はん‐がん〔‐グワン〕【判官】
はん‐がん【半眼】
はん‐がん【斑岩】
ハン‐ガン【漢江】
漢江
(ハン・ガン から転送)
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漢江 | |
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汝矣島から見た麻浦大橋
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水系 | 漢江水系 |
延長 | 494 km |
平均流量 | 613 m3/s (ソウル特別市・漢江大橋) |
流域面積 | 35,770 km2 |
水源 | 金台峰(江原特別自治道太白市) |
河口・合流先 | 黄海 |
流域 | ![]() 江原特別自治道・忠清北道・京畿道・ソウル特別市 ![]() |
漢江 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 한강 |
漢字: | 漢江 |
発音: | ハンガン |
日本語読み: | かんこう |
ローマ字転写: | Han-gang |
漢江(ハンガン・かんこう、朝: 한강、英: Han River)は、朝鮮半島、主に大韓民国(韓国)統治圏の北部を流れる河川。全長494 km、流域面積35,770 km2。洛東江に続いて韓国2位の長さであるが、流域面積は洛東江より広く、韓国1位である。
概説
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)統治地域の江原道通川郡に源を発し、春川市など江原特別自治道北部から京畿道北東部を南流してきた北漢江と、江原特別自治道南部の太白市に源を発し、忠清北道東部、京畿道南東部を北流してきた南漢江が、河南市・南楊州市・楊平郡の境で合流し、ソウル特別市の中央部を北西方向へ流れ、坡州市の烏頭山統一展望台付近で臨津江と合流し黄海の江華湾(京畿湾)に注いでいる。ソウル周辺では1 kmを超える川幅があった。
元々「ハンガン」は朝鮮語の固有語であり、「ハン(한)」は「王」もしくは「大きい」を意味したが、当て字として「漢江」の表記を借用したのが定着した[1]。古くは「韓川」または「阿利水」とも書かれた。
漢江にはチョウセンイチモンジタナゴ、チョウセントゲタナゴ、クロヒレヒガイ、スナメリ、クロベンケイガニなどの水生生物およびカルガモ、ゴイサギ、シマアオジ、クロツラヘラサギなどの鳥類が生息している。ソウル中心部の中州の栗島とオオタチヤナギの生える高陽市の獐項湿地はラムサール条約登録地である[2][3]。
河口付近(臨津江との合流部より下流)は北朝鮮との軍事境界線が設定されており、民間の船舶は航行が制限されている。
朝鮮戦争中の1950年6月28日、北朝鮮軍の南下阻止のために、この川に架かるソウル市内の漢江人道橋(漢江大橋)が韓国軍によって爆破された際には、多数の避難民が巻き込まれ多くの犠牲者が出た(漢江人道橋爆破事件)。
1960年代以降の韓国の高度経済成長のことを漢江にちなんで「漢江の奇跡」と呼ぶ。
1982 - 86年には、1988年ソウルオリンピック関連事業を兼ねて、漢江総合開発事業が実施された[要出典]。流路を幅725 - 1175メートル(m)に拡げ、平均水深を2.5mとした。ここから出てきたバラス、砂利など約7000立方メートル(㎥)のうち約5300㎥を建設資材(骨材)として売却し、骨材に使用しがたい土砂1555㎥は、河川工事の敷地造成、オリンピック道路造成の盛土材として使用された。もし河床整備のために貯水路掘削工事を業者に依頼していれば工事代金で約1500億ウォンを支出する必要があったが、骨材売却のおかげで、逆に業者から2000億ウォンを受け取った。漢江改修事業は、貯水路整備、分流下水管路建設、河川敷地高洲造成、オリンピック道路建設造成、河川敷地の市民公園化で構成された。河川敷地に造成された漢江市民公園は13地区、総面積693㎢だった。体育施設、娯楽施設、釣り場など、ソウル市民が余暇を楽しめる緑地空間と施設が整えられ、漢江を単純な「流れる水」ではなく「水の公園」とする狙いがあった[4]。
2013年3月には、漢江のコンクリート護岸を撤去の上、汝矣島周辺などに「漢江の森」を造成する計画などを盛り込んだ「漢江自然性回復基本構想」をソウル特別市が発表した[5]。
漢江下流の橋一覧



