韓江_(小説家)とは? わかりやすく解説

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韓江 (小説家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/23 22:58 UTC 版)

韓 江
韓 江(2024年)
誕生 (1970-11-27) 1970年11月27日(54歳)
韓国光州広域市
職業 小説家
言語 朝鮮語
国籍 韓国
教育 豊文女子高等学校
最終学歴 延世大学校 国文料
(朝鮮語・韓国文学)
活動期間 1994年 -
ジャンル 小説
代表作 채식주의자 (菜食主義者)』
主な受賞歴 李箱文学賞(2005)
ブッカー国際賞(2016)
ノーベル文学賞(2024)
デビュー作 붉은 닻 (赤いアンカー)』
署名
ウィキポータル 文学
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韓江
各種表記
ハングル 한강
漢字 韓江
発音: ハン・ガン
日本語読み: かん こう
英語表記: Han Kang
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ノーベル賞受賞者
受賞年:2024年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:歴史的なトラウマと対峙し、人間の生命の儚さを露呈させた、迫力ある詩的な散文に対して

韓 江朝鮮語: 한강、Han Kang、ハン・ガン、1970年11月27日 - )[1]は、韓国小説家光州広域市生まれ。父は小説家の韓勝源。2024年に、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した。

略歴

1993年、季刊『文学と社会』で『ソウルの冬』などの5編の詩で文壇デビュー。翌年1994年、『ソウル新聞』新春文芸に短編『붉은 닻』(赤いアンカー)が当選し、小説家として一躍名をあげる。 その後、『여수의 사랑(麗水の愛)』(1995年)、『검은 사슴(黒い鹿)』などを作品を通じて、人間の根源的な悲しみやさびしさを表す作品を発表してきた。「緻密な細部、飛躍や断絶のない構成、豊富な象徴などで若いマイスターの誕生を予感させる」と破格の賞賛を浴びた。

2005年には審査委員7人の満場一致で『몽고반점(蒙古斑)』が李箱文学賞大賞を受賞した。同賞の歴史上、1970年代に生まれた初の受賞者であり、父の勝源も1988年に同賞を受賞していることから、初の親子での受賞となった。

文学評論家の李御寧は、「韓江の『蒙古斑』は、奇異な素材と独特な人物設定、混乱した話の展開で不自然な小説になる可能性もあったが、レベルの高い象徴性と優れた作法で面白い小説になっている」と評価した。

2013年に初の詩集となる『서랍에 저녁을 넣어 두었다(棚に夕方を入れておいた)』を上梓。2016年、『채식주의자菜食主義者)』でブッカー国際賞受賞。2024年にアジア人女性初のノーベル文学賞を受賞した。韓国人のノーベル賞受賞者は、2000年ノーベル平和賞を受賞した金大中大統領以来2人目である。

エピソード

父は韓国で著名な文学者である韓勝源であり、父親は日本の作家である中上健次と親しかった。また、韓自身も中上健次の娘である中上紀と親交がある[2]

年譜

  • 1970年11月27日、韓国光州広域市で生まれる。
  • 1989年、豊文女子高等学校を卒業。
  • 1993年、延世大学校国文科卒業。
  • 1993年、文芸誌『文学と社会』詩当選。
  • 1994年、『ソウル新聞』新春文芸『붉은 닻(赤いアンカー)』当選、文壇デビュー。
  • 1995年、韓国日報が選んだ『優秀小説家』受賞
  • 1998年、アイオワ大学主催国際創作プログラムに参加。
  • 1999年、第25回 韓国小説文学賞受賞。
  • 2000年、文化観光部『今日の若い芸術家賞』文学部門受賞。
  • 2005年、第29回 李箱文学賞大賞受賞。
  • 2010年、第13回 東里文学賞授賞。
  • 2016年、『채식주의자 (菜食主義者)』でブッカー国際賞受賞。
  • 2017年、マラパルテ賞受賞。
  • 2023年、『작별하지 않는다 (別れを告げない)』でメディシス賞外国小説部門受賞。
  • 2023年、『작별하지 않는다 (別れを告げない)』でエミール・ギメ・アジア文学賞受賞。
  • 2023年、イギリス王立文学協会英語版International writerに選出
  • 2024年、湖巌賞芸術部門受賞。
  • 2024年、ノーベル文学賞受賞[3]

代表作品

  • 1995年、여수의 사랑(麗水の愛)
  • 1999年、아기부처(子供仏)
  • 2000年、내 여자의 열매(私の女の果実)
  • 2002年、그대의 차가운 손(あなたの冷たい手)
  • 2002年、내 이름은 태양꽃(私の名前は太陽花)
  • 2003年、붉은 꽃 이야기(赤い花の話)
  • 2003年、사랑과 사랑을 둘러싼 것들(愛と愛を取り巻くもの)
  • 2005年、몽고반점(蒙古斑)
  • 2005年、검은 사슴(黒い鹿)
  • 2007年、가만가만 부르는 노래(静かに歌う歌)
  • 2007年、천둥 꼬마 선녀 번개 꼬마 선녀(雷子供天女、稲妻子供天女)
  • 2007年、채식주의자(菜食主義者)
  • 2008年、눈물상자(涙箱)
  • 2010年、바람이 분다 가라(風が吹く、行け)
  • 2010年、아홉개의 이야기(9つの物語)
  • 2011年、희랍어 시간(ギリシア語時間)
  • 2012年、노랑무늬 영원(黄色模様永遠)
  • 2013年、회복하는 인간(回復する人間)
  • 2013年、서랍에 저녁을 넣어 두었다(棚に夕方を入れておいた)<詩集>
    • 引き出しに夕方をしまっておいた(きむふな、斎藤真理子 訳、2022年6月、クオン、ISBN 978-4910214283
  • 2014年、소년이 온다(少年が来る)
  • 2016年、흰(白い)
  • 2021年、작별하지 않는다(別れを告げない)
  • 2025年、빛과 실(光と糸)

関連文献

  • ユリイカ 特集=ハン・ガン:傷を照らし、回復を導く灯…ノーベル文学賞受賞記念』2025年1月号、青土社

脚注

  1. ^ 韓国文学翻訳院文人DB「韓江」 (한국문학번역원 문인DB 한강)
  2. ^ 毎日新聞. “人間の存在を問う文学”. 2025年1月29日閲覧。
  3. ^ The Nobel Prize in Literature 2024”. The Nobel Prize (2024年10月10日). 2024年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月10日閲覧。

外部リンク




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