ハリー・ポッターの大ヒット
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「J・K・ローリング」の記事における「ハリー・ポッターの大ヒット」の解説
1995年、完成した原稿を著作権エージェンシーに送った。1件目はそっけない断りの手紙とともに送り返されてきた。2件目のクリストファー・リトルが経営するChristopher Little Literary Agencyで契約を結んだ。原稿は12の出版社に提出されたが、あまりに長編で、出版する会社は現れなかった。新人による子供向け書籍の出版に取り組んでいたブルームズベリー出版社(英語版)が出版することとなったのは、受け取った原稿を、編集者が自分で読む前に8歳の子供アリス・ニュートンに手渡して反応を見たからである。1時間後に部屋から出てきたアリスは、「パパ、これは他のどんなものよりもずっと素敵だ」と話した。契約金は1500ポンドだった。 契約後もマリー・ハウスでの厳しい教育実習を続け1996年7月に教職課程を終了した。ローリングはスコットランドのゼネラル・ティーチング・カウンシルに登録した。またハリー・ポッターシリーズ2巻の執筆にも取り掛かっていた。カウンシルの作家のための奨励金制度で8000ポンドを得ることができた。 1997年7月26日、『ハリー・ポッターと賢者の石』がハードカバーとペーパーバックの両方で出版された。ハードカバー版の刷り数は500部だった。1巻が発売されても派手な宣伝を行う予算はなく、米国の出版権に入札できないほどだった。 発売されてから3日後、米国の出版権をめぐるオークションではどんどん値がつり上がっていき10万ドルで落札された。米国版の初刷りは5万部だった。『賢者の石』出版から2週間後、2作目の原稿を出版社に送った。『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の出版から6日後、児童書として初となる英国のベストセラーリストの1位を飾った。「ネスレ・スマーティーズ賞(英語版)」を受賞。「ブリティッシュ・ブック・アウォーズ(英語版)」など多くの文学賞を受賞するなど、新人作家としては異例の扱いを受け児童文学として高く評価されるとともに、多数の外国語に訳される世界的ベストセラーとなり、子供のみならず広範な大人の読者をも獲得した。 1999年6月末、ローリングが4度目に受け取った印税は7桁の金額になっていて、ローリングは正真正銘の億万長者になった。プラチナカード会員のクレジットカードを持ち、15%~20%の印税を受け取るようになっていた。 1999年が終わりを迎える頃、デヴィッド・ハイマンとワーナー・ブラザースとの映画化権の契約が完了した。契約金は100万ドルで、ローリングは起こったことに対する発言権を維持し、脚本に意見をいう権利を持ち、特に英国における特定の種類の商品化に対して拒否権を行使できるようにした。代わりにワーナーは世界中で商標としての「ハリー・ポッター」を管理する権利を得た。 第4巻の発売が決まった頃には、既刊の3巻の売上は英国で800万部、米国で2400万部に達した。4巻の英国での初版部数は100万部を越え、英国・カナダ・オーストラリア・米国の4カ国の総初版部数は530万部にのぼった。この時点でローリングの収入は700万ポンドに上ると見込まれた。 35歳になる2週間前、母校のエクセター大学から名誉博士号を授与された。卒業式ではスピーチを披露した。 2001年、オーサー・オブ・ザ・イヤーに加えて、児童文学への貢献を評価され、女王の公式誕生日の叙勲で英国勲功章(OBE)を受章した。「サンデー・タイムズ」の長者番付では所得額は6500万ポンドだった。 2001年には医師のニール・マレーと再婚し、2003年に男の子、2005年には女の子を出産している。 2007年7月21日、シリーズ最終巻となる『ハリー・ポッターと死の秘宝』が発売された。以後も公式サイトや、映画シリーズの製作等で、同シリーズに関わる。 政府の生活保護により離婚後の生活苦をしのいだ経緯から、労働党を支持している。 また紙媒体での本の重要性を説いており、電子書籍による自著の販売に反対していたが、オフィシャルストア「ポッターモア」でのアンケートなどを経て、2012年からハリー・ポッターシリーズ の電子書籍版を販売している。 2012年には、初の大人向け長編小説 『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』(The Casual Vacancy) を発表した。 2016年公開のハリー・ポッターシリーズのスピンオフとなる映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(Fantastic Beasts and Where to Find Them) では、脚本を担当する。ロバート・ガルブレイス名義 2013年、ロバート・ガルブレイス(英: Robert Galbraith)という男性のペンネームで『カッコウの呼び声』という探偵小説を出版していたことが、サンデー・タイムズの調査により発覚した。本人は「もう少し長く秘密にしておきたかった」と語った。 ロバート・ガルブレイスは2003年から民間の警備保障会社に勤務している英軍警察の元隊員だと説明していたが、初めて書いたにしては出来が良すぎるのではないかと疑問を抱いたサンデー・タイムズ紙が、正体について調査した。
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