ソウル特別市と京畿道には27の橋が漢江に架かっている。仁川国際空港または金浦国際空港からバスでソウル東部のロッテホテルなどへオリンピック大路に沿って移動する際には、加陽大橋からオリンピック大橋まで19の橋を見ることができる。
日本語名称 | 英語名称 | 朝鮮語名称 | 備考・経由路線 |
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一山大橋 | Ilsan Bridge | 일산대교 | 地方道98号・356号(有料道路) |
金浦大橋 | Gimpo Bridge | 김포대교 | ソウル外郭循環高速道路 |
幸州大橋 | Haengju Bridge | 행주대교 | 国道39号 |
傍花大橋 | Banghwa Bridge | 방화대교 | 仁川国際空港高速道路 |
麻谷大橋 | Magok Bridge | 마곡대교 | 仁川国際空港鉄道 |
加陽大橋 | Gayang Bridge | 가양대교 | ソウル特別市道 禾谷路 |
城山大橋 (漢江) | Seongsan Bridge | 성산대교 | 国道1号・48号 |
楊花大橋 | Yanghwa Bridge | 양화대교 | 国道6号・77号 |
堂山鉄橋 | Dangsan Railway Bridge | 당산철교 | ソウル交通公社2号線 |
西江大橋 | Seogang Bridge | 서강대교 | ソウル特別市道 国会大路 |
麻浦大橋 | Mapo Bridge | 마포대교 | 国道46号・ソウル特別市道60号 |
元暁大橋 | Wonhyo Bridge | 원효대교 | ソウル特別市道 汝矣大方路 |
漢江鉄橋 | Hangang Railway Bridge | 한강철교 | 京釜線 |
漢江大橋 | Hangang Bridge | 한강대교 | ソウル特別市道21号 |
銅雀大橋 | Dongjak Bridge | 동작대교 | ソウル特別市道 銅雀大路 ソウル交通公社4号線(鉄道道路併用橋) |
盤浦大橋 潜水橋 |
Banpo Bridge Jamsu Bridge |
반포대교 잠수교 |
ソウル特別市道31号(ダブルデッキ) 潜水橋は洪水時通行止 |
漢南大橋 | Hannam Bridge | 한남대교 | ソウル特別市道41号![]() |
東湖大橋 | Dongho Bridge | 동호대교 | ソウル特別市道 論峴路 ソウル交通公社3号線(鉄道道路併用橋) |
聖水大橋 | Seongsu Bridge | 성수대교 | ソウル特別市道51号 |
永東大橋 | Yeongdong Bridge | 영동대교 | 国道47号・地方道23号 |
清潭大橋 | Cheongdam Bridge | 청담대교 | ソウル都市高速道路:東部幹線道路(自動車専用道路) ソウル交通公社7号線(ダブルデッキ・鉄道道路併用橋) |
蚕室大橋 | Jamsil Bridge | 잠실대교 | 国道6号・ソウル特別市道71号 |
蚕室鉄橋 | Jamsil Railway Bridge | 잠실철교 | ソウル交通公社2号線(鉄道道路併用橋) |
オリンピック大橋 | Olympic Bridge | 올림픽대교 | ソウル特別市道60号 |
千戸大橋 | Cheonho Bridge | 천호대교 | 国道43号・ソウル特別市道50号 |
広津橋 | Gwangjin Bridge | 광진교 | ソウル特別市道 九川面路 |
九里岩寺大橋 | Guri–Amsa Bridge | 구리암사대교 | ソウル特別市道92号 |
江東大橋 | Gangdong Bridge | 강동대교 | ソウル外郭循環高速道路 |
渼沙大橋 | Misa Bridge | 미사대교 | ソウル-襄陽高速道路 |
八堂大橋 | Paldang Bridge | 팔당대교 | 国道45号 |
八堂ダム工道橋 | - | 팔당댐공도교 | 週末・祝日のみ小型車通過可、それ以外は通行規制 |
南漢江・北漢江へ |
夜間にライトアップされる橋もいくつかある。永東大橋については 李成愛(イ・ソンエ)、周炫美(チュ・ヒョンミ)などが歌う流行歌「雨降るヨンドンギョ(永東橋)」が日本でも比較的知られている。
支流
下流より記載
関連項目
- グエムル-漢江の怪物-:漢江を舞台にした韓国映画。
- ノドゥル島 - 漢江にある人工島
脚注
- ^ https://web.archive.org/web/20200206213448/http://water.nier.go.kr/front/waterEasy/information02.jsp
- ^ “Han River-Bamseom Islets | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2012年6月21日). 2023年4月12日閲覧。
- ^ “Janghang Wetland | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2021年5月20日). 2023年4月12日閲覧。
- ^ 朴世直『ドキュメントソウル五輪(下)』潮出版社、1991年、p65 - 66
- ^ “漢江、コンクリート撤去して“7万株”森の公園”. (2013年3月22日) 2014年2月22日閲覧。
外部リンク
韓江 (小説家)
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韓 江 | |
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韓 江(2024年)
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誕生 | 1970年11月27日(54歳)![]() |
職業 | 小説家 |
言語 | 朝鮮語 |
国籍 | 韓国 |
教育 | 豊文女子高等学校 |
最終学歴 | 延世大学校 国文料 (朝鮮語・韓国文学) |
活動期間 | 1994年 - |
ジャンル | 小説 |
代表作 | 『채식주의자 (菜食主義者)』 |
主な受賞歴 | 李箱文学賞(2005) ブッカー国際賞(2016) ノーベル文学賞(2024) |
デビュー作 | 『붉은 닻 (赤いアンカー)』 |
署名 | ![]() |
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韓江 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 한강 |
漢字: | 韓江 |
発音: | ハン・ガン |
日本語読み: | かん こう |
英語表記: | Han Kang |
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韓 江(朝鮮語: 한강、Han Kang、ハン・ガン、1970年11月27日 - )[1]は、韓国の小説家。光州広域市生まれ。父は小説家の韓勝源。2024年に、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した。
略歴
1993年、季刊『文学と社会』で『ソウルの冬』などの5編の詩で文壇デビュー。翌年1994年、『ソウル新聞』新春文芸に短編『붉은 닻』(赤いアンカー)が当選し、小説家として一躍名をあげる。 その後、『여수의 사랑(麗水の愛)』(1995年)、『검은 사슴(黒い鹿)』などを作品を通じて、人間の根源的な悲しみやさびしさを表す作品を発表してきた。「緻密な細部、飛躍や断絶のない構成、豊富な象徴などで若いマイスターの誕生を予感させる」と破格の賞賛を浴びた。
2005年には審査委員7人の満場一致で『몽고반점(蒙古斑)』が李箱文学賞大賞を受賞した。同賞の歴史上、1970年代に生まれた初の受賞者であり、父の勝源も1988年に同賞を受賞していることから、初の親子での受賞となった。
文学評論家の李御寧は、「韓江の『蒙古斑』は、奇異な素材と独特な人物設定、混乱した話の展開で不自然な小説になる可能性もあったが、レベルの高い象徴性と優れた作法で面白い小説になっている」と評価した。
2013年に初の詩集となる『서랍에 저녁을 넣어 두었다(棚に夕方を入れておいた)』を上梓。2016年、『채식주의자(菜食主義者)』でブッカー国際賞受賞。2024年にアジア人女性初のノーベル文学賞を受賞した。韓国人のノーベル賞受賞者は、2000年にノーベル平和賞を受賞した金大中大統領以来2人目である。
エピソード
父は韓国で著名な文学者である韓勝源であり、父親は日本の作家である中上健次と親しかった。また、韓自身も中上健次の娘である中上紀と親交がある[2]。
年譜
- 1970年11月27日、韓国光州広域市で生まれる。
- 1989年、豊文女子高等学校を卒業。
- 1993年、延世大学校国文科卒業。
- 1993年、文芸誌『文学と社会』詩当選。
- 1994年、『ソウル新聞』新春文芸『붉은 닻(赤いアンカー)』当選、文壇デビュー。
- 1995年、韓国日報が選んだ『優秀小説家』受賞
- 1998年、アイオワ大学主催国際創作プログラムに参加。
- 1999年、第25回 韓国小説文学賞受賞。
- 2000年、文化観光部『今日の若い芸術家賞』文学部門受賞。
- 2005年、第29回 李箱文学賞大賞受賞。
- 2010年、第13回 東里文学賞授賞。
- 2016年、『채식주의자 (菜食主義者)』でブッカー国際賞受賞。
- 2017年、マラパルテ賞受賞。
- 2023年、『작별하지 않는다 (別れを告げない)』でメディシス賞外国小説部門受賞。
- 2023年、『작별하지 않는다 (別れを告げない)』でエミール・ギメ・アジア文学賞受賞。
- 2023年、イギリス王立文学協会International writerに選出
- 2024年、湖巌賞芸術部門受賞。
- 2024年、ノーベル文学賞受賞[3]。
代表作品
- 1995年、여수의 사랑(麗水の愛)
- 1999年、아기부처(子供仏)
- 2000年、내 여자의 열매(私の女の果実)
- 2002年、그대의 차가운 손(あなたの冷たい手)
- 2002年、내 이름은 태양꽃(私の名前は太陽花)
- 2003年、붉은 꽃 이야기(赤い花の話)
- 2003年、사랑과 사랑을 둘러싼 것들(愛と愛を取り巻くもの)
- 2005年、몽고반점(蒙古斑)
- 2005年、검은 사슴(黒い鹿)
- 2007年、가만가만 부르는 노래(静かに歌う歌)
- そっと 静かに(古川綾子訳、2018年6月、クオン、新しい韓国の文学、ISBN 978-4904855706)
- 2007年、천둥 꼬마 선녀 번개 꼬마 선녀(雷子供天女、稲妻子供天女)<児童書>
- かみなりせんにょと いなづませんにょ(斎藤真理子 訳、2025年10月、小峰書店、ISBN 978-4-338-12660-1)
- 2007年、채식주의자(菜食主義者)
- 菜食主義者(きむふな訳、2011年6月、クオン、新しい韓国の文学、ISBN 978-4904855027)
- 2008年、눈물상자(涙箱)
- 涙の箱(きむふな訳、2025年8月、評論社、ISBN 978-4-566-02489-2)
- 2010年、바람이 분다 가라(風が吹く、行け)
- 2010年、아홉개의 이야기(9つの物語)
- 2011年、희랍어 시간(ギリシア語時間)
- ギリシャ語の時間(斎藤真理子訳、2017年10月、晶文社、ISBN 978-4794969774)
- 2012年、노랑무늬 영원(黄色模様永遠)
- 2013年、회복하는 인간(回復する人間)
- 回復する人間(斎藤真理子訳、2019年6月、白水社、ISBN 978-4560090596)
- 2013年、서랍에 저녁을 넣어 두었다(棚に夕方を入れておいた)<詩集>
- 引き出しに夕方をしまっておいた(きむふな、斎藤真理子 訳、2022年6月、クオン、ISBN 978-4910214283)
- 2014年、소년이 온다(少年が来る)
- 少年が来る(井出俊作訳、2016年10月、クオン、ISBN 9784904855409)
- 2016年、흰(白い)
- すべての、白いものたちの(斎藤真理子訳、2018年12月、河出書房新社、ISBN 978-4309207605)
- 2021年、작별하지 않는다(別れを告げない)
- 別れを告げない(斎藤真理子訳、2024年3月、白水社、ISBN 978-4560090916)
- 2025年、빛과 실(光と糸)
関連文献
脚注
- ^ 韓国文学翻訳院文人DB「韓江」 (한국문학번역원 문인DB 한강)
- ^ 毎日新聞. “人間の存在を問う文学”. 2025年1月29日閲覧。
- ^ “The Nobel Prize in Literature 2024”. The Nobel Prize (2024年10月10日). 2024年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。
外部リンク
- Han Kang Facts the Nobel Foundation
- ハン・ガンのページへのリンク