メーカー技術提携していた。視察帰り際先方との交渉の末に吉次ほか一部人間バッド社工場見学しステンレス製車両鋼製車両に比べ軽量化経済性)と構造強靱さ(安全性)の面で優れていることから、吉次ステンレス車両の将来性確信したという。吉次帰国後の視察報告質疑応答の際、オールステンレス車やバッド社のことには触れておらず、これには、先の視察団には同業他社関係者多く参加していたことから、自社動向他社察知されないようにするための判断だったのではないかという見方や、バッド社工場見学したのは視察団一部だったと推定され視察団公式訪問扱いではなかったから、との見方がある。 東急車輌では1955年ごろから独自にステンレス製車両技術開発始めていたが、吉次先の視察から帰国した直後にはオールステンレス車両製造決意しており、社内でも優秀な技術者集めて技術開発設計業務着手独自設計東急5200系1958年に、東急6000系1960年製造していたが、これらはいずれセミステンレス構造車体であった。この構造では車体腐食を完全に防止することはできず、実際に6000系では登場から20年経ないうちに腐食した部分構体取り替えている。セミステンレス構造塗装費の節減にはつながっても、車体そのもの耐久性ならびに軽量化という観点では満足できるものではなかった。 5200系営業運転開始した1958年当時東急車輛技術陣はすでにステンレス鋼特長最大限生かすにはオールステンレス車両しかないとの結論達しており、バッド社技術必要欠くべからざるものだとの認識持たれていた。この流れの中で、同年8月東急車輌幹部バッド社訪問折衝末技提携合意得た日本外貨事情良くない時代技術提携円貨流出伴うため、日本政府認可が必要となり、認可ののち1959年12月15日契約締結至った翌年には親会社である東急本系列の試作車となる試作品納入同意取り付け販売先確保することができた。

※この「バッド社との技術提携まで」の解説は、「東急7000系電車 (初代)」の解説の一部です。
「バッド社との技術提携まで」を含む「東急7000系電車 (初代)」の記事については、「東急7000系電車 (初代)」の概要を参照ください。

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