ハイド伯爵家
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「星界シリーズの登場人物」の記事における「ハイド伯爵家」の解説
リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵(ドリュー・ハイダル)・ローシュ 声 - 田中秀幸 / 森田順平(ラジオドラマ星界の断章『併呑』のみ) 初代ハイド伯爵。ジントの父親。故人。惑星マルティーニュの生まれで、地上での名前はロック・リン。 親友のティル・コリントを秘書として、ハイド星系議会議員を経て政府主席となる。帝国暦935年に妻を亡くし、息子の養育をコリント夫妻に依頼する。帝国暦945年、星界軍流砂艦隊の侵略を受け、主権放棄。初代ハイド伯爵となる。帝国暦952年、ハイド伯国の3ヵ国連合占領後、処刑された。 ハイド門から来襲した星界軍に対し、抵抗するのではなく「帝国の邦国となる代わりに、自らが領主になる」ことを認めさせる。これは、星系住民には極めて卑怯な行為と受け止められ「裏切り者の売国奴」との謗りを受けることとなった。さらに、この件に関してはごく一部の議員にのみ(秘書のティルにすら話さなかった)話して内諾を得ていたこと、叙爵の見返りとしてマーティンの対宇宙防衛システムの制御権を引き渡したことも致命的となった。地上世界出身者が貴族にまで登りつめることはままあるが、領民や国民が士族を経て叙爵されるのが普通であり、帝国外の人間がいきなり貴族となった極めて珍しい例。 ロックの行為は裏切りではあるが法的に正当なものであり罰することは出来ないため、星系政府の議会から特別立法までされた上で処刑される。降伏後は、定期的な通信をした以外、ジントと再会することなく世を去った。 本編では一度も台詞が登場せず(アニメのわずかな台詞はオリジナル)、降伏の過程やハイド伯国の統治状況などは不明な点が多いが、星系市民の反アーヴ感情のため軌道塔の完成を見ることはなかった。ジントの言によれば、地球とは別個に進化したマルティーニュの生態系を極めて貴重な資源とみなしており、有効に活用すればハイド伯国は豊かになるだろうと考えていた。しかし、帝国貴族が領主になればその富は独占され、星系市民には行き渡らないと考えて、ハイド星系市民が領主となって交易に携わらなければならないと主張していた。後にジントが領民政府と交わした条約により彼の目論見はほぼ達成される。 ロックは、本来は領主に選ばれた後、直ちに辞任して星系議会に領主任命権を委譲し、星系市民から領主を選出するつもりであった。しかし、ドゥサーニュから、領主になれるのは帝国貴族のみだと拒否され、市民から負託を受けている以上無慈悲な支配者を受け入れるわけにはいかない、と抵抗の姿勢を見せる。しかしドゥサーニュはロックのマーティンに対する誇りを見て少し心を動かされ、ハイド伯爵位は世襲とすること、自分が指名する人間を家臣として雇用すること、降伏後に一緒に帝都へ行くこと、の3つの条件を受け入れれば、ロックをハイド伯爵とするよう皇帝ラマージュに進言すると提案。ロックは条件を受諾し降伏を選択し、ラマージュもこれを認めた。 スオッシュ 声 - 千々和竜策(ラジオドラマのみ) マルティーニュの領民政府が指名したハイド伯国の代官。マルティーニュ出身の初老の男性。ロックとは知り合いで幼いころのジントにも会ったことがある。取り決めによりマルティーニュに近づけず、伯国内の長期滞在も許されないジントに代わり、軌道城館で領主の職務を代行する。ディアーホの仔のうち純白の仔を引き取って育てている。 パーヴェリュア 声 - 小西克幸 (『星界の戦旗I』)/ 江川央生(『星界の戦旗II』以降) ハイド伯爵家家臣。もと軍匠科従士長。地上世界出身者で本名はアントン・パーヴロヴィチ・フセイノフ。パーヴェリュアという名前は星界軍に入る際にアーヴ風の名前に改名する必要があると誤解してつけたもの。優秀なエンジニアで、反応炉が専門。決断が遅い傾向がある。 帝国暦955年に軍匠従士長として突撃艦バースロイルに着任。帝国暦956年に星界軍を退役。ハイド伯爵家家臣となる。 サムソンとはバースロイルに配属される以前からの付き合いで、慕っている。バースロイルに配属されるときはサムソンに部下として呼んでくれるよう頼んでいたし、伯爵家の家臣となったのも、サムソンと働きたかったのが主な理由だった。また、サムソンが士族になるべきかどうかで悩んでいたときに、身分なんて服みたいなものだから自由に着替えればいいと助言した。 アプティック門防衛戦の際に負傷して爆発寸前の艦に取り残されるが、自力で救命ポッドを発射させて脱出した。助けに来たジントに無駄足を踏ませたことになるが、結果としてジントとラフィールの絆を深めるのに一役買っている。
